無責任の極み

　アスベストによる健康被害が大問題になっている。正直言って、なぜ今ごろになってこんな大問題になるのかわからなかった。今から１０数年前、会社の安全衛生部門にいたが、アスベストの危険性が社会問題となり、工場や福利厚生施設などへのアスベストの使用状況の調査と撤去に関わった記憶がある。それ以来、この問題は収束したとばかり思っていた。あの時は結局、正直者だけがやったということなのか。聞くところによると、当時国会に提出された「アスベスト規制法案」は業界の圧力によって廃案になったという。
　いったい政治家や行政は何をやっていたのか。彼らの無責任もここに極まれりという思いだ。ＢＳＥも薬害もみんな構造は同じだ。われわれ国民はもっと声を出して怒るべきだ。