昨年より2週間以上遅れて咲いた坪井川遊水地の河津桜は今週いっぱいで見ごろは終り、今年の役割を終える。
替わってやがてソメイヨシノの開花が始まるだろう。だが、葉桜になりつつある河津桜を眺めていると愛おしさで離れがたい想いが募る。なぜか平安時代の歌人・大伴黒主が詠んだ歌
春雨の降るは涙か桜花散るを惜しまぬ人しなければ
が思い出される。


漱石の「吾輩は猫である」の中で、「平の宗盛にて候」と謡曲「熊野」の一節を後架先生が度々呻るように、漱石自身が好んだという「熊野」は、前述の大伴黒主の歌がモチーフとなっている。
この「熊野」をもとに創られた長唄「桜月夜」は、平宗盛のもとを去る熊野が別れの舞を舞う場面である。
替わってやがてソメイヨシノの開花が始まるだろう。だが、葉桜になりつつある河津桜を眺めていると愛おしさで離れがたい想いが募る。なぜか平安時代の歌人・大伴黒主が詠んだ歌
春雨の降るは涙か桜花散るを惜しまぬ人しなければ
が思い出される。


漱石の「吾輩は猫である」の中で、「平の宗盛にて候」と謡曲「熊野」の一節を後架先生が度々呻るように、漱石自身が好んだという「熊野」は、前述の大伴黒主の歌がモチーフとなっている。
この「熊野」をもとに創られた長唄「桜月夜」は、平宗盛のもとを去る熊野が別れの舞を舞う場面である。