
松江出身で八雲に造詣の深い俳優・佐野史郎さんと熊本出身の俳優・宮崎美子さんによる「むじな」や「幽霊滝の伝説」の朗読。さらに二人による小泉セツ「思い出の記」の朗読劇が行われた。なお、朗読の音楽演奏は門田和峻さん(作曲・ピアノ)と広田勇樹さん(チェロ)。
また、小泉八雲のひ孫である小泉凡さん(小泉八雲記念館館長、民俗学者)、熊本大学名誉教授で八雲の研究者として知られる西川盛雄さんらも登壇、八雲と熊本の関係について語った。
なかでも興味深かったのは、西川盛雄さんのお話しで、西南戦争後の復興で急速に近代化が進む熊本を八雲が嫌ったというのは風評の類に過ぎず、八雲が本当にショックを受けたのは、熊本に来て1年しか経たない頃、日清戦争を前に国は経費削減という名目で、五高を含む一部のナンバースクールの閉鎖を検討しており、八雲もお払い箱になる可能性があったこと。八雲は国に対して怒っていたという。