先月、歌手のMISIAさんが、TBSの「news23」の取材を受けている際に落馬し、背中を骨折し、全治6週間のけがを負ったことは少なからぬショックを受けた。年内の公演は中止され、大みそかの「NHK紅白歌合戦」出場も危ぶまれている。彼女のファンとしては1日も早い回復を願うばかりだ。
このニュースを聞いてすぐに思い出したのは60年以上も前の、オードリー・ヘプバーンの落馬事故のこと。彼女の唯一の西部劇「許されざる者」撮影時の事故だった。この作品は彼女の出演が決まった時から大きな話題となり、当時、中学3年だった僕は映画雑誌「スクリーン」で製作進行状況を逐一チェックするほど期待していたので、この事故のニュースはショックだった。彼女も背中を骨折し、製作続行も危ぶまれたほどだった。事故の翌年、やっと公開され熊本の洋画館「新世界」での公開と同時に観に行った。しかし、待ちに待ったこの作品は、映画評論家らの評価は散々なものだった。どうも製作者側のコンセプトが不統一だったことがその原因らしい。ジョン・ヒューストン監督が、自分の作品の中で最悪の一本と述懐したとかいう話すら伝わってきた。
