徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

春画とあいみょん

2020-12-16 15:15:08 | 日本文化
 先月放送されたタモリ倶楽部(テレ朝)で「第1回春画脇役大賞」なる企画が放送された。この番組にお笑い芸人かまいたちの二人とともに出演したのがなんと、人気女性シンガーソングライターのあいみょん。この手の企画には、表現は悪いが「たいしたタマ」的な女性タレントが出るもんだがと訝りながら見ていると、これがなかなかの春画通。彼女については名前を知っているくらいで、歌を聞いたのも、TBSのドラマ「私の家政夫ナギサさん」の主題歌として「裸の心」を聞いたのが最初。変な子だなと思いつつ、臆面もなく「春画が趣味」と言えるのも彼女が自立した女性であることの証なのだろう。
 肝心の「春画脇役大賞」の趣旨なのだが、春画というと、ついつい行為をしている男女に目がいきがちなのだが、実は春画の特徴の一つが、脇役が描かれていること。脇役を知れば、より深く春画の世界に浸ることができるというわけだ。江戸時代 には春画・春本 のことを「笑ひ絵」とか「笑ひ本」と呼んでいたらしく、脇役が笑いの引き立て役にもなっていたという。
 今回、大賞に選ばれたのは勝川春童の「会本見男女沙目」。亡き夫の墓の前で未亡人がお坊さんと行為に及んでいるところを石の地蔵さんが眺めていて、次のセリフが書き込まれている。
 「こいつらはおれのまえでとんでもないやつらだ いしだとおもってばかにしたらあてがちがうぞ」

 あいみょんが、2015年に永青文庫で開催された春画展の図録を紹介していたが、われらがお殿様(細川護熙氏・肥後細川家の第18代当主・永青文庫理事長)は今なぜか、春画展に力を入れてござる。