
3年前の熊本地震による大規模な崩落で地形が変ってしまった南阿蘇村の旧栃木温泉一帯。観光名所だった「鮎返りの滝」もすっかり形状が変り、滝の後退が進んでいるという。しかし斜面の泉源は健在で、今もこんこんと湧き出し白川渓谷へ流れ込んでいるという。対岸に国の天然記念物「北向山原始林」を望む大自然に囲まれたこの温泉の源泉が発見されたのは江戸時代前期の1664年のことというから相当古い。その豊富な湯量により古くから湯治場として栄えた。この由緒ある温泉場が退避を余儀なくされたのは昭和50年代に立野ダム建設計画が持ち上がった時だった。当初から賛否両論のあったこの計画は40年以上もほったらかしとなった。近年になって一部の工事が始まったようだが、いまだに流域住民などの根強い反対運動がある。
この栃木温泉・小山旅館のプールは、かつてわが濟々黌水球部の冬季訓練場だった。ここで培った基礎体力が夏場の厳しい練習に耐えるベースとなった。熊本地震関連のニュースで栃木温泉の話題が出る度、あの懐かしいプールで泳ぎ込んだ青春の日々を思い出す。

高校3年の時の春合宿

鮎帰りの滝を背景に(下村君と僕)