徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

失われゆく熊本弁

2018-11-01 22:07:11 | 日本文化
 先日、京町本丁からバスに乗ろうと待っていると、ちょうど小学校の下校時間とぶつかった。熊大附小の小学生の大集団がバス停にやって来た。まいったなと思いながら、小学生たちとともにバスに乗った。ふと、あることに気付いた。おそらく10数人いたであろう彼らの会話の中に熊本弁が全く聞こえてこないのだ。ごく普通に標準語でしゃべっている。やはり今日ではテレビやインターネットなどを通じて、どこに住んでいようが、生まれた時から全国同じような情報や文化に馴染んでいるので、僕らの子供の頃とは育つ環境が違うのだろう。
 5、6年前、テレビで沖縄の方言が消えつつあるというリポートを見たことがある。昭和47年(1972)に沖縄が日本に返還されるにあたり、教育の場で方言が禁止されたためだという。明治後期には熊本でも女学校などで方言を禁止する教育が行われていた。欧米列強に追いつくための近代化教育の一環だったらしいが、そんな強制的なことをやらなくても現代文明は方言を一掃してしまう可能性がある。ちょっと怖い気がした。

   ▼熊本弁の唄

「とっとっと」作詞:佐藤幸一 作曲:今藤珠美 作調:中村寿誠