徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

失われゆく言葉 ~ 方言の運命は?~

2012-05-11 20:10:14 | 熊本
 今日の夕方のNHKのローカルニュース番組「クマロク!」で「ウチナーグチ(沖縄の方言)」を沖縄の若い人たちが使えなくなり、消えつつある現状をリポートしていた。この大きな原因となったのが昭和47年(1972)に沖縄が日本に返還されるにあたり、教育の場で方言が禁止されたことだという。方言が消えつつあるのはどこの地方でも大なり小なりある話だが、そこで思い出したのがわが熊本でもかつて方言を禁止する教育が行われたことだ。今年、34年ぶりに男子生徒が入学したことで話題となった熊本県立第一高等学校は、明治36年に高等女学校として開校した。同校の百年史によれば明治43年6月に方言を矯正する訓示が下されたという記録が載っている。内容は下表のとおりだが、他校でも程度の差こそあれ同様の教育が行われたようだ。この時代は欧米列強に対抗すべく近代化教育を推し進めていた頃なのでその一環だったのだろうが、今日見てみると滑稽な感じが拭えない。そんな世相を風刺したのか、ちょうどその頃流行ったのが「ハイカラ節」だったそうだ。それはさておき、やっぱり方言には地方の歴史と風俗が込められていると思うので、なんとか残していくような努力をしたいものだ。

▼明治後期の女学校の様子を描いた風俗画


▼明治43年 方言矯正の訓示内容


▼明治時代の終わり頃流行した「ハイカラ節」を元唄とする「熊本自転車節」