徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

俗曲「品川甚句」の世界

2012-05-05 21:44:42 | 音楽芸能
 藤本喜代則さんと喜代則社中の軽快な唄と三味線、そしてザ・わらべのコミカルな踊り。どことなく「おてもやん」を連想する乗りの良い三味線の調子。よく意味がわからないが、言葉遊びのような歌詞。起源などを調べてみたが、江戸時代それも幕末、品川宿で生まれた俗曲であることは間違いないようだ。品川宿と言えば思い出すのは傑作時代劇コメディ「幕末太陽伝」だ。この唄を聴いていると、まさにあの「幕末太陽伝」の世界が甦る。またこの「幕末太陽伝」の中で心中事件を起こす貸本屋金造を演じた名優・小沢昭一さんは「小沢昭一の小沢昭一的こころ」という1973年から続くラジオ番組でパーソナリティを務めているが、この「品川甚句」を含むCDも出している。面白いのは「・・・ちょる」という長州ことばと思われる歌詞。品川宿には映画にも出てくるように高杉晋作や久坂玄瑞ら長州の攘夷派の志士たちが逗留していたといわれているから、やはり長州人が歌い始めたのかもしれない。またじっくりと調べてみたい。

小窓あくれば 品川沖よ
鴨八百羽 小鴨が八百羽
入船八百艘 荷船が八百艘
帆柱八百本 あるよ あるよ
朝来て昼来て晩に来て
来てこんとは いつわりな
来たしょうこにゃ 目が一寸だれちょる
酒飲んだ だれよとだれとが
違がちょる ハッハッ違ちょる違ちょる
切株 土手背負って
恋ちょろ ちょろね
船は出て行く煙は残る
残る煙が アイタタタタ
しゃくのたね