猫たちの企業と知っていた人は少ないものの、チャタロウグループの会社はある意味で有名になっていた。傘下のリトルキャット九州は、ハイテク素材では世界を圧倒していた会社だったが、業界人でもないと、そんな事は判らないものだった。
チャタロウ十則 が 密かに有名になった。こんな事をしていたら、会社は成り立たないと云われる程の方針だった。それにリトルキャット九州はまだ社長が厳しい、チャタロウグループでも最も厳しいと云われていたが、世間水準からみれば信じられない程の緩い会社だった。
それ以外の会社は、会社と云うよりは 仲良しクラブといっても良いほどだった。社員同士はほとんどが ○○さんと呼んで、役職名で呼ぶ人はほとんどいない。命令と言うよりはお願いに近い。社員同士は、役職上の上下関係よりも相手を尊重して合意の上での依頼と云った雰囲気だった。
ある会社がブラック企業とか言われて、その対象として突然報道されていた。
ただ、チャタロウグループは、リトルキャット九州では、命令系統ははっきりとしていたが、それ以外の会社では決断が遅く、みんなが納得しないと動かない会社だったが、なにしろ リトルチャグループは、リトルチャがヤレと云うとそれで動く、チャタロウグループの社員は多士済々なので、実行できる社員はチャタロウグループにいる事が多く、共同だったり、合弁会社を作るなどの形で進む事が多いのだった。
ある意味 末端では相互依存関係があったのだった。
香奈の個人事業会社として、世間では受け取られた意味もあって、信用度は抜群、大体、猫たちの会社なので、メーンバンクは、お宝銀行。お宝銀行はレアメタルが埋蔵していた山脈を持っていた銀行で元々金もあって、最近急速に銀行として伸びてた。
ジブ直轄、ジブが大株主の会社も一杯あって、協力関係は簡単に出来た。社員をこき使うとして有名になったのではなくて、社員を最大現個人としての自由を認めて、人間としての尊厳をお互いに尊重していこうぜと云うのがチャタロウ十則に流れていた思想だった。それにバックには香奈がいるとみんな思っていた。
社員を思いやり、取引先を思いやり、顧客を思いやり、世の中を思いやる会社だった。
当然、せっせと金を儲けて、自分たちも思いやると 一緒に組んでいた、リトルチャグループのゼニの亡者たちは影で呟いていたが、それはみんなには判らなかった。
社員は趣味人としても、多様な分野の達人たちだった。付き合っても面白かった。
利益は最大限に取ろうとする意識も少なくて、協力している企業とワケワケしようとする姿勢もあった。
猫たちの事業も結局 末端は、チャタロウグループの会社が最終的に動く事が多いのだった。
敷地内の猫たちの活躍は、色々な状況、ジブの存在、そして香奈の存在が 全て揃っていて、初めて出来ていた。