のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.1051

2017-02-13 00:26:07 | 新しい子猫たち 

香奈オフィスチャイナの拠点が増えると猫ハウスも増えた。このメス猫はその後もドンドンと子猫を産んでいた。コシロ系統の猫は、子猫は資産と云う考えが無意識にあって、産児制限などはしなかった。香奈も二人しか子供がいなかった。敷地の治部一族では通常三人が限界だった。ドンドンと子供が出来たのは、加代子と陽太の奥さん程度だった。猫の産児制限など考えもしなかったし、敷地内の猫たちも子供が少ないとこぼしていた程だった。


 


香奈ハウスチャイナの幹部もそうした敷地内の空気を知っていた。あの猫も子猫は大事にしていた。子猫たちは大きくなってくると、それぞれの拠点に派遣されるようになった。あの猫も ワシも見てくると幹部と一緒に同行するようになった。


 


あの猫には一つの欠点があった。下半身は別の性格だった。頭は賢くて、慎重で 且つ エネルギッシュだった。大体猫は自由恋愛であって、一夫一婦制を信条とするコシロの家系とは違っていた。遠くに行くと、遺伝的に備わっていたコシロの信条よりも、下半身の欲求が優った。まして自由恋愛を信条とする普通の猫では不倫感覚はなかった。結局 中国各地に種をばら撒いた。


 


キシャなメス猫だったが、アッチコッチに子猫が分散して、しかもいつもいる拠点には自分の子猫たちだらけ、キシャなメス猫が肝っ玉母さんになるのに、時間はかからなかった。要するに多少の事に動じない性格になって 黙っていた。香奈ハウスチャイナに金がないワケでもないし、エサは十分すぎる程あるのだった。