のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.1048

2017-02-10 00:00:04 | 新しい子猫たち 

調整は難航を極めていた。


 


単に中国国内の調整だけではなくなっていた。今のジブトラストの規模は香奈が中国に進出した時のジブではなかった。それに世界最先端の通信技術を持つとされている、コネコ通信の技術がそのまま中国に渡されるのを危惧する事は、世界各国に広がっていて、コネコ研究所の人工知能研究も介護ロボットをはじめとして、医療ロボットでその結果が認められるようになっていた。


 


資産は、世界でも並ぶものがない ジブトラストと最高水準の技術、研究能力を持つ、香奈個人事業、コネコと云う名前は、所詮香奈の猫好きが冗談でつけた名前と思っていた人が大半だった、この二つが融合して、香奈個人事業とジブとしてのその財力、支配力を駆使して中国を支援する事についての恐怖とかまで話題になっていた。


 


それに中国も香奈がジブとして最初に出資していた時とは明らかに変わっていた。もはや世界の大国だった。


 


ジブの管理には、世界各国の指導者から香奈の真意を聞きたいという面会要望が殺到していた。アメリカからは直接香奈に電話まであったし、瑠璃には懇意としていたドイツの総理からの電話もあった。ロシアからも極秘で香奈に電話もあった。


 


香奈は中国内の猫ハウスのパソコンシステムの更新の話なのよ、そんな大げさなことではないのよ とか云ったし、瑠璃もそういったが、誰も信用はしなかった。


 


一応は最先端の技術は兎も角は出さない、今の先進国の通常のレベルにまで押し上げるだけの話だよと云う事で、みんなの納得を得る事にした。それでも調整の時間、説得の時間は思った以上かかっていた。


 


ただジブの財力と中国の財力とがあって、最先端の香奈個人企業がそれを支援していたら、あっと云う間に、中国の技術は世界のトップレベルになるだろうとみんな警戒の念を持っていた