のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.1057

2017-02-19 00:04:44 | 新しい子猫たち 

それに意外ではあるが、決定的な因子として人材が周囲に豊富で、しかも十分に活用されていなかった。


 


正人はビジネスの経験は少ないものの、人を見る目に確かで香奈ファイナンシャルに金はあった。香奈の香奈オフィスの株式保有分、香奈ハイテクの保有分を移行されたような法人だった。


 


香奈オフィスは、香奈が作った時は香奈全額出資のようなものだったので、配当はほとんどしなかった。ただ香奈オフィス内でも持ち株制度を作りだして、社員にも少額ではあるが株式を持たせる事にしていた。幹部から始まって、少しづつ拡大していた。香奈オフィスが儲けるようになると、会社の利益で社員にも利益を分けるようにして、利益相応の配当は出した。それも高配当と云ってもよかった。


 


香奈ハイテクも社員に対して、持ち株制度を作っていた。それも儲けだすと、配当は出した。株式発行数は、上場企業に比べると比較にならない程少なく、利益は多い。結局高配当企業になった。こうした企業が高配当を出すと、香奈ファイナンシャルには利益が溜まってきて、支払うべき税金は多い。正人は有用な人材を採用した方がいいと考えて、ドンドンと香奈ファイナンシャルに入れた。ただ正人は仕事は作れなかった。


 


頭は切れるし、知識もある人が揃っていたが、それを活かす仕事がない。そうした人たちがリトルチャとかチャタロウグループの基礎を作っていった。リトルチャやチャタロウがいくら優秀でも猫がそのままでは仕事は出来なかった。それにグループの最高幹部となった、もうひとつの大きな銀行の支店長経験者は、リトルチャとかチャタロウに心酔していたし、話も分かった。その人たちがグループを作り上げるのに努力をしていた。


 


資本は香奈ファイナンシャルから出ていると、世間はそう受け取った。香奈個人事業と思われて、それだけでも信用はあった。


 


ジブトラストは、当初 運用でごっそりと儲けていたし、ジブトラスト側近企業も多かった、ごぎけんソフトは元々優秀なソフト会社、通信ソフトも作っていいた企業だったが、ジブトラスト内部システム、各国のジブを結ぶネットワークを担当するにつれて、外部との接触をしないようになっていた。金はあるが仕事に満足できない人たちがいた。


 


そうした人たちが、コネコ通信、コネコ研究所の人間として活躍していった。香奈の猫好きは知っていたし。敷地内の猫の賢さを知っていた人たちだった。


 


ビジネスとか通信事業とかソフトに対する知識は元々高い人たちがいたのが、結局 敷地内の猫たちが大きく飛躍していけた、最大の原因かもしれなかった。