昨年末から、久留米の石橋美術館で展示されていたからくり人形展が今月16日までということで
ぎりぎりでしたが石橋美術館に行って来ました。
日曜日だけ、そのからくり人形を実際に動かして見せてくれるというのです。
最後とあって、お客さんも多くて、ロビーはすごい人集り。
実際に動かすのは本物ではなく精巧なレプリカ。
それでも、この茶酌娘は180歳だということです。
昔のものは、ぜんまいを鯨のひげで作ってあったのですが、良質なたんぱく質のため虫に食べられ
現代ではワシントン条約により手に入れることができないため、もう同じものでは作れないそうです。
何しろ人が多かったので動かすときは、遠目からしか見られませんでしたが、
あとで近くで見て写真も撮って良いという最大限のサービスでした。
茶酌娘は、お盆にお茶碗を乗せると客の前まで運び
飲み干して茶碗をお盆に似乗せると、くるりと周って戻ってくるのです。
弓曳き童子は、ゆっくりとした動作で矢を弓につがえて、矢を4本連続で放っていきます。
そのときの首の傾げ方とか、狙っているときのあごの引き方、矢を放った後のどうだといわんばかりのこちらを向く表情。
細やかな動きにびっくりです。
からくり儀右衛門こと、田中久重の作品はもちろん写真に撮る事はできませんがすばらしいものでした。
1799年べっ甲細工師の子として生まれた久重は小さい頃から工作好きで、
からくり人形師となり祭りの興行などをしていました。
やがて36歳で大阪に移住。懐中燭台を発明、無尽灯、からくり時計、
55歳で佐賀藩精錬方に召抱えられ蒸気車や蒸気船の雛形を作ったり大砲の鋳造にかかわり
日本の近代化の発展に大きな役割を果たしたそうです。
75歳で上京し、電信機の製造を開始、作った工場は後の電機メーカー東芝の前身となりました。
83歳で亡くなるまで、発明と製作の一生だったんですね。
上の左は、36歳のとき作った懐中燭台です。
折りたたんであるところを伸ばしてはめ込むと立体的な燭台になります。
当時蝋燭はとても高価なものだったので、宿に泊まるときは蝋燭と燭台は持参しなくてはならなかったので
かさばらず折りたたんで懐に入れて持って歩けるのがヒットしたんだそうです。
このようなことを初めて知ったのですが、なかなか楽しかったです。
オットも、義右衛門展に行くのは前々から乗り気だったのですが、
前日に友人と新年会をして二日酔い気味だったため展示会場では楽しんだものの
せっかくおいしいランチを食べようと、いろいろ調べていたのに「あっさりしたもの」のリクエストで
これだけがちょっと不満の残る一日でしたけどね(笑)