ボクの奥さん

ボクの奥さんは、甲斐よしひろさんの大ファン。そんな彼女との生活をお話したいと思います。

機関紙BEATNIKその3

2016-01-20 05:43:30 | 日記
1982年12月Vol.13には、この機関紙の読者に対する
甲斐バンド全曲アンケートの結果が発表されているんですが

前々号に掲載された「関係者が選んだベスト15」への反響が大きかったみたいで
「選び切れないという言葉は、どこか悲痛ですらあった」とか

「自分だけの名曲だと思ってるものに
こうして順位がつけられることで
曲の聴き方に偏見が出て来るのではないか」と心配になるほどだったそうだ

でも「頭の中に浮かんだ個人的な趣味の曲」と
「最大公約数的な曲」の2通りの回答をなさった方が多かったらしく
「ガラスの動物園のテーマ」以外の全曲に票が入ったんだとか…(笑)
(…って「街路」に3票入ってるのもスゴイ(笑)

で、その「ベスト15」はと言うと…
翼あるもの、きんぽうげ、ポップコーン、破れた…、LADY
漂泊者、観覧車'82、100万$、氷のくちびる、安奈
ブルーレター、最後の夜汽車、HERO、熱狂、メモリーグラス…で

関係者の皆さんの選曲と同じく
ライブで取り上げられる曲が強かったようだけど
これは、選曲対象が違うとはいえ
「ROCKSⅡ」のファン投票の際にも言えたことですよね?

「好きな曲は変動制」の奧さん(笑)でも
必ずベスト10なり15なりに入れるであろう曲が何曲もランクインしているし
ほぼ9割の方が投票されたという「翼あるもの」は
2位の「きんぽうげ」に180票の差をつけてブッチギリ♪

以前にご紹介しましたが「翼」は
奧さんが初めて耳にした時に「ブッ飛んだ」曲で
それ以降、現在に至るまでずっと
「甲斐さん以外の誰にも歌えない」と言っております(笑)

もっとも、奧さんより年長の甲斐友さん達にとっては
「誘惑」よりも「英雄と悪漢」が発売された時の衝撃の方が大きかったそうで
「変わりゆくことが望み」とおっしゃる方のファンとしての気構えが
違っていたのかも知れません(笑)

ともあれ、かつての甲斐バンドライブのオープニング曲とエンディング曲が
「ワン・ツー」との結果に納得のご様子のお二人(田家さんと亀和田さん)

一方、得票数の少ない曲には
佐藤剛さんが「ベスト15に入れる」とおっしゃったという(笑)「恋時雨」や
「悪魔に狂って」「No.1のバラード」「やせた女のブルース」などがあり

「こんなに昔から聴いてるのよ」とか
「通はこうだぜ」みたいなアピールなんじゃないか(笑)と話され
「はっきり言って、甲斐バンドのファンの中には凄くノーマルな人と
物凄くエキセントリックな人がいる訳だし…」と亀和田さん(笑)

田家さんが、このアンケートのハガキや封書をお読みになって
「こんな昔から知ってる人が見たら
こんな事も知らないで…って風になりがちだなと反省した」という話から

「17歳から色んな聴き方をして来た8年と
20代後半になってからとか30代からって、やっぱり密度が違う」とか
「ティーン・エイジャーの柔らかいハートにグサッと影響を受けたっていう
一生、傷痕残すみたいなことってあるだろうね」とおっしゃる一方で

「その年齢なりの聴き方ってあるし
密度の濃い聴き方の人ばかりでも
物凄いマニアだけのミュージシャンになったりするし…」と…(笑)

投票なさった方の年齢分布図を見ると
17歳が頂点の緩やかなピラミッド型になってるんだけど
25歳と26歳の間に「結婚」という人生の大イベントがあったらしく?

田家さんは「中高生の頃に良いと思ってたことが
25歳過ぎたら青春って有り得ないみたいな冷酷な数字なのね」とおっしゃってますが

亀和田さんによると…SFがまだマイナーな文化だった頃
中高生が受験を経て進学したり、卒業して社会人になったりする際に
どんどん振り分けられていったそうで

「本を読むのも、レコードを買うのも、ライブに行くのも
みんな切実なところでやってるけど
曲を聴いてなきゃ死んじゃうって、メシとは違うじゃない?
精神的にも金銭的にも余裕がないと…

単にダンナが行っちゃいけないっていうのじゃなくて
切実にライブに行きたいっていうのが
二の次、三の次になるというか
彼女の中で価値観が違って来るんだろうね」と分析なさってます

でも「甲斐バンドの曲自体が
家庭を持って、子供が生まれて
朝、布団を干してパタパタやりながら歌う曲じゃないから」という
田家さんの説には「異議あり!」と奧さん(笑)
確かに我が家では、掃除するにも食事を作るにも
必ず甲斐さんの曲が流れてます(笑)

それはさておき…一時期、女性ファンが減少した背景について
「昔、聴いてた人で最近聴いてないという人や
今ではもうファンでなくなった人とか

放送局やマスコミの中には、HEROの後に聴き始めたけど
甲斐バンドはもう出来上がってるからってパスする人もいる」
(…って「HEROの前か?後か?」を気になさるのは
男性ファンの方が多いような気がするなあ…?)と思っていたら

「HEROの前とも後とも言えない」とおっしゃる方もおられるみたいで
「バス通りや裏切りの街角は、どこが良いのか判らないまま聴いていて
HEROのヒットの後に聴き直したという男の子が結構多いんだ」そうです(笑)

また、作家でもミュージシャンでも必ず
「偉くなっちゃってサァ」やら
「マイナーな頃は良かったけど、メジャーになってつまんなくなった」って
言い方が出て来るでしょ?(苦笑)

もちろん、マイナーからメジャーになる過程で
表現の本質そのものが変わって来て
以前とは全然違う売れ線の作品ばかりになったって人はいるかも知れない

でも、マイナーな時にやってたことの中に
今やれるほとんどのことが凝縮されて入ってたりする訳ね

だから、甲斐バンドのある部分に自分のことを重ね合わせて
例えば、ラブソングとして託してる人は
曲の中の女性の描き方が好きだったり
「そばかすの天使」が1位になったりするとか
社会的な姿勢が良いと思ってる人は
「噂」や「からくり」が好きだったり…

「嵐の季節」を男が聴くと
「コートの襟を立て、拳を握りしめ、嵐をやり過ごせ」でしょ
女性は「愛が欲しいなんて言いはしない
だから君にもあげはしない」なのね

そこが全く違う…でも、バンドの全体像になってる
重ね合わせる部分が色々あって、間口が広いんだよ…とおっしゃってます

HEROの後だけでなく、ニューヨーク3部作の頃にも
男性ファンが増えた一方で、女性ファンが流出したみたいだし
託すものが、それまで思っていたものと違ってしまったと
感じられた女性が多かったのかも知れませんね?

「どの時代でも、そのバンドが何を歌っていて
それがこういう風に変わって来て…みたいなことが
どれだけ見られるかなってことが面白いよね
この企画も基本的にはそういうことなんだよね」と話されてますが

そのバンドが今もまだ変わり続けていらっしゃるなんて
この当時には想像もつかなかったでしょうね?(笑)








































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機関紙BEATNIKその2

2016-01-17 09:12:15 | 日記
前回は「シビレる言葉」中心に進めるつもりが
記事の内容の方に力が入ってしまい(苦笑)
それなら創刊号から書けば良かったかなあと思いつつ
次の1982年10月号に進めて参ります
…が、サクサクとは行かないかも?(笑)

で、この号の表紙には「ヤツがたとえ道をはずれたとしても救ってやらねば
だって家族なんだからね」という
スプリングスティーンの言葉が載っていて

これは、アルバム「ネブラスカ」に関しての発言かと思われますが
その10年後のインタビューで甲斐さんが
「ネブラスカ」に収録されている「ハイウェイ・パトロールマン」について

警察官の兄が、人を傷つけて逃げる弟を追いかけ
「カナダ領に逃げ去った瞬間に車を停めて、じっとその後ろ姿を見て
それで自分の家に戻っていくのよ
あれ、凄くわかる」と話され

「仮に自分の娘が傷つけられるってことがあったとしたら
確実に報復は考えるね、そういう人間です、俺は
でも、血が濃いっていうのは
そういう抜き差しならない状況の時に

世間一般で決められてるルール、法律か
自分自身のモラル、いわゆる掟か
どっちを信じるって言ったら、俺は掟を信じる」とおっしゃってます

翌月のVol.12には、甲斐さんがその
「スプちゃんの(使った)スタジオを見に行っちゃお♪」と
「甲斐よしひろ史上最大の軽さ」を披露された(笑)
パワーステーションのエンジニア・ボブ・クリアマウンテンの言葉

「KAIの仕事はステキだった
彼がやりたいといえば、ボクはOKだ」が掲げられ
機関紙の内容も甲斐バンドがレコーディングのために渡米した際の様子を
田家秀樹さんが綴られたものが掲載されてます

さらに翌月には「いいモノを創るための時間をくれよ」という
かの有名な甲斐さんご自身の言葉が…

…という訳で、ツアー休止が立て続き
甲斐バンドの転換期でもあったこの時期
BEATNIK紙上では、ニューヨーク・レポを挟んで
甲斐バンドの全曲アンケートを2回に分けて実施♪

マスコミ関係者や著名人、それにもちろん一般の甲斐バンドファンの方が
過去8年間の曲の中から、各々のベスト15を選び
その結果について考察しようという企画らしい

田家秀樹さんと亀和田武さんの対談形式で「傾向」が語られていて
田家さんは「初期の曲が割りときちんと押さえられてる」と話され
亀和田さんは、ベスト15の選び方には「自分の好きな15曲」と
「甲斐バンドの歴史の中での代表曲」という
2通りの選び方があったんじゃないか?と…

「今現在も(少し前までも含め)ライブで取り上げられてる曲」が強く
一方で「1票も入ってない曲が20曲」あり

例えば、シングルカットされた「暁の終列車(B面フィンガー)」や
「ジャンキーズ…」と「陽の訪れのように」
また「マリーへの伝言」と「涙の十番街」など
比較的新しい曲が苦戦しているみたいで

やはり、ライブで何回も歌われている曲は、アレンジが変わり
自然に曲としての重みや輝き、風格が備わって来るからではないか?と

「ずっとステージのアタマだったきんぽうげ」や
「シングルになってない最後の夜汽車や100万$ナイト」が
上位に来ていることを挙げられてるんだけど

確かに、ディスクガレージやサンデーフォーク、FOBなど
各イベンター代表者の皆さんは
ほとんどが、そのままセトリになりそうな選曲になっておられます(笑)

あっ、ちなみにマスコミ関係者の方々のベスト5は
ポップコーン、翼あるもの、安奈
破れたハート
同率で、テレ・ノイ、氷のくちびる、漂泊者…です♪

また、順位をつけて選曲なさった方と
とにかく15曲選びましたという方がおられたらしく(笑)
「もし順位だとしたら、鶴瓶氏なんかは面白いなあって思うね」と田家さん

…で、鶴瓶師匠のベスト3を見てみると
トップは吟遊詩人、2位はバス通り、3位が噂…って
去年のビルボード・ライブをご覧になっていたら
さぞかし喜ばれたんじゃないかと…(笑)
ちなみに、噂と15位の昨日鳴る鐘の音は
鶴瓶師匠だけが選ばれたようです

お二人は「テレビ側の人間」である鶴瓶師匠が
「噂」を上位に入れられたことについて
「やっぱり甲斐バンドとの連帯感がどこであるかってこと」とか
「そうだ、そうだと思わず膝を叩いたんだろうね」とおっしゃったり

他の1票だけの曲にも注目され
その1票を投じた方の好みや性格が判ると興味が尽きないご様子(笑)

カメラマンの中村ねこさんの「ゆきずりの風」もそうだけど
「ガラスの動物園のテーマ」を選ばれた女性編集者の方の心理には
ボクも「何故インストなの?」と心惹かれますね(笑)

…って、曲名を省略したり
イッパシの甲斐フリークみたいなコトを言ってますが(笑)

亀和田さんによると、このアンケートそのものが
「ファン同士の隠微な楽しみ(笑)
共通の知識を持ってることが前提になってないとわかんない」そうだし
それなりには判ってるつもりですので
何卒、ご容赦くださいねm(__)m

ともあれ、甲斐バンドの元マネージャー・武石輝代さんが
薔薇色の人生、黒い夏、風が唄った日
そばかすの天使やバランタインの日々など
彼らと共に戦っておられた頃の曲だけでなく
HERO、安奈、漂泊者などライブの王道曲を選曲なさってたり

アマチュア時代の恩人でいらっしゃる岸川均さんが
バス通り、マドモアゼル・ブルース、ポップコーン…
かりそめの…や、吟遊詩人の唄…といった
当時から甲斐さんが歌っておられた曲を上位に挙げられる一方で
感触、スローなブギに…、そして地下室のメロディを選ばれていたりして

事務所独立後やデビュー後、関係が変わられてからも
アルバムやライブで聴き続けておられたことが窺えます

小林よしのりさんは、1位が漂泊者、2位に破れたハート
3位はHERO…と正攻法の選曲…と思いきや
8位に「悪いうわさ~ダニーボーイに…」のメドレーが…(笑)

この「ズル(笑)」を早速マネなさったという亀和田さんは
順位をつけずに選ばれたそうだけど
「好きな曲は?」と訊かれたら

昨日のように、ちんぴら、最後の夜汽車…と
多分この順番で答えるだろうと話され
曲の並べ方にも何らかの意味と必然性があるのでは?とおっしゃってます

「昨日のように」は、オリジナルではなく
「サーカス&サーカス」に収録されている方がお好きらしく
それは「…静かにねという甲斐よしひろの語りが
なんともいえず可愛くてね(笑)

ちょっとマゾヒスティックなくらい切ない雰囲気をたたえた詩には
本当にマイッた」って話されてるんだけど

「唇を噛んで、寂しさに必死で堪えている少年の潔癖さ
これが甲斐バンドの真骨頂なのだと思う」男性ファンは
「そんなに多くはないんじゃない?(笑)」と奧さん

当時、自分が選んだ曲も順番も忘れてしまってるくせに(笑)
亀和田さんが、さんざん悩まれた末に
一番最後に選ばれたのが「思春期」と知って
「ああ、同病患者なんだ(笑)」と実感したことは覚えてるんだとか…(失礼!)

余談ですが、亀和田さんに「誘惑」と「サーカス&サーカス」という
甲斐バンド菌(笑)をもたらされたのは
「ヤングギター」の編集者でいらした小松明美さんで
この方は、井出情児さんが甲斐バンドを撮られるようになった
きっかけにも関わっておられるそうです













































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機関紙BEATNIK

2016-01-16 08:44:57 | 日記
ナンだかまた「禁断の木の実」に手を伸ばそうとしているような
「ヤバイよ、ヤバイよ」って気がしますが(苦笑)
1982年12月から発行され始めた甲斐バンドの機関紙「BEATNIK」

我が家には、1986年8月号までがファイルされているんだけど
普段は、たまにそのダイジェスト本「BEATNIK」を手にするくらいで
このタブロイド新聞大の機関紙に目を通すことはなかったのに

「シビレる言葉」を書いてる時に、ふと
「そういや、アレの表紙(1面?)にもナンかあったなあ」などと思い出し
現物を発掘して(笑)見てみると…

書かなきゃダメだ…って、誰に言われた訳でもないですが(笑)
魂のゴングが鳴っちゃったもんで(笑)
しばらくおつきあい下さいね♪

本来は、創刊号からヒモトイて行くのがスジだと思うんだけど
その前にまず、そもそものきっかけになった
表紙の「シビレる言葉」について…

ボクの記憶に残っていたのは
1982年9月のVol.10から1年間分の「表紙」だったようで

例えば、その9月号には「誰に対してなのかわからない
あらゆるものへの漠然とした憎悪がグルグル回り続けている」という
ジム・モリソンの言葉が載ってます

甲斐さんが「あまりにも聴き過ぎて
もう好きか嫌いか判らない(笑)」とおっしゃってたミュージシャンであり
20代の頃には「よく似ている」と言われておられた方ですよね

その20代には、ジムと同じく?
いつも何かに怒っているかのように不機嫌で
ご自身も彼が亡くなった年齢まで生きられるのか?と
考えていらしたという甲斐さん(汗)

でも、甲斐さんが自ら編集作業にタッチしてはおられなかったでしょうし
この機関紙の発行人は、当時の甲斐バンドのマネージャー・佐藤剛さんで
この9月号から、田家秀樹さんや亀和田武さんが
エディターとしてお名前を連ねていらっしゃるところをみると

その頃に甲斐さんがよくお聴きになっていた曲や
読まれた本、ご覧になった映画などの話から
「コレは!」という言葉を選んでおられたんじゃないかと…?

ちなみに…奧さんがずっと覚えていたのは、Vol.4の表紙の言葉
…というより、創刊号からしばらくは
「文章」が掲載されていたみたいで、それを要約すると…

何も描かれていない真っ白なキャンバスより
猫の足跡で汚れてしまった方が
白さを強烈に感じさせるのではないか?

全く音が聞こえない部屋より
たまに遠くで汽車の音がした方が
より静けさを感じるのではないか?

真っ暗闇の中で、暗いなぁと思う人は、おそらくいない
長時間いれば恐怖が募るだけだ
薄暗いから人は暗いと思い、暗い暗いと騒ぎたてる
要するに、暗いと騒ぎたてる余裕がある

俺は孤独だ一人ぼっちだと大騒ぎする奴がいる
しかし、北海道の大原野を開墾している男が
俺は孤独だ一人ぼっちだと大騒ぎするだろうか

誰も俺を理解してくれない そう叫ぶ奴がいる
人間が人間をそう簡単に理解してたまるものか
お前の事はよくわかる そう言いたがる奴ほどキナ臭い

…ちょっと口の端がゆるんでしまうような内容ですが(笑)
そこそこの長さがある文章を記憶していたってことは
当時の奧さんの周りには「大騒ぎする奴」が大勢いたんじゃないかと…(笑)
…って、甲斐さんがイチバン騒いでおられたりして?(失礼!)

それはさておき、前出のジムの言葉が載った号の内容はと言うと
「ビートルズは好きじゃなかった」って特集で(笑)

「良いものは語りつがれるべきだと思うし
ビートルズがそれに値するグループだということも分かる
彼らが偉大だということに異論を唱えるつもりもない

でも、ビートルズを嫌いなのは人間じゃない、みたいなのは行き過ぎ
もう過去のグループで、今を生きてないのだから
もっと今を生きているグループに
目を向けるべきではないのか?」との主旨に基づき

「あえて、好きじゃないよと言ってしまおう」ということみたいだけど
「比較は不毛(笑)」と言いつつ
ストーンズと対比してみたり(笑)
「エルヴィスの方が不良だった」との記事があったり(笑)

ビルボードチャートで「ビートルズを蹴落とした(笑)」
アーティストを並べておられたりと
さすが甲斐バンドの機関紙だけあって?
やっぱりトンガっていらしたんですねぇ(笑)

個人的には、亀和田さんの書かれた記事がオモシロイ♪
1960年からの3,4年間に流行った曲のタイトル…
悲しき少年兵(笑)、悲しきインディアン、悲しきカンガルー
悲しき16歳、悲しき60歳(笑)、悲しき街角、悲しき足音…等々を並べられ

こういう歌が大手を振って歩いている時代というのは
けっこう気楽な時代で(笑)
いったい何がそんなに悲しいのかと訊ねてみると大したことはないのだ(笑)

極めつけは「ミスター・ロンリネス」で
ジーン・ヴィンセントが歌ったものは、今聴きかえしても
チンピラの凄味がそれなりに伝わってくるが

スリー・ファンキーズの方は、もうメロメロに近い
ただ軟弱なだけでなく、きわめて単純に出来上がっている
でも、中学二年生だった僕はこの曲を聴いて
「ああ、これは俺のことを歌った曲に違いない」と
感涙にむせんだものだった(笑)

こんな下らない曲を聴いて育った僕や僕の世代が
ロクな大人になれないのは当たり前のことなのだ
…とおっしゃってます(笑)確かに…(笑)

でも、亀和田さんがちょっぴりおセンチな方だったからこそ
甲斐バンド初期の甲斐さんの作品に心惹かれていらしたんじゃないかと…?

ともあれ「ビートルズ世代」というのは存在するが
でもそれは、サラリーマンのカラオケの定番になり
昔話と懐メロで、課長もOLも丸く収まるっていうことなのか?(笑)とか

あるいは、教科書に載ったり
モーツァルトと比較されたりするから
「良いんだ」という優等生で立派なバンドなのか?(笑)とか

「音楽が世界を変える」との期待が
音楽を何かとてつもなく大きなものにすりかえようとしてるんじゃないか?
…等々の問題提起がされた後に

「ブルーレターはスキャンダラスな歌か?」との考察が…(笑)
男が歌ったSEXの歌は「抱きしめたい」という欲求を歌ったものか
「カーテン」のように行為を連想させるものが主流で

「やるまで」のドラマは歌になっても
「やった後」のホロ苦かったり辛かったりするヘビーな物語は歌にならず
ただ、涙やタメ息で泣くのすがるのといった
演歌のパターンでしか歌おうとしない

「スキャンダル」は、リアルなテーマ性がなければいけないが
リアルというのは実生活のことじゃなくて
「甲斐よしひろ夫婦は上手く行ってるのか?」と
心配するのは「ゴシップ」だ(笑)

物語を歌っても物語を越えたテーマを突きつけてしまうリアルさ
男と女の物語に関して、スキャンダラスな形になったのが「ブルーレター」だと…

奇しくも、この号の入稿間際に
「ブルーレター」が放送倫理規程に抵触するとのニュースが入ったらしく

「網走番外地」と一緒にされるのは
「あーりがとう!(笑)」という気がするが
岡林信康の一連のプロテストソングと一緒くたにされるのは
「歌の質が違う」という気がすると…(笑)

どこにでもあるような青春のワンシーンのどこがいけないのか?
「はらませる」という言葉の問題ではないところで
胸に迫って男が泣ける歌を
言葉でしか判断できないお役人は
「感動」の全体を測ることができない人たちだ

たとえ、放送で流されなくても
ライブで歌われ続けることは間違いないのだ…と書かれてますが

「破れたハート…」なんて、アルバム全曲が「暴力賛美」ですもんね(笑)
80年代になってもロックはまだ
「不良の音楽」だったんだなあと…(笑)

余談ですが…もっとサクサク「シビレる言葉」をご紹介するつもりが
思ったようには進まず…(苦笑)

でも、完成間近に保存し損ね(汗)
折れた心を励まして書き直したことに免じて?ご容赦くださいm(__)m



























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ツインズおまけ

2016-01-15 02:48:02 | 日記
さて今回は、毎度おなじみの小ネタ特集です(笑)

まず、本編でご紹介した「マチネの観客は反応が良いらしい?件」から…
奧さんによると、確かにソワレの時よりも笑い声が大きかったそうだけど

奧さんが観たマチネ2本は、連休中の公演とあって
ほとんどの方が「時間の自由がきく」方で(笑)
楽日にはリピーターの方も多くおみえになっていたみたいだし
その比較にはあまり意味がないんじゃないか?と…(笑)

そもそも、お芝居の台詞や段取りは変わらなくても
録画再生するみたいに全く同じ内容にならないのは
甲斐さんのライブと一緒でしょうし

東京公演の(この舞台の本当の)初日から、数回ご覧になっている方が
「若干、ギクシャクしていた部分や
言い難そうだった台詞も
スムーズになって、回を重ねる毎に練れて来ている」とおっしゃってるのも

やはり、生の観客の前で演じられ
その反応を目の当たりにし、肌で感じられることによって
どんどん深化なさって行くからでしょうね?

古田新太さんも「舞台はライブだから
ザッピングして見られるようなものではない
あらゆる感情がそこに乗っている方がいい」とか

「シェークスピア劇でも何でも
ちゃんと役者の感情が届く演出が面白いって人もいれば
見せ場が面白い方がいいという人もいるし、好みはさまざま

ただ、せっかく生身の人間が出ているんだから
役者が演じているのを静かにじっと観て、最後に拍手をするよりも
うわっ!とか、ああ…と1つ1つに反応したくなるものの方が
面白いと思うんだよね」とおっしゃってます

そうそう!最初にこの舞台を観た時には
「ハムレット」と同じく、カーテンコールで
スタンディング・オベイションになるのかな?と思っていた奧さん

が…結局、この日も楽前日のマチネも
3回のカーテンコールはあったものの立ち上がられる方はおられず
少し前のめりの中途半端な姿勢で(苦笑)拍手しながら
「古田さんの舞台では立っちゃダメ」とか?
そういうルールがあるのかも知れないと考えたそうだ(笑)

でも、楽日には3回目のカーテンコールの後
奧さんの目の前の男性が立ち上がって
座ったままの観客を不思議そうに見回され
それにつられて奧さんが後ろを振り返ると
チラホラ立って拍手なさってる方が…?

「そうならそうと早く言ってよ(笑)」と思いつつ
甲斐さんのライブで培った(笑)スタンディングぶりを発揮して来たらしい

この日は、キャストの皆さんに招かれて
長塚圭史さんも舞台に登場され
大きな拍手に恐縮なさってるかのように
何度も頭を下げられてたんだとか…

奧さんは、その少しはにかんだ
でも、嬉しさがこみ上げておられるような笑顔を見て
映画「照和」の舞台挨拶の時の深津監督を思い出したという

感無量でいらしたのか?言葉が出て来なくなられた監督を
甲斐さんは「事故ですか?と思いつつ(笑)
ふだん自分の作品がどんな風に観られているか、知る機会がなかったから
初めて観客を目の前にして、グッと来たんだろうね」と
フォローなさってたそうだけど

長塚さんは、役者さんとして出演されることも少なくないでしょうし?
やはり、演出というお立場では全く違う感慨がおありだったのかなあと…

それはさておき…このマチネ2本を観るにあたって、JRを利用した奧さん
楽前日は、終演後に職場へ向かわなければいけなかったのに
京都駅で人身事故があり、昼食抜きで出勤時間ギリギリ(汗)

楽日も最寄り駅に着くと、また人身事故発生のため振替輸送実施中…(汗)
大阪までなら、若干時間がかかっても私鉄で行けるんだけど

会場である森ノ宮ピロティホールは
甲斐さんのライブで行かれた方はご存知でしょうが
大阪から環状線か地下鉄に乗り換えなければならず
甲斐時間のない開演時間に間に合うかどうかヒヤヒヤだったらしい(汗)

そんなアクシデントにも負けず(笑)
偶然?同じ列の1番違いの席…
おそらく発売当初は「見切れ」でクローズになっていたのか?
端に近いもののかなりの前方…で観ていたせいか

客席を海に見立てたこのお芝居で
「エリコが消えた海を諦めの色を浮かべて
あるいは、希望を持とうとして眺める」
リュウゾウさんに顔を覚えられたらしく(笑)
カーテンコールの際に「ピンポイントで手を振って貰った♪」と…(笑)

あっ!でも、吉田鋼太郎さんが舞台袖で
「何列目の何番にカワイイ子がいる」とおっしゃるという(笑)
例の話とは無関係だと思います(笑)

ともあれ、いつか吉田さんのシェークスピア劇を観たいとの思いは
ますます強くなったことは間違いアリマセン(笑)

まあ、当面はテレ東で始まる吉田さん主演のドラマ
「東京センチメンタル」を楽しみに「いつか」を待つことになりそうですが

ツインズのパンフレットの中で、吉田さんが長塚さんに
「俺主役の恋愛モノ(笑)を書き下ろして貰いたい」と話されていて

「恋愛というものは不自由な中で起こるから面白い訳で
こんな便利な時代には面白い恋愛モノは…」とおっしゃる長塚さんに
「だからこそ、今なんだよ」と…

「今は情報が多いから、皆だいたいコレくらいというのを判ってて
その枠からはみ出たり、身の丈に合わないことをすると
失敗してしまうと思いながら生きてる
背伸びしなくなっているんだよ」と吉田さん
再再再婚なさった方がおっしゃると説得力ありますね(笑)

長塚さんは「鋼太郎さんが本気だったら書いてみたい」と
答えておられるんだけど、その一方で

「僕は鋼太郎さんの役を書く時、一般的には見られない
何か異常な飛躍をさせたくなる
いつも早川義夫の歌が頭の中に流れてくるんです
サルビアの花とかね」と話されていて

「リアリズムの中で異常性を作り出すことが出来る人」を
主役にした恋愛モノは、一筋縄では行かないモノになりそうですね(笑)

余談ですが…会場には、吉田さんと
「半沢直樹」や「刑事7人」で共演なさった片岡愛之助さんからのお花と

ナゼか?(実は古くからのご友人の)
近藤光史さんのお花が飾られていたらしく
奧さんは「コンちゃんとは多婚繋がり?(笑)」と思ったんだとか…(失礼!)

あっ、ちなみに近藤さんは
甲斐さんがプロモーションの際によく出演される
関西のラジオ番組のパーソナリティーの方で
再再再婚なさっておられます(笑)































































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ツインズその5(ネタバレあり!)

2016-01-14 03:21:49 | 日記
古田新太さんいわく…劇場というのは
わざわざお金を払って足を運んで観に行く所だから
やっぱり「ハレ」の場であるべきだと思う
オイラはそこで非日常を観たい

舞台でも映画でも、日常をどう描こうと
表現した時点でもう日常ではない訳で
本当の日常には決して勝てない
ふだん生きていく方が大変なんだから…

「いるいる」「あるある」と共感するより
「ないない」と逸脱している方を観たい
有り得ないものを観た時の方がドキドキするじゃない
共感は感情の揺れが小さいと思うんだよ

奧さんが3回も足を運んだのは、そういうことだったのかなあと…
もちろん、映画館で映画を観たり
甲斐さんや甲斐バンドのライブに参戦した後にも
気分が高揚したり、心が揺さぶられたりするんだけど

この舞台は、その内容…長塚圭史さんによれば
終末を予感させる3日間、そういう時に人間の心は流れが細かくて
瞬間瞬間に変わっていくと思うんです

何故?と考える時間もなくて、どんどん進んでいくだけ
冷たい絶望の波に呑まれるのを待つばかり
達観するか、慌てふためくか、恐れも憐れみも押し隠して生きるか

熱烈な情念は、むしろ絶望を引き寄せてしまう
それなら、現実ではなく幻想に、現在ではなく過去に、あるいは忘却に
身を浸して生きる他ないのか

と作られたご本人が「胸苦しい」とおっしゃる…だけに
劇場の外に出ると、その日常的な光景に違和感を覚えたというか

シュールレアリズム展を観た後に
少し世界が変わって見えるのと同じような感じがしたらしく
その感覚はソワレよりもマチネの時の方がより強かったそうだ

まあ、ボクが想像するに、真っ昼間にプラネタリウムに入って
暗闇で星空を眺めた後に外へ出たら
まだ陽が高くて「あれっ?」みたいな…?(笑)

ちなみに、長塚さんが「LAST SHOW」では登場人物に語らせた思いを
ツインズで語らせるのを止められたのもやはり
「僕が書いても、皆が持っている
家族の問題の方が大変でしょうと思ったから」だそうですが

奧さんは「イヤイヤ、こんな大変な家族は物語の中だけ(笑)」という思いと
「もしかしたら、明日にでもこんな話が本当に起こるかも知れない」という
漠然とした不安が同時に湧いたんだとか…

ともあれ、ハルキ以外の大変な家族はというと…
ハルキに「素直で良い子」と思わせていた娘・イラは
海辺の家の血縁者たちと生活する内に柔軟になり
変化に対応していくものの
死臭が漂う「おじいちゃん」と「こんな時に生まれて来た」双子の間で
何かが弾け飛んでしまうみたいだし(汗)

その双子を抱こうともしない年下の夫と先の見えない生活に
不安に押し潰されそうな妻・ユキも
ナゼかこの家の水や料理は安心して口にするし

何の問題もなさそうに会話や食事を進めていくトムは
この状況で、ブレずにフツーにしていられることこそが「ねじれ」ていて

そのフツーにすればするほど、頭のオカシイ人に見えるという
「真っ直ぐに間違える役」を演じられた中山祐一朗さんについて

吉田鋼太郎さんいわく…感情がないような役なのに
ちゃんと喜怒哀楽が伝わる
自然体というのとも違う独特のかわし方、あれは僕には出来ないね

ご自身の役・リュウゾウについては「汲み取りきれない」と話され
「穏やかな精神状態でいるように見えてるけど
内側では、とてつもないことを考えている
こういう堂々としていて、ちょっとオカシイ人を演じるのは大好き(笑)」
…と、おっしゃってるんですが

リュウゾウの目標は「人魚になること」らしく(苦笑)
毎日、トムが汲んで来てくれる「海水」
(実は、塩を入れたブルーハワイ)を飲むことで
その海水が身体の中を循環し、いつか泳げない自分が海に入れるようになる

そして「海に消えた」妹・エリコと
海に溶けた細胞同士になっても再会する
と、本気で?信じているんだとか…(汗)

もっとも、そのエリコの息子・タクトと話す場面では
「たとえ、着色料が入った水でも
俺が海水だと信じている限りはそうなんだ」という台詞があったそうで
そう思い込むことが生き甲斐…
この状況にあっての唯一の心の支え
なっているみたいです

「出て行く者はあっても、入って来ようとは思わない」
この海辺の町が嫌いで「母さんは街に行ったんだ」と言うタクトに
リュウゾウは「お前はそう思っていればいい」と答え

「外は危険なのに、ナンでみんな僕に散歩に行けって言うんだ?」と
開演してから何度もタクトが口にしていた台詞が登場し
「じゃあ、お前は今日、何をする?」
「お前はどうするんだ?」と問いかけるリュウゾウの言葉は

おそらく、この舞台をご覧になった方の大多数が
ご自分への問いかけとして受け取られんじゃないかと…?

「書かれている台詞の通りに喋ると90%くらい彼の気持ちが伝わり
そのシーン自体が成立するほど強い台詞を与えられています
ただ、文学性の高い台詞だから
お客様にちゃんと伝わるところにまで
しっかり持っていかなければ…」と吉田さん

ファンとしての贔屓目を差し引いても(笑)
しっかり受けとめた者がちゃんとおりますよ♪













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