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日本水工コンサルタント 社員ブログ

自然との調和に配慮し、農村と都市の新たな風景を創造する

点の記

2009年06月09日 | 日記・エッセイ・コラム
「点の記」とは、新田次郎「劒岳<点の記>(文春文庫)」に次のように記述されている。
「点の記とは三角点設定の記録である。一等三角点の記、二等三角点の記、三等三角点の記の三種類がある。三角点標石埋定の年月日及び人名、覘標(てんぴょう:測量用やぐら)建設の年月日及び人名、測量観測の年月日及び人名の他、その三角点に至る道順、人夫賃、宿泊設備、飲料水等の必要事項を収録したものであり、明治二十一年以来の記録は永久保存資料として国土地理院に保管されている。」
Ten 間もなく映画が公開されるということで、この「剣岳<点の記>」を読んでみた。
わたしも測量師の端くれだが、あまりにも知らないことが多く、また地図を作るということが如何に困難なことかを改めて感じた。
小説は、陸地測量部の柴崎芳太郎が、明治40年に、未踏の山、剣岳に三角点を設置するまでの過程が書かれているのだが、山を熟知している新田次郎が執筆しているので読んでいて臨場感がよく伝わってくる。
わたしも昭和48年(1973年)9月に、この剣岳に登ったことがある。もちろん、カニノヨコバイなど極めて危険な個所もあるが、すでに登山道として確立していたので、三角点設置の時のように道なき道という訳ではなかった。
そのはるか以前に、今では考えられないような劣悪な条件と装備で剣岳を始めとして立山連峰に次々に三角点を設置していったのは今でも信じられない。
先人の知恵と勇気に触れる、土木技術者のみならずとも楽しめる小説であり、まだ公開されていないが良い映画ではないかと思う。
ここに剣岳の「三等三角点の記」がある。
平成16年8月にGPS新設測量したものだが、選点者は、柴崎芳太郎となっている。

バッテンライ

2009年05月13日 | 日記・エッセイ・コラム

 「バッテンライ」という映画がシネマート新宿で公開されているので、建コン協関東支部の野球大会の応援の前にと昼前に観に行った。
バッテンライとは、「八田来」と書き、八田が来たという意味だ。
Ss_2 八田は、日本の土木技師で、日本が占領していた時代の台湾で、荒れた大地のなかでダムや水路などの灌漑施設を造っていく過程が描かれているアニメ映画だ。
何年か前だったが、土木学会会館で琵琶湖疏水の工事をした田辺朔郎が主人公の映画を観たことがある。その時の感動は強く残っていた。そのイメージで観にいったの だが、このバッテンライは、土木技術という側面もあるが、むしろ、荒れ果てた地に灌漑施設を造ることを疑う地元の農民達とその農民の子、日本人技師の子といった人間模様もあわせて描かれていた。

おそらく子供が見ても良いようにと映画は作られたのだろうが、もっと土木技術の面を強く出して、大人の鑑賞に堪えられる様な映画にして欲しかった。
それでも、建築に比べると著名な土木技師の名前はまだまだ一般には知られていない。そういった意味では、この八田技師は、日本では馴染みがないかもしれないが、台湾では今でも慕われているそうだ。

映画を観終わって、席を後にしたとき、家族づれのお父さんが子供に、どうだ土木技師になりたくないかと言っていた。お父さんは土木に関わっているのだろう。子供の返事は聞こえなかったが、小学生くらいの子供と行くには良い映画だと思う。


春ですね・・・

2009年03月30日 | 日記・エッセイ・コラム

 日本水工コンサルタントの西部支店は、熊本市にあります。
一般的な企業の多くが九州一の経済圏、福岡に事務所を出しているのに何故と思うかもしれませんが、しっかりとした理由があります。
それは、私どもの最大の顧客である農林水産省の九州農政局が、ここ熊本市にあるからです。

R0012728  その西部支店から年度末の超繁忙期もつつがなく過ぎつつあるなかで、春の便りを送ってくれました。

西部支店は、熊本市街の住宅が建ち並ぶなかにありますが、それでもその近所には、このようにきれいな菜の花畑があります!みてください、春です。

P3250190 そして、先日は昼休みを利用して近所の公園まで出かけ、お花見弁当としゃれてみました。

さぁ!新年度に向けて新たなStartです!
by miya

P3250192


日本は水の消費大国

2008年12月31日 | 日記・エッセイ・コラム

 もう今日は大みそかです。
今年も色々ありました、そんななかで夏前だったと思うのですが、「日本は水の消費大国」という記事が新聞に掲載されていました。仕事と少なからずかかわりがあるので興味を持ち、そして、わたしにとっては改めて思いを新たにした内容でした。

 それは、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が昨年まとめた報告書によると、現在利用可能な水資源が、温暖化によって今世紀半ばまでに10~30%減少すると予測しているということです。
地球温暖化の影響により安定した水資源の確保が世界の大きな課題になるのです。

では、「日本は水の消費大国」とはどういう意味なのか?
日本は、ご存じのように食料の自給率はものすごく低いですが、大量の食糧を輸入して、農作物の生産に必要な水を節約しているのだそうです。

牛丼一杯が1,890リットルの水を消費してできている。
コップ一杯の牛乳が110リットルの水を消費してできている。
牛を一頭育てるのに、6,540トンの水が必要になると書かれていました、これは牛が口にする飲料水のほかに餌となるトウモロコシなどの農作物の栽培にも大量の水が必要になるからです。

そして、次のような食糧1kgを作るのに必要な水はというと・・・。
牛肉(20,600リットル)
豚肉(5,900リットル)
鶏肉(4,500リットル)
米(3,600リットル)
卵(3,200リットル)
大麦(2,600リットル)
大豆(2,500リットル)
小麦(2,000リットル)
トウモロコシ(1,900リットル)
パイナップル(396リットル)

 日本が水不足を実感しなくて済んでいるのは、食料を輸入することで大量の海外の水を使っているからなのです。食料の自給率を上げるのはそう簡単ではありません、農作物を育てるための水が圧倒的に不足してしまうのです。
結果的に水をも輸入しているという現実。温暖化ストップを自ら行い示していかなければ、世界的な水不足が遠からず起きます、そしてその時、日本の食料はどうなるのだろうか?

次の世代のために、一人ひとりが温暖化を意識して、水を意識して過ごさなければいけないのだと感じた一年でした。


イブニングシアター

2008年11月17日 | 日記・エッセイ・コラム

 土木学会では毎月、土木に関する映画の上映をしています。もちろん無料で、かつてのプロジェクトXばりに面白いです。そして学会会員以外でも見ることができます。

今月の上映案内が来ました。
特集名:舞台は東京湾(2本上映)

日 時:11月26日(水)18:00
場 所:中央大学理工学部(後楽園)5号館1階5136教室(いつもは土木学会会館)
  
上映作品
1.大空に向けて東京国際空港沖合展開事業- 地盤改良 15分
2.東京湾アクアライン(総集編)-技術記録- 83分

詳細はこちらをご覧ください。
http://mme.kitera.ne.jp/eve_theater.htm