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黒毛和牛:子牛の価格高騰 肥育農家は採算取れず、悲鳴

2014年05月11日 18時30分02秒 | Weblog
毎日新聞に「黒毛和牛:子牛の価格高騰 肥育農家は採算取れず、悲鳴 毎日新聞 2014年5月11日(日)13:00」という記事が出ていた。

内容は以下の通り
 全国の家畜市場で取引される生後8カ月の黒毛和牛の子牛の価格が年々高騰し、4年間で1.4倍にまでなっている。
子牛を供給する繁殖農家の高齢化で飼育頭数の減少に歯止めがかからないのが原因とみられる。
飼料代もあり、子牛を買って育てる肥育農家は採算が取れず、悲鳴を上げている。
この上に牛肉の販売価格が下がればダメージは計り知れず、関係者は牛肉の関税引き下げが焦点になっている環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉の行方に危機感を募らせている。【取違剛】

「2年ほど前までは1頭47万~48万円だったが今では平均60万円。やりきれない」。
熊本県菊池市で黒毛和牛など約800頭を飼育する肥育農家、安武孝之さん(66)は、近年の子牛の価格高騰に渋い表情だ。

黒毛和牛は繁殖農家が生後8カ月まで育てた牛を肥育農家が買い取り、20カ月ほど育てて出荷する。
肥育農家にとって、購入価格約60万円の上に飼料代が約30万円かかるので、1頭当たりのコストは人件費を除いても90万円以上はかかる。
肉の販売価格も上がっているが、成牛1頭当たり平均80万円前後にとどまっており、1頭当たり10万円超の赤字が常態化しているのだという。

農畜産業振興機構(東京)によると、黒毛和牛の子牛取引価格は昨年12月、全国平均54万8776円に達して過去最高を記録。
4年間で約17万円値上がりした。優良種が多く、全国一高値がつくことで知られる薩摩中央家畜市場(鹿児島県さつま町)は今年4月の平均が60万2847円で過去最高を更新した。
北さつま農協の森田俊秀畜産部長は「肥育農家にとっては大変な状況だ」と言う。

ここまで子牛が高騰するのは、子牛を供給する繁殖農家が減少し、子牛も減っているからだ。

農林水産省によると、全国の繁殖農家は昨年2月現在で6万900戸。
5年間で約2万戸減った。
同省畜産企画課は「繁殖農家は、母牛が数頭いれば営めて労力もそれほどかからないため、昔から高齢者が多い。一方、後継者や新規参入がいないため、子牛は年々減っている」と言う。

その言葉通り、2009年度に38万8234頭取引されていた黒毛和牛の子牛は13年度は35万1119頭と約10%減少している。
東日本大震災や4年前の宮崎県での口蹄疫禍(こうていえきか)を繁殖農家減少の一因に挙げる関係者もいる。

肥育農家が苦境にあえぐ中、TPPや日豪経済連携協定(EPA)で安価な海外産牛肉が輸入され、牛肉が値崩れすれば打撃は更に深刻になる。

黒毛和牛の場合、成牛1頭当たり枝肉460~480キロになり、1キロ当たり1650円前後で取引される。
安武さんは「枝肉価格が1キロ100円下がれば肥育農家にとって1頭当たり5万円ほどの損害になり、肥育は続けられない。国は厳しい競争を強いる前に、時間をかけて生産現場を強化してほしい」と話している。
というもの。

EPAでもTPPでも、なかなか見えない部分が今回記事となっている。
政府は、交渉においても、自分たちの検証についても、この部分については考慮していないだろう。
なぜなら、少しでも考慮してしまったら、交渉することすらできなくなってしまうからである。

交渉して関税を下げて、外国には良い顔が出来たとしても、国内の農業を赤字に追い込み、生産現場を縮小させてしまうだろう。
こんなことをしていたら、10年後には、鳥・豚・牛の肉は、全て国内産ではなくなってしまうぞ。

そうなってしまった時には「和食」も世界登録から外さなければならなくなるだろう。
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