こだわり米専門店スズノブ 西島 豊造(五ツ星お米マイスター)の豊かに造ろう

様々な現実を見つめらがらも、日々を前向きに考えて進んでゆくためのブログです

産地の評価を下げる産直

2008年10月23日 04時43分46秒 | Weblog
 よく消費者から「産直は安くて安全で美味しい」という言葉を聞く事があります。
確かに中間の流通を省略しているので、その分は安くなるのは自然かもしれませんが、お米に関しては、極端に産直の価格が安すぎる傾向があります。
 安いことは、消費者にとっては嬉しいことなのですが、このしわ寄せも、実は生産者に跳ね返ってしまっているということも分かってほしいと思います。

 生産者は米屋に対して「今年はこれだけ苦労して栽培した」「ここまでこだわってみた」「こんな新しい肥料を水田に投入してみた」「思った以上に獲れなかった」「農薬を使用しないで作った」などと一生懸命説明をして、少しでも高くお米を買ってもらおうとします。
そして、その大変さを少なからず理解している米屋も、その努力に合った価格をつけるように努め、さらに、消費者に対しても生産者のこだわりなどを説明するように勤めたりしています。

 それなのに、生産者が行っている産直の価格が、スーパーなどの特売価格と同じだということが多々あるのですが、これは一体どういうことなのでしょうか。
米屋には高く売りつけ、自分たちは特売価格で安く売るというのでは米屋は納得できるはずがありません。
 生産者に問いただすと、「高いと販売しきれない」という回答が戻ってきたりすることがあります。
ということは、最初からその価格でしか販売できないようなお米を作っていたということなのでしょうか。
もしもそうなら、米屋にも消費者に対しても失礼でし、米屋に買ってもらうよりも、最初からスーパーに買ってもらうようにしたほうが、簡単に完売できるのではと思ってしまうのです。

 現在は情報社会で、インターネットも普及しているので、米屋でなくても産地の情報を手に入れることが簡単になりました。
米屋もインターネットで産地の販売価格などを参考にして、店頭販売価格を設定することもあります。
 ところが既に産直をしており、それが特売価格で販売しているお米だったとしたら、消費地だからといって高く販売することは出来ません。
結果として、「産地と同じ価格で販売する」のか、それとも「販売を中止してしまう」かの選択となってしまいます。

 産直をしている生産者は、自分で自分の首を締めているんだということを、よく理解してほしいと思っています。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« はー気持ちいい | トップ | 消費者を裏切る産直 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿