こだわり米専門店スズノブ 西島 豊造(五ツ星お米マイスター)の豊かに造ろう

様々な現実を見つめらがらも、日々を前向きに考えて進んでゆくためのブログです

産地の拡大を見送る

2010年09月19日 11時47分51秒 | Weblog
お米の販売価格が下がってしまうという事態になることは、明らかに分かっていたことなので、これを想定して、なおかつ、その中でも地域が活性化できるようにと作られているのが、独自の考え方から作られているSPR(Suzunobu Project Rice)なのだ。

そのため、今回の事態になったとしても、シッカリとプロジェクト化を薦めてくれている産地については、なんとか価格も販売量も維持できるのではないかと思っているし、それなりの作戦も出来上がっている。

しかし、プロジェクトが上手に行っていない産地については、この事態に対抗するための作戦が出来上がっていないため、やはり巻き込まれてしまうかもしれない。

そのため、22年産米については、全てのプロジェクト米を守るために、9月前までに計画した産地だけに絞り込むことにして、新しい産地の拡大や販売については、ほとんど見送ることにしようと決めた。

特に、1人だけの手柄となってしまうことが多い上に、地域の活性化には、なかなか結びつかない、生産者ごととのタイアップについては、全て止めることにした。
今年は特に、高温障害による品質と食味の問題もあるので、なおさらである。

正直言って、この程度のミニミニ変更では、何の役にも立たないことは判っているのだが、全く手を打たないで悪化させてしまうよりは、ましだろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

その一言は言えない

2010年09月19日 10時50分32秒 | Weblog
この数日、マスコミからの問い合わせで「お米の価格が下がっているというのは本当か」「どのくらい安くなっているのか」などの問い合わせが続いている。

お米の概算金が下がってしまったことは事実であるし、末端のスーパーなどが5kg1500円前後に価格を下げていることも事実。

価格が下がれば、消費者にとっては嬉しい情報となるので、価格が下がっていることについての取材をしたいという依頼があるのだが、それについてだけは、どんなに頼まれても取材は拒否している。

一昔前なら、価格が下がってしまっているものは、産地名+品種(例:新潟コシヒカリ)だけで販売されている、地域指定などがなかった銘柄米が多かったのだが、今回については、地域指定や農協指定がされているものまでもが含まれているので、事態はもっと悪い。

今現在で、5kg1500円前後と言う価格が当たり前になってしまうと、これから出てくる産地の銘柄米は、当然この価格を無視することは出来なくなってしまうので、結果として、全体的に価格が下がってしまう方向になってしまう可能性があるのだ。

当然、産地の活性化や将来を考えて計画されている、自分のプロジェクト米であっても、この影響をさけて通ることは出来ないかもしれない。

この状況の中で、自分が「価格は下がっている」と言ってしまったら、それこそ価格誘導となってしまう可能性があるし、そもそも、「産地を活性化したい」という自分の考え方からもいえるはずが無いのである。

でもきっと、価格は下がっているという報道は、これから多くなるのだろうな。

お米の現実を知らないスーパーの担当者なら話をするだろうが、お米の現実に直接かかわっている米屋には、言って欲しくないコメントだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする