虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

ザ・ファントム(1996/米)

2005年04月17日 | 映画感想は行
THE PHANTOM
監督: サイモン・ウィンサー
出演: ビリー・ゼイン クリスティ・スワンソン トリート・ウィリアムズ キャサリン・ゼタ・ジョーンズ

 海賊に父親を殺されたキット少年は、南海の現地人の間で育ち、自分の使命を悟りファントムという正義のヒーローになった。1920~30年ごろを舞台に世界をまたにかけ、秘宝を狙う悪役とファントムとの戦いを描くアメコミの映画化。

 アメリカで大人気のコミック実写化ということですが、キャサゼタお姉さまが悪女役なのと、「タイタニック」で性格の悪い婚約者をやったビリー・ゼイン主役ということでレンタル申し込んでみました。
 特にお薦めも出来ないな、という映画。
 テンポのちょっぴりたるいのは見逃してもいいし、ヒロインのクリスティ・スワンソンもキャサリン・ゼタ・ジョーンズもその時代っぽいコスチュームもはまって実にきれいだったし、アメコミなんだから、笑えるツッコミどころがあるのは当たり前。
 根性悪そうで大物でもない感じなのに世界征服を狙う悪役の会議も笑えます。そのほか由緒正しい人相からしてトラディショナルな悪の一味とか、お約束を照れずに出してくれてる感じ。

 でも欠陥はヒーローのコスチューム。嘘みたいにかっこ悪い。
 一緒に見ていた大学生が思わず「ダサい…」と呟き、ヒロイン助けて型どおり「大丈夫か?」なんてシーンでは、思わず吹き出す始末。あの色は何とかならないのでしょうか?紫ですよ。だから暗いと茶色なの。
 それで、タイタニックではいかにも育ちの良いゴーマンさに見えたゼインがマスクを取ってスーツ着てもそんなにかっこよく見えない。さすがに筋肉もりもりですが。
 ヒーローがかっこよさにかけるためか、アクションもいささか古風、のんびりに見えてしまいました。
 ジョーンズも「ゾロ」の前の映画だし、こんなのにも出てたんですねという時代でしょうが、なんか彼女の名前が私にはやけにゴージャスに感じてしまった。
 途中の自然はセットみたいでどってことなかったのに、エンドクレジットの自然がやけにきれい。

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特攻大作戦 (1967/米)

2005年04月16日 | 映画感想た行
THE DIRTY DOZEN
監督: ロバート・アルドリッチ
出演: リー・マーヴィン アーネスト・ボーグナイン ジム・ブラウン チャールズ・ブロンソン ジョン・カサヴェテス テリー・サヴァラス ロバート・ライアン

 上層部からは決して良く思われていない、しかし実力は誰もが認めるライズマン少佐にとんでもない命令が下った。
 12人の死刑囚を訓練して共にドイツ占領下のフランスの城に潜入し、できるだけ多くの将校を殺すというものだった。

 アルドリッチの映画の中では最大の興行的ヒット作とか。私にはアルドリッチのナンバーワンじゃないけど、素直にうまいな~すごいな~とうならされる映画です。
 タイトルのTHE DIRTY DOZENの語感も最高だし、導入からリー・マービンの少佐とボーグナインの将軍、そして死刑囚の面々の登場シーンのうまさには泣ける。「面構え」って言葉が当てはまるメンバーです。サザーランドは若くてヒヨヒヨ気味だけどやっぱり彼でなくてはのかげりがある。「飛べ!フェニックス」と同じく「あり得ない」遊戯性の強い、ただこれはどっちに転んでも死が待ってるという最初からあくどい話を、見事にそうあれかしと思わせるまでに納得させる手際の見事さ。

 これは訓練中に悪党なりに人間としてのプライドを獲得し、チームが結束していく前半と、スリリングな展開の中にも戦争のどうしようもない凄惨な部分を描く後半の2部構成。それをつなぐのがロバート・ライアンの部隊をやっつけて後の勝利の、そして最後の晩餐。
 前半で物のわかったいかにも実力のあるリー・マービンの元でどうしようもない奴らが自分を獲得し、イヤな上官率いる模擬戦闘に勝利するまでは実に爽快。やっぱり凶悪犯で身勝手なカサヴェテスが目立っちゃうけど、根がいいやつだけど自分を抑えることが出来ない大男のエピソードなどに思わず気持ちが寄り添ってしまい、誰もが彼らの勝利に快哉を叫ぶだろう。

 しかしそれが何のためかといえば、容赦ないやり方で女性も含めて大量殺人をするためなのだ。人殺し、傷害の凶悪犯たちが、少佐の命令を遂行する上での残酷さに驚く。そして彼らも、彼らの中の一人の必然的な逸脱のせいもあって次々に倒れていく。
 決してスッキリだけでは終わらないところが、私にはさすがアルドリッチだな、という部分なのだ。

 ストーリーはストーリーとして、リー・マービン、カサヴェテス以下出演者の皆さん、近くでお付き合いはどうかと思いますが、実に目が喜ぶ男性ばかりです。

ロバート・アルドリッチ讃

2005年04月15日 | 映画の話題
 私はロバート・アルドリッチ監督が好きで好きでたまらないのです。
 一般的に代表作と言ったら
 「キッスで殺せ」
 「何がジェーンに起こったか?」
 「特攻大作戦」
 「ワイルドアパッチ」
 「北国の帝王」 
 「ロンゲスト・ヤード」
と言ったところでしょうか。
 いわゆる「男臭い」映画が多いのですが、私の愛して止まない「カリフォルニア・ドールズ」を見てもわかるように、彼の映画は男も女も超越して、生きるために、自己が自己であるために闘うものたちの勇気とプライドの物語なのです。
 通俗的と言わば言え!わかりやすくていいじゃないですか!それにそのシーンに実にピタリと決まった絵を作る監督です。かっこいいのだ。
 それに「ワイルドアパッチ」で描いているように、人間の闇だって人と人の間にある深い絶望だって知っている。でもそれとかっこよさ・優しさを併せて映画に入れられる監督なのだ。

 映画好きなら、
 「何がジェーンに起こったか?」
 「特攻大作戦」
 「ワイルドアパッチ」
 「ロンゲスト・ヤード」
 「カリフォルニア・ドールズ」
これだけは絶対見てね!と伏してお願いするものであります。

これだけ見たら、ほかのも絶対見たくなります。本当に!

エターナル・サンシャイン (2004/米)

2005年04月14日 | 映画感想あ行
ETERNAL SUNSHINE OF THE SPOTLESS MIND
監督: ミシェル・ゴンドリー
脚本: チャーリー・カウフマン
出演: ジム・キャリー ケイト・ウィンスレット キルステン・ダンスト マーク・ラファロ イライジャ・ウッド トム・ウィルキンソン

 仲直りしようと思っていた矢先に恋人クレメンタインが、自分の記憶を消し、自分たちのことをなかったことにしたと知ったジョエルは、自分もクレメンタインの記憶を消しそうとする。
 しかし消されていく中で、彼はその記憶を消したくないことに気付くが…

 カウフマンの「頭の中にいらっしゃい」みたいな映画にもなれたのか、ジム・キャリーが適役だったのか、「あれ?」と思ったのが最初の20分くらいで、後は楽にストーリーに入り込んで見られた。「記憶消します」のSF設定も不思議とすんなり納得して見られた。
 ジム・キャリーというのは、演技と身体に余裕のある人だな、と感心した。ケイト・ウィンスレットは、この役にしては少し歳がいってるかもと思ったが、あのずっしり感が、ジム・キャリーと共に映画の奇妙な現実と非現実の混在の中のリアル感覚に寄与してるのかもしれない。体重ではありません、彼女は実っている、っていう感じがするので。
 キルステン・ダンストは私には「スパイダーマン」よりずっと魅力的に見えて、後半はなんていい顔を作るんだろうと思った。イライジャ・ウッドの変なヤツ加減も良かった。
 頭の中身を見られるのは男の側だけなので、彼女の言い分は全部はわからないんだけど、ラストは人が生きる上で蓄積していくものの切なさと愛おしさに涙していた。

 実は私、失恋経験というものがない。15歳の時からずうううううううう~~~~っと今に至るまで一人としか付き合ったことがないです。だから好きな人に本当に去られた時の空虚感や、怒りや、絶望は経験がない。
 でもそれに対する恐れなら持っている。
 それなりに嫌気がさしたりすることもあるけど、やっぱり自分が持っている記憶が相手への信頼を支えているのだろうと思う。かなり恥ずかしいことを書いてしまった…お互い世間が狭くてほかに相手がいないということも原因の一つだろうけど。
 そういう個人的な事情からも私的には、これは今年のベストに入ってくるだろうと思う映画。
 じわっと来て、小さな幸福を持って外へ出られた。

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フライト・オブ・フェニックス(2004/米)

2005年04月13日 | 映画感想は行
THE FLIGHT OF THE PHOENIX
監督: ジョン・ムーア
出演: デニス・クエイド タイリース・ギブソン ジョヴァンニ・リビシ ミランダ・オットー トニー・カラン ヒュー・ローリー

 モンゴルでの油田試掘に失敗して撤退しようとする人員を乗せた飛行機が砂漠のど真ん中に不時着。少ない食料と水、焼けるような暑さの中で捜索を待つが、希望は少ない。そんな時、妙なめぐりあわせで乗り合わせたエリオットが、無事な部品から新しい飛行機を作って脱出するという提案をする。
 ロバートアルドリッチ監督の1965年製作の映画のリメイク。

 リメイクとしては及第点かな、でも元の映画はよかったな、とやはり思ってしまった。
 私はロバート・アルドリッチの大ファンなので、これをオリジナルと比べないのは絶対無理ですので、ちょっとおことわりします。

 オリジナルも息詰まるサスペンスではあるけれど、フェニックス号の造形とか、明らかに作り手の遊び心も入った映画だと思うのです。これは、そういう遊びみたいな感覚は薄いんだけど、軽い。
 これは役者のせいもあるのでしょう。元作品のキャストは
ジェームズ・スチュワート、リチャード・アッテンボロー、ハーディ・クリューガー、アーネスト・ボーグナイン、ピーター・フィンチ。それにジョージ・ケネディもいるし、オスカーにノミネートされたイアン・パネンとか、豪華。
 今回の技師役のジョヴァンニ・リビシは明らかにクリューガーをなぞってる。でもやっぱり軽いけど。

 この映画はあまりビッグネームの役者無しで、あくまでストーリーとサスペンス中心で進めて、それなりにドキドキしたし、楽しめたけれど、やはりオリジナルにはかなわない。
 両方とも死ぬべきでない人間の理不尽な死が描かれるけれど、その重みがかなり違う。オリジナルでは、誰もが好感を抱かずにはいられない、物静かで心温かく冷静が医師が、またもう一人厳しそうだけれど、清廉そうな軍人が実にその勇気あるために無残な死を遂げる。臆病男は生還する。やはりアルドリッチなのである。
 完璧でないリーダーのスチュワートのここぞで見せるプロ魂!は今思い出してもぐっと来る。飛行成功から人を喰ったようなラストシーンもさすがの一言。
 だからね、最後にジワ~ンと残るものがオリジナルに比べて格段に…でもアルドリッチ監督はラストのスッキリ感にかけては達人だもんね…

 メンバーの一人が女性である必要はやっぱりないと思うし、周囲もちょっと女性を意識しなさ過ぎにも見えるし、ラストの写真はどう考えても要らなかった気がする。

 オープニングの音楽がカントリーは好き。それにCGは今風に派手でした。でもあそこまで使わなくても、とも思った。

ハードロック・ハイジャック (1994/米)

2005年04月12日 | 映画感想は行
AIRHEADS
監督: マイケル・レーマン 、
出演: ブレンダン・フレイザー スティーヴ・ブシェミ アダム・サンドラー

 全然芽の出ないアマチュア・ヘビメタ・バンドの3人組。自分たちの曲をどうしてもラジオでかけたくて押し入ったラジオ局になぜか成り行きで人質をとって立てこもることになってしまう。警察やらSWATやら野次馬やら、それに局内の事情も絡んで大騒ぎに…

 まず驚いたのが、主役の3人がほんとにチンピラ兄ちゃんに見えたこと。ブシェミまでもが!その辺の勘違いなお兄ちゃんに見えるのですよ。「イっちゃって」ない。
 ブレンダン・フレイザーがロッカースタイルでもボンボンにしか見えないのはおかしくもあったけど、そういう役だし、それで良いのですが。「校内新聞の編集長やってた」とかには(微笑ましく)笑えました。アダム・サンドラーのおとぼけぶりは好きです。
 ロックがガンガン流れてるんだけど、なんか体が動かない。
 ほのぼのした笑いが多くて、なんかパンチがない。

 それでも、惜しいじゃないか!というよりはこういう軽い笑かな、で気楽に見られたので、私の気分に引っかかりはないのですが、レーマン監督作としては、もっとトンデいてもいいんじゃないかとは思います。

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ゲロッパ! (2003/日)

2005年04月11日 | 映画感想か行
監督: 井筒和幸
出演: 西田敏行 常盤貴子 山本太郎 岸部一徳

 数日後に収監されることになったヤクザの組長・羽原はキング・オブ・ソウル、ジェームズ・ブラウンの熱狂的ファン。そして25年前に生き別れた娘かおりがいる。ジェームス・ブラウンの名古屋公演には日程が合わずに行けなくなったが、羽原は身辺を整理しようと組員に組の解散を宣言、娘にあおうとする。しかし、一方で羽原の弟分・金山は、子分の太郎たちに「ジェームス・ブラウンをさらって来て羽原に会わせろ」と命令する。

 う~ん う~ん。
 それなりにクスクス笑えましたけど、やっぱり「ゲロッパ!」の語感とおっとりしたヤクザとJBの組み合わせとか、その設定が生ききってないという恨みが残る惜しい映画。
 井筒監督の用意してくれてるものが理解できるんだけど、身体からはのれませんというもどかしさがありました。
 それに、ダチョウクラブとか、世情に疎い私にはわからない部分が、わからないものはしょうがないと見過ごせなくてなんだかひっかかってしまう。
 音楽やダンスシーンは好きだし、ラストは一緒に踊ってましたが、やっぱりはじけ切らない、不完全燃焼の感が残ります。西田敏行はさすがなんですが。

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マルクス兄弟オペラは踊る (1935/米)

2005年04月10日 | 映画感想あ行
A NIGHT AT THE OPERA
監督: サム・ウッド
出演: グルーチョ・マルクス ハーポ・マルクス チコ・マルクス キティ・カーライル アラン・ジョーンズ

 例によって胡散臭いグルーチョ・マルクス。社交界への進出を望む富豪未亡人に取り入ろうとしていて、オペラ後援の援助を斡旋する。それにスター歌手の性格の悪いラスパリと、若い美貌の女性歌手とその恋人、友人、付き人が絡んでミラノからニューヨークまで騒ぎが展開される。

 伝説的なコメディ。船室詰め込みギャグ、ラストの舞台シーンはあまりにも有名で映画名場面集でも幾度もお目にかかったもの。
 確かに隙間のない計算されたギャグの連続でグルーチョ自身も最高作だと自負していたとのことですが、私は自分の好みの問題をさておいても「我輩はカモである」のほうがすごいじゃないかと思う。
 この映画はMGMらしい、音楽もふんだんに入って美男美女もハッピーエンドに納まり、ブラックなテイストも薄めで娯楽作としては一級品でそこが受けたのでしょう。 
 もう何度も見ている決定版なシーンを別にして、繰り返し見ているのが船上のチコとハーポのピアノとハープのショー。手首動いてないもんね~ 負けます。

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殺人狂時代 (1967/日)

2005年04月09日 | 映画感想さ行
監督: 岡本喜八
出演: 仲代達矢 団令子 砂塚秀夫 天本英世

 要らない人間はどんどん始末しようという「大日本人口調節審議会」に狙われた大学講師が、美人ルポライターとチンピラ車泥棒と協力して組織と戦う。

…なんちゃって、↑のようなあらすじ書いたけど、やっぱり映像を見て、当時の社長さんに「わけがわからん」と切り捨てられたらしい部分を楽しむ映画でしょう。それで公開も2週間で打ち切られちゃったし、岡本監督がその後冷や飯を食う原因にもなったそうです。
 でも、私もそうだけど、周りにはこの映画を評価する映画好きいっぱいいます。私も岡本喜八のなかでは一番好き。スタイリッシュでテンポのとってもいい、かっこいい映画。
 タイトルバックのブラックなテイストのアニメーションから始まって、それぞれのスタイルにこだわりを持った狂える殺し屋たち。主人公の登場シーンから、この主人公自身の危なさ、キレっぷりが暗示されています。
 原作が都筑道夫(日本で本当の乾いたハードボイルドが書ける人)だし、この映画では岡本監督にしては珍しくセックスがジェームズ・ボンドみたいな感じです。ラストのヒロインとの長丁場のやり取りのためには必要なのかも。

 私が1919年のドイツ映画「カリガリ博士」を見たのは去年だったのだけれど、どうも妙な既視感があった。あの映画の静かな病院とはまるで違うけど、スーパーアクションマッドサイエンティスト天本英世(かっこいいなあ!イメージそのまんま!)の病院のムードと、団令子の拷問テープ(8ミリですね)の雰囲気から、きっとこの映画を連想させたのではないかと思う。

 ついでに原作の都筑道夫も大好きですので、ちょっとお薦め。今、法月倫太郎の「生首に聞いてみろ」という本が売れてますが、タイトル元ネタの都筑道夫「なめくじに聞いてみろ」もスタイリッシュで素敵な作品。古くて入手しづらいけど「紙の罠」「片岡直次郎シリーズ」はかっこいいし、「なめくじ長屋シリーズ」是非読んでください!

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大冒険 (1965/日)

2005年04月08日 | 映画感想た行
監督: 古澤憲吾
特技監督: 円谷英二 
出演: クレージーキャッツ アンドリュウ・ヒューズ 団令子 越路吹雪

 クレージー・キャッツ結成10周年記念映画。クレージーキャッツ+特撮円谷プロというある意味最強の娯楽映画。
 雑誌記者植松は、友人の発明狂谷井と大発明の特許で一攫千金を狙っている。二人は万能複写機の実験中、ニセ札を発見。しかし、警察には偽札犯人と誤解され、偽札偽造団には、植松の恋する谷井の妹桃子を誘拐され、大ピンチ。

 これを見るのは3回目くらいになるはずだが、記憶よりずっと長かった。
 植木等さん、線路上を列車に追われたり、悪漢(なんか懐かしい響きだ)にビルから突き落とされそうになったり、警察の目をヤギの中に混じってごまかしたり、あまり洗練されてないワイヤーアクションはあるわ、疾走する馬上から列車の屋根に飛び移ったり、すんごいアクションを展開してますが、一呼吸のところであの植木等式の高笑いがはいって気分を緊張させてくれません。
 ラストにいたっては島ひとつぶっ飛ばしちゃう力の入った特撮シーンですが、主人公が殺されそうになっても、どこか長閑なプロポーズしていて、このアナーキーさはたいしたものです。
 艦砲射撃の映像はあれはニュースかなにかでしょうか? セリフも時代性どっぷりです。
 そこここで「しまらない」と思っちゃうところはあるのですが、なんだかパワーを感じる映画。
 歌わない越地吹雪さんも、悪女役なかなか楽しんでらっしゃるようです。

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結果的に映画漬けな一日

2005年04月07日 | 日記・雑記
 昨日は、朝駆けで仕事を一つ片付け、渋谷へジャームッシュを見に行き、それから外回りをして家に帰ったら、春休み最終日のちょっとアニメオタクでホラー好きの高校生が「ハウス」を見ていたので少しだけ参加。
「怖かった?」
「出て来るアイドル系の細い女の子に、こんな変なことさせてみょ~~な映画だね」
ワタシも、騒々しくて時々怖い、妙な映画だと思います。

 ついでにマルクス兄弟の「オペラは踊る」も見た。
 火曜のレンタルショップのサービスデーで一山借りてきたので、早く見なくては。
 
 夜、アルドリッチが見たい気分だったので「特攻大作戦」を見る。本当は「飛べ!フェニックス」を借りたかったのになかったのだ。リメイクの「フライト・オブ・フェニックス」は絶対見に行くけれど、今度のはメンバーの中に女性がいる。「ロード~」でエオウィンをやったミランダ・オットーですから、どうしたって美女でしょう。時代なのかもしれないけど、あの中に女性がいてほんとに大丈夫かなあ、と思う。
 ところで、「飛べ!フェニックス」やっとDVDがでました。DISCASへのリクエスト参加して下さる方いらっしゃいませんでしょうか。

 そのほかに借りたのが
「大冒険」(クレイジーキャッツのDVDが出たので)
「殺人狂時代」(岡本喜八監督の やっぱり見たくて)
「カリガリ博士」(店員さんに、前にも借りてますよと言われた。何度見たっていいでしょ)
「ガングレイブ」(ブランドンが死んだところです そういえばコミケでブランドンのコスプレをしてる人が、混んでいるので前に棺桶を抱えて歩いているのを見るのは面白い)

 DISCASからも「ゲロッパ!」「ハードロック・ハイジャック」が届きます。

…困ったもんだ。
 
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コーヒー&シガレッツ (2003/米)

2005年04月06日 | 映画感想か行
COFFEE AND CIGARETTES
監督: ジム・ジャームッシュ
出演:
「変な出会い」 ロベルト・ベニーニ スティーヴン・ライト
「双子」 ジョイ・リー サンキ・リー スティーヴ・ブシェミ
「カリフォルニアのどこかで」イギー・ポップ トム・ウェイツ
「それは命取り」ジョー・リガーノ ヴィニー・ヴェラ ヴィニー・ヴェラ・Jr
「ルネ」 ルネ・フレンチ E・J・ロドリゲス
「問題なし」 アレックス・デスカス イザック・ド・バンコレ
「いとこ同士」 ケイト・ブランシェット  
「ジャック、メグにテスラコイルを見せる」 メグ・ホワイト ジャック・ホワイト
「いとこ同士?」 アルフレッド・モリナ スティーヴ・クーガン
「幻覚」 GZA RZA ビル・マーレイ
「シャンパン」 ビル・ライス テイラー・ミード

 ジム・ジャームッシュ監督のコーヒーとタバコのある11の情景をそれぞれ強烈な存在感や個性の出演者で描いた短編集成。
 
 時間のやりくりがうまくいかずに、仕事の後でなく、仕事前に見なければならなかったのが残念。ほんとに身体をほぐしてくれるような映画だったし、ものすごくいかしたモノクロ映像だった。
 ジャームッシュ監督が17年にわたって撮ってきた短編の集成なのに、全然年月の経過による違和感を感じなかったし、テーブルを上から取った場面や、同じセリフや警句があちこちちりばめられていて、きっちり芯の通ったオムニバスに見えます。でもそんなことは副次的なことであって、出演者たちのコーヒーとタバコを間にはさんだ(紅茶もわざとらしく出て来るけど)緊張感とずれのかもし出す雰囲気に、なぜか神経がほぐされていく気分。
 なんたって、出演者全員クセ者ばかりだし、それがまた癖のある役をどこかはずした自分の写し絵みたいな風に演じているので本当に「参った」と思わされます。これが真の彼らであるはずもないけど、実像以上に本人らしく見えちゃう…とでもいいましょうか。

 もちろんコーヒー飲まずには帰れなかったし、帰りがけ渋谷駅への途中の生地屋で市松格子の生地買っちゃいましたよ。ランチョンマットにするか、クロスに仕立てるか今から考えます。
 それに写真を手許に欲しくてプログラムも買ったけれど、その写真は映画ほど光と影の深みがなくてちょっとがっかり。

プロフェッショナル (1966/米)

2005年04月06日 | 映画感想は行
THE PROFESSIONALS
監督: リチャード・ブルックス
出演: バート・ランカスター リー・マーヴィン ロバート・ライアン ウディ・ストロード ジャック・パランス ラルフ・ベラミー クラウディア・カルディナーレ ジョー・デ・サントス

 1917年、メキシコ革命の最中。革命派のリーダーに、若く美しい妻を誘拐され身代金を要求された富豪は、妻の奪還のために4人の男たちを-爆薬、銃、馬、追跡、それぞれのプロフェッショナルを雇う。彼らは巨額の報酬と引き換えに死地に赴くが、そのリーダーとメンバーは革命軍で共に闘った仲間だった。

 出演者の顔ぶれの渋さはものすごい。キャストを見るだけでもう見ずにはいられません、の映画ですが印象としては地味でした。みんな第一級の役者なので、アクションも演技も見事なものですが、画面が西部劇らしい音楽にのってもどうもなんか地味。

 やはり監督がブルックス監督だからでしょうか。他に「雨の朝パリに死す」とか「エルマー・ガントリー」「ミスター・グッドバーを探して」など名作の監督ですし。この映画も人間関係錯綜してるし、秘密が明らかになったり、ラストなんかどうも「スカッとさわやか」でなくて、「革命と個人」「人間の正義についてのプライドのあり方」とか考えさせられてしまいそうです。

 西部の地と渋いおじさん俳優を見るということについては、文句なしです。ジャック・パランスが色男やってます。雰囲気が他の映画と違っていて、まじまじと見てしまいました。

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昼下りの決斗 (1962/米)

2005年04月05日 | 映画感想は行
RIDE THE HIGH COUNTRY
監督: サム・ペキンパー
出演: ランドルフ・スコット ジョエル・マクリー マリエット・ハートレイ ロナルド・スター

 かつて名保安官として名高かったジャッドは、既に過去の人になっていたが、その実績で金鉱の金を銀行まで運ぶことになった。彼はかつての友であるガンマンと、若いへック。ところが同行することになった少女の為に無法者と対決することにはなり、しかも金を狙ったウェストラムに裏切られる。

 かなり好きな映画。
 はじめてみたときは20歳そこそこだったが、そのときにも、この老境差し掛かりの実力のある西部の男ジョエル・マクリーとランドルフ・スコットに感じ入らずにはいられなかったのだ。
 ペキンパーのほかの作品に比べれば、暴力もセックスの表現は爆発以前の感じがする。でもあのヒロインの父親の中にある狂気も明らかだし、実は娼館での顔が引きつるような結婚式とか、人間の抑制されない本能を見せ付けちゃうようなところはペキンパーなんだろうか。

 やはり、時代に置き去りにされていく西部の男の気概とまだまだワイルドな西部の地とその自然そのものがこの映画のメイン。
 決斗というのは、自らをさらして打ち合うものなのだ。悪役だって、自分と家の名誉の為に勇気を試されればそれを受けて立ってしまう。私の日常的意識で言わせてもらえば、ほとんど冗談みたいである。でもやっぱり感じ入ってしまう。
 そして、裏切って金を持ち逃げしようとした旧友に役目を託す信頼も、引き受ける責任も共に本物である。

 字幕の日本語があまりしっくり来なかった。特に最後のシーンなんか。
 翻訳が悪いというわけではなくて、この背景いっぱいありすぎるような古馴染みをどういう言葉を使えば表現できるのかわからないなあ、と思わされたのでした。

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ほえ~

2005年04月04日 | 日記・雑記
いや、やっと終わった…

賃貸物件一件。退去が3月27日。
打ち合わせが29日で、納期4月4日で、もう突貫作業。
それなのに、ダブルディンプルシリンダー錠の代理店が
いつの間にか廃業してる!
あんまりだわ!
やめるんなら別の業者紹介してからやめて!

ここ2~3日、ほんとにどうなることかと思った。

それで今日4日にテナントさんに鍵渡しって聞いてたのに、
なんと午前中に引越し業者が荷物持ってきてるし~
新しい取引先が鍵の交換に来るのは午後!
もう1回ワックスがけしたかったし、建付けチェックもしたかったけど
どうしようもないわ。

などなどいろいろあったけど何とか期限内には納まりました。
でも急いじゃったから、見積もりも後回しになったし
採算取れますかどうか。

なんちゃって、つい愚痴になっちゃったけど、
細切れ時間に読んだ物で面白いものを見つけられた。
さあ、今週は絶対映画館行くぞ~!