虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

エターナル・サンシャイン (2004/米)

2005年04月14日 | 映画感想あ行
ETERNAL SUNSHINE OF THE SPOTLESS MIND
監督: ミシェル・ゴンドリー
脚本: チャーリー・カウフマン
出演: ジム・キャリー ケイト・ウィンスレット キルステン・ダンスト マーク・ラファロ イライジャ・ウッド トム・ウィルキンソン

 仲直りしようと思っていた矢先に恋人クレメンタインが、自分の記憶を消し、自分たちのことをなかったことにしたと知ったジョエルは、自分もクレメンタインの記憶を消しそうとする。
 しかし消されていく中で、彼はその記憶を消したくないことに気付くが…

 カウフマンの「頭の中にいらっしゃい」みたいな映画にもなれたのか、ジム・キャリーが適役だったのか、「あれ?」と思ったのが最初の20分くらいで、後は楽にストーリーに入り込んで見られた。「記憶消します」のSF設定も不思議とすんなり納得して見られた。
 ジム・キャリーというのは、演技と身体に余裕のある人だな、と感心した。ケイト・ウィンスレットは、この役にしては少し歳がいってるかもと思ったが、あのずっしり感が、ジム・キャリーと共に映画の奇妙な現実と非現実の混在の中のリアル感覚に寄与してるのかもしれない。体重ではありません、彼女は実っている、っていう感じがするので。
 キルステン・ダンストは私には「スパイダーマン」よりずっと魅力的に見えて、後半はなんていい顔を作るんだろうと思った。イライジャ・ウッドの変なヤツ加減も良かった。
 頭の中身を見られるのは男の側だけなので、彼女の言い分は全部はわからないんだけど、ラストは人が生きる上で蓄積していくものの切なさと愛おしさに涙していた。

 実は私、失恋経験というものがない。15歳の時からずうううううううう~~~~っと今に至るまで一人としか付き合ったことがないです。だから好きな人に本当に去られた時の空虚感や、怒りや、絶望は経験がない。
 でもそれに対する恐れなら持っている。
 それなりに嫌気がさしたりすることもあるけど、やっぱり自分が持っている記憶が相手への信頼を支えているのだろうと思う。かなり恥ずかしいことを書いてしまった…お互い世間が狭くてほかに相手がいないということも原因の一つだろうけど。
 そういう個人的な事情からも私的には、これは今年のベストに入ってくるだろうと思う映画。
 じわっと来て、小さな幸福を持って外へ出られた。

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