虫干し映画MEMO

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昼下りの決斗 (1962/米)

2005年04月05日 | 映画感想は行
RIDE THE HIGH COUNTRY
監督: サム・ペキンパー
出演: ランドルフ・スコット ジョエル・マクリー マリエット・ハートレイ ロナルド・スター

 かつて名保安官として名高かったジャッドは、既に過去の人になっていたが、その実績で金鉱の金を銀行まで運ぶことになった。彼はかつての友であるガンマンと、若いへック。ところが同行することになった少女の為に無法者と対決することにはなり、しかも金を狙ったウェストラムに裏切られる。

 かなり好きな映画。
 はじめてみたときは20歳そこそこだったが、そのときにも、この老境差し掛かりの実力のある西部の男ジョエル・マクリーとランドルフ・スコットに感じ入らずにはいられなかったのだ。
 ペキンパーのほかの作品に比べれば、暴力もセックスの表現は爆発以前の感じがする。でもあのヒロインの父親の中にある狂気も明らかだし、実は娼館での顔が引きつるような結婚式とか、人間の抑制されない本能を見せ付けちゃうようなところはペキンパーなんだろうか。

 やはり、時代に置き去りにされていく西部の男の気概とまだまだワイルドな西部の地とその自然そのものがこの映画のメイン。
 決斗というのは、自らをさらして打ち合うものなのだ。悪役だって、自分と家の名誉の為に勇気を試されればそれを受けて立ってしまう。私の日常的意識で言わせてもらえば、ほとんど冗談みたいである。でもやっぱり感じ入ってしまう。
 そして、裏切って金を持ち逃げしようとした旧友に役目を託す信頼も、引き受ける責任も共に本物である。

 字幕の日本語があまりしっくり来なかった。特に最後のシーンなんか。
 翻訳が悪いというわけではなくて、この背景いっぱいありすぎるような古馴染みをどういう言葉を使えば表現できるのかわからないなあ、と思わされたのでした。

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