虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

殺人狂時代 (1967/日)

2005年04月09日 | 映画感想さ行
監督: 岡本喜八
出演: 仲代達矢 団令子 砂塚秀夫 天本英世

 要らない人間はどんどん始末しようという「大日本人口調節審議会」に狙われた大学講師が、美人ルポライターとチンピラ車泥棒と協力して組織と戦う。

…なんちゃって、↑のようなあらすじ書いたけど、やっぱり映像を見て、当時の社長さんに「わけがわからん」と切り捨てられたらしい部分を楽しむ映画でしょう。それで公開も2週間で打ち切られちゃったし、岡本監督がその後冷や飯を食う原因にもなったそうです。
 でも、私もそうだけど、周りにはこの映画を評価する映画好きいっぱいいます。私も岡本喜八のなかでは一番好き。スタイリッシュでテンポのとってもいい、かっこいい映画。
 タイトルバックのブラックなテイストのアニメーションから始まって、それぞれのスタイルにこだわりを持った狂える殺し屋たち。主人公の登場シーンから、この主人公自身の危なさ、キレっぷりが暗示されています。
 原作が都筑道夫(日本で本当の乾いたハードボイルドが書ける人)だし、この映画では岡本監督にしては珍しくセックスがジェームズ・ボンドみたいな感じです。ラストのヒロインとの長丁場のやり取りのためには必要なのかも。

 私が1919年のドイツ映画「カリガリ博士」を見たのは去年だったのだけれど、どうも妙な既視感があった。あの映画の静かな病院とはまるで違うけど、スーパーアクションマッドサイエンティスト天本英世(かっこいいなあ!イメージそのまんま!)の病院のムードと、団令子の拷問テープ(8ミリですね)の雰囲気から、きっとこの映画を連想させたのではないかと思う。

 ついでに原作の都筑道夫も大好きですので、ちょっとお薦め。今、法月倫太郎の「生首に聞いてみろ」という本が売れてますが、タイトル元ネタの都筑道夫「なめくじに聞いてみろ」もスタイリッシュで素敵な作品。古くて入手しづらいけど「紙の罠」「片岡直次郎シリーズ」はかっこいいし、「なめくじ長屋シリーズ」是非読んでください!

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2 コメント

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喜8 (arudenteな米)
2005-04-10 20:04:12
オープニングから最後までテンポのよさとキレっぷりは今見ても良い映画ですよね
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ゲロッパ!を見て (ningyo)
2005-04-11 08:01:24
岡本監督の「ジャズ大名」の楽しさを思い出しちゃいました。
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