虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

嘘つきアーニャの真っ赤な真実(米原万理/角川文庫)

2004年11月20日 | 
 斎藤美奈子さんの解説付で文庫になっていたのでついまた買ってしまいました。
 いつも楽しませてくれる素敵なエッセイや、「オリガ・モリソヴナの反語法」のような感動作など、いつも期待して裏切られない米原さんの本でも、一番好きな本。
 この本に書かれているのは、米原さんのプラハで過ごした少女時代の3人の友の運命と交流。でも米原さん自身の自伝の一部のようなものでもあり、ご家族の記であり、それに20世紀の歴史が重なって見えてくる。

 それぞれに国籍が違う4人の少女は、「共産主義」のもとにプラハで学校時代の一時期を共有し、そしてまたそれぞれの祖国に帰って(帰れなかった一人の含めて)、決して穏やかといえない人生を歩む。そして米原さんとの再会のときに、彼女たちがそれぞれ自身で選んだ道がくっきりと浮かび上がる。
 戦後の日本でごく普通に生きていれば、自分がどう生きるかの厳しい選択の場に立たされることはめったに無い。それぞれの個人について攻めることも賞賛することもむなしいような気分になるが、こう安穏な暮らしに慣れてしまうと、いきなり厳しい問いを突きつけられると、その原因と思われるものに対し、方向違いでも怒りが湧いて来るのではないだろうか。厳しい人生なんて送らずに済めばそれに越したことは無いが、安穏を守ることだけに汲々としては、どこか大切なものが錆付いてしまうだろう。
 共産主義は本当に滅びたのか。20世紀は共産主義の実験の世紀だったという言い方をする人もいる。しかし、今の弱肉強食な資本主義をそのまま肯定できるのか。

 読むたびに様々な思いや疑問がわきあがってくる本なのだが、私は愛国心についての部分と(柳沢桂子さんも、異文化の中で自分の故国を強く意識する、と同様のことを書いている)ヤスミンカの父の語るちょっと「蝶の舌」を思わせる、ユーゴ版の師弟物語ではいつも泣いてしまう。

お酒

2004年11月20日 | 日記・雑記
お酒も苦手なもののうち。
「酔った」というのがどういう状態かよくわからない。
無理に呑むと気持ちが悪くなって青くなり
ひどいときには蕁麻疹が出てくる。

前に養命酒で練習をしようと思ったけれど
規定量飲んだら気持ち悪くなった。
半分量飲んだら無事だったが、
あまり練習にはならなかったみたい。

今度は陶陶酒を買ってきた。
こっちのほうが甘い。
(しかし、なんで滋養強壮に…とかいうのを選んでしまうのだろうか)

一度、お酒でほんのりいい気分、になってみたい。

ご飯

2004年11月19日 | 日記・雑記
「ケジャン」という食べ物の名前を聞きました。何のことか全然わかりませんでした。
 ワタリ蟹を生のまま、コチュジャンベースのタレに漬け込んだもの。 つまりカニのキムチで、呑める方は一口で「酒が欲しい」と叫びたくなり、 ご飯の友としても、お酒の肴としても大変に重宝…らしいです。

 私の苦手方面は実に「食」です。
 あまり新しいものを開拓する意欲が無い、量を食べない、味の濃いものが苦手。食べられないものは少ないけど、特に好物というのも無い。
 本日の食事
朝  トースト1枚、昨夜の残りの鍋を少し、紅茶、コーヒー、野菜ジュース
昼  冷食のチャーハン1/4人前、きぬかつぎ1個(要するにサトイモと塩)
間食 ポップコーン少し 焼き芋1/2個
夜  昆布の佃煮少々、ギョーザ2個、水菜のおひたし、ご飯茶碗1/2 さつま揚げ小1枚
 別にダイエット中ではありません。お茶も少し、コーヒーは10杯以上飲んでます。

 こういう体質だと、食べ放題で元を取ったと思うことが一度も無いのが口惜しい。
 結婚式で大枚のお祝いを包んで、ちょっとしか料理を食べられないのも口惜しい。
 体重50キロ以上ないので400cc献血が出来ないのはあまり口惜しくない。
 割り勘で絶対得しないのは口惜しい。

 実際、人生の楽しみを損してると思います。

シービスケット (2003/米)

2004年11月19日 | 映画感想さ行
SEABISCUIT
監督: ゲイリー・ロス
出演: トビー・マグワイア ジェフ・ブリッジス クリス・クーパー エリザベス・バンクス ウィリアム・H・メイシー

 大恐慌時代さなか、一頭のの馬をめぐる3人の男たちの物語。最愛の息子を交通事故で亡くし、妻にも去られてしまった自動車ディーラーのハワード。心を委ねられる女性と知り合い、再婚後、彼女に影響を受け、競馬の世界に眼を向ける。やがて彼は、馬を心から愛するスミスを調教師として雇う。スミスは“シービスケット”と呼ばれる小柄で気性の荒い落ちこぼれのサラブレッドの秘めた力を買い、購入させ、その騎手として荒馬のような気性の男レッドを見つける。

 これは実話の映画だそうですが、実際にあったであろう計り知れないような苦闘は窺えるものの、そこら辺はさらっと、という感じで映画全体のムードが実に優しい。
 レッドと家族の別れのシーンからもうウルウル状態で、ウルウルが波状的に押し寄せて最後の涙まで押し切った感じでした。これは馬をめぐる人間の物語だと言っているものの、やはりヒーローは馬で、それも見るものをそのパワーで優しく癒してくれるヒーローですね。
 本当は荒々しい、猛々しい精神を持った馬だったんじゃないかな…とかつい思っちゃうんだけど。アメリカの今の状況と、当時のこの馬に衆目が集まった理由がこの映画ではちょっと2重写しになるようで(閉塞感と言うことでは共通なのかも)引っかかる感じが残ってしまう。
 人間ドラマとしては、レッドの成長に眼を惹かれました。ジョージはいいやつですね~ 得がたいライバルです。あんな人いない!
 映画としては、素直に感動できるお値打ちな一本でした。レースシーンの臨場感といったらまさに手に汗握っちゃいます。

 でも、映画的な制約ではしょった部分が気になって気になって。特にレッドの家族。ドロシア・ラングの写真を髣髴させるシーンでした。昨日までの中産階級があっという間にホームレス。簡単には再会できなかったみたいですね。
 原作をたまらなく読みたくなる映画です。

ゴジラ対へドラ(1971/日)

2004年11月18日 | 映画感想か行
監督: 坂野義光
出演: 山内明 木村俊恵 川瀬裕之 柴本(柴)俊夫
特技・合成: 徳政義行 土井三郎
特殊技術: 中野昭慶

 今週BS2はゴジラシリーズで、一通り見終わってから感想書こうかなと思っていたのだが、昨日の「ゴジラ対へドラ」があまりにもすごかったので一言。
 これは、どちらかというとアングラよりオーソドックスが好きな私には、映画として面白くない。それにゴジラの動きがプロレスなのがいや。あの指のクイクイッは論外。(「シェー」とどっちがイヤかは迷うところ…シェーさせちゃったのはご本家の本多監督だけど…涙)

 昭和史をやってるときに、実際の公害とか、光化学スモッグとか、資料や数字で知ってるのと、そのときに身近に感じてた人間ではまったく感じ方とかインパクトが違うんだろうと思うんだけど、この映画もリアルタイムで見たときと、今とではぜんぜん違う捉え方しか出来ないんじゃないかな。
「水銀、コバルト、カドミューム……」の主題歌や挿入歌もすごいし、でもなんだか馬鹿にされてるような気分にもなる。ニュース映像の使い方、アニメの挿入もシュール、その上へドラによる被害や特に人の死をまともにけっこうえげつなく映像化している。ホントにファミリー向けだったのか?と思っちゃう。あのゴーゴー大会も脱力で情けなくて良い。
 へドラの造形はいかにもぴったりで、変化するところも実によく考えられていて怪獣としては久々のヒット!なんだけど、ゴジラが駄目。あんなことさせちゃいけない。空を飛ぶのは絶対駄目。
 すごい製作側の意欲が感じられる、でも私には駄目、という「輝く番外編」、みたいなゴジラ映画。ゴジラさえ出てなきゃ好感持てたかも。

フォーチュン・クッキー (2003/米)

2004年11月17日 | 映画感想は行
FREAKY FRIDAY
監督: マーク・S・ウォーターズ
出演: ジェイミー・リー・カーティス リンゼイ・ローハン

 精神科医のテスは夫亡き後2人の子どもを抱えてがんばってきたが、2日後にはライアンと結婚式。高校生の娘アンナは学校では問題児だし、弟とは喧嘩ばかりでおまけにライアンと折り合いが悪い。中華レストランで喧嘩を始めた2人が、そこで出されたフォーチュン・クッキーを食べたが、翌朝2人の体が入れ替わっていた…

 ジェイミー・リー・カーティスの長い体で演じる「中身は10代」がおさまりきれない感じが面白くて楽しかった。リンゼイ・ローハンて、ふっくらかわいくて身体中そばかすだらけで、それがまじめな顔してお母さんやってるときの落ち着き振りが堂に入っててたいしたもんでした。
 感動、とかいう言葉より、ホワンと暖かく落ち着くって気持ちになりました。
 ディズニーらしい出演者も中身もお菓子のようにキュートな映画でした。

海辺の家 (2001/米)

2004年11月17日 | 映画感想あ行
LIFE AS A HOUSE
監督: アーウィン・ウィンクラー
出演: ケヴィン・クライン ヘイデン・クリステンセン クリスティン・スコット・トーマス ジェナ・マローン メアリー・スティーンバーゲン

 ジョージは、家族とうまくコミュニケーションがとれずに別れてしまった。上司との摩擦から会社もクビになり、果ては癌で余命3ヵ月と宣告されてしまう。妻は再婚して幸せに暮らしている。そこには16歳になるジョージの息子がいるが、困り者となっている。ジョージは嫌がる息子を無理やり手伝わせ、自分が育ち、別れる前に家族で暮らした家を建て直し始めた…

 ヘイデン・クリステンセンは、「スター・ウォーズ」よりこちらの映画のほうが似合っている感じでした。自分でもどうしようもなく身体の中のいらだつものに引きずられて落ちていきそうな役を良く演じていたと思う。ケビン・クラインもちょっと吹っ切れすぎかな、自分の命への葛藤がこれだけでおさまっちゃったのかなと感じるものの、相変わらず渋くて素敵だ。
 基本的に善人しか出てこない。敵役の隣人だって、しょせんは小市民。別れた妻の夫もこれでおしまいですか?と思うほどの波乱しか起こさない。
 そう、ラストの「自らあるべきような状態」に収まるまでの波風が少ないように感じてしまう、それだけにラストで滂沱の涙で終わるのでははなく一つ一つのシーンでジ~ンとくるという映画だった。描写が丁寧で、人生というのはこういうものかもしれない、と納得させられてしまう。やっぱり役者の力量かな。

パウエル長官辞任とビン・ラディンのメッセージ

2004年11月16日 | 日記・雑記
パウエル国務長官が辞任。こうなることは既知の結果、という気はしますが残念。

先日のビン・ラディンの演説というのを探して読んでみたのですが、アメリカ国民向けメッセージだったんですね。ちょっと驚き。

アルジャジーラ英語サイト

その内容の正当性に納得できなくても、部分的には思わず頷いてしまうところはある。

ブッシュ大統領は国内向けにしか、真剣に語っていないよう感じしますが。これ、アメリカは放送しないようにカタール政府に申し入れたんですって?内容が気に障るのだろうか?それとも当面の敵がワケわからない狂犬(犬に失礼な言葉かな)のようなバケモノでなくて、一応まともに話をする人間に見えることが問題なのだろうか。

またテンプレート変えました

2004年11月15日 | 日記・雑記
 金曜のつけを清算しなくちゃ、という覚悟はしてたんですが、きょうは朝からトラブル発生で8時からあっちこっち飛び回り。トラブルって、どうして余裕の無いときにばっかり起きるのでしょう?
 昼前に帰って、PCの前にへばりついてたまった要処理伝票の整理。一区切りのたびに、ちょこっと遊んでます。

 さっきgoo blogのトップを見てみたら新しいテンプレート、それもフラッシュ付なんてあったので早速変えてしまいました。
 新しいのは、だんだんカラーが落ち着いて字が見やすくなってるみたいで嬉しい!
 メタルなんかは好きなんだけど、グラデーションの濃い色のところは字が見づらくてやめちゃったし、クローバーは字やリンクの色がきつすぎて変えたのですが、今度の新作はみんな字の見易さはgoodです!

 フラッシュも楽しいし、キャラクターもかわいいのが増えたし、私にはとっても嬉しいパワーアップです。

成功ってどういう意味でしょうね?

2004年11月15日 | 日記・雑記
ファルージャ作戦「成功」 イラク北部は不安定化 (共同通信) - goo ニュース

 自衛隊の交代要員がまた出発していきましたが、ますます厳しい状況で、オランダ軍も撤退するんでしょう?
 自衛隊だけが残って、本当にイラクの人と戦闘に入らないでいられるだろうか。だって日本はアメリカの側にいるとイラクの人は思ってるだろうし、このファルージャのことでは、細部が明るみに出るにつれてアメリカはますます憎しみをかうことになるんではないのかな。
 血が流れてからでは、ますます収集が困難になるんではないですか?
 そうなったらどうするか、本当に考えていますか?

見てもよくわからないんですが
政府広報

 それで復興支援の状況も今ひとつ入ってきませんが、今どれだけのことをして、後何をすればいいのですか?きちんと教えてくれませんか?

・・・ずれてない?

2004年11月14日 | 
「物は言いよう」に取り上げられた事例のひとつ。村上春樹「海辺のカフカ」のなかのエピソード。図書館につまんね~イチャモンつけに来る女性団体がでてきて、そこで「全国の女性の正当な権利の確保にとって有効なことは、ほかにもいくつでも見つけられるはずだ」と対応の図書館員に言わせてます。それについて、斎藤さんはイメージどおりのものをマイナス面を誇張して持ってきて実際に機能もしていない正論で笑いものにすることの危険性を指摘してます。私が読んでいても現実感無かったところ。

 フェミコードには関係しなくても、ちょっとお年のいった作家の(全部ではなく一部だけど)本の中に登場する女性は、私にはまったく現実感ない。
 不倫文学の雄、某(渡辺純一)さん。彼の作中の若い女性のセンスのミョーなことったらただ事じゃない。女子大の卒業パーティーでなんと深緑の無地の振袖!や~め~て~!振袖っていうのは華やかで若やいで、が基本!基本をはずして渋ぶっちゃったら、浮き上がるだけ。おまけに、女性が見事にステロタイプで痒くなっちゃう。我慢して読んでいくと、同じステロタイプでも主人公が批判的に見ている人のほうがどうしても魅力的だし。
 ほかにも「美しい三十代差し掛かりのヒロインにすれ違いざまに怒りの眼を向ける同世代の子連れ主婦」でヒロインの垢抜けた生活感の無さを強調する作家とか、爆笑するような描写がいっぱいあるのよね。
 セクハラとはいわんけど、勘違いというか、やっぱり「ずれてる」と思う。誰がどう読んでるのか知りたい。「インストール」とか「蛇にピアス」とか、面白い面白くないは別として、女の子にはまだリアリティがある。 

 最近の「アエラ」にも「かしずく女性たち」なんて特集がありました。
 男とハンディキャップつきの競争にも疲れて、「負け犬」にもなりたくなくて、どうせ機嫌をとらなきゃいけないんなら、職場でじゃなくて、一人の男に家庭でかしずいてたほうがいい、という選択をしている女性についての記事でした。
 これもね~ 男の側もつらいでしょう。男であるだけで、そうされるのが当然のというわけでなくて、それなりの社会的経済的な実力がないとかしずいてもらえない時代だろうしね。共働きを期待してる男のほうが多いみたいでもあるしね。
 ま、こういう人もいるんだな、程度のことでしょうけど。

 「負け犬の遠吠え」私はお笑い本として読んでたんだけど、真剣に読んでた人も多いみたい~ 自分書いた文章見ても、ちょっとご大層に書き過ぎていて反省。あれは「負けたことは認めるから好きにさせといてね!」というお話でしょう。

 なんか、文章業界の女性像ってまださまよってるのね。かしづき甲斐がある男にかしづきたければそうするし、そうでなけりゃいつの間にか負け犬で楽しくやってますって。「こうでないと」とかイメージ決めてくれなくても大丈夫。

なんとか暇なし

2004年11月14日 | 日記・雑記
金曜サボったつけは確実に月曜にやって来ますが、週末もまた暇なし~。
土曜日はまたイベント。3週連続ですよ。もうへとへと。
日曜も朝は模試やら英検やらへ出かけるののお付き合いで早起き。
それでもって、blogの映画カテゴリを分けました。書いてるうちにたまってきて、自分でも感想書いた映画と書いてない映画の区別つかなくなっちゃったので。ただ、完全50音順にはならなくて、日付の新しい順番というのはどうしようもありません。とはいえ、少しだけ探しやすくなりました。
 blog始めて半年ちょっとですが、改めてみると…私毎日何やってるのかな、もうちょっとしっかりじっくり味わわなくてはいけないんではないか?とかいささか反省。

 それからお買い物。
 PCの一台がCDを認識しなくなったので、横浜まで行ってドスパラ(PCショップ通販サイト)でDVD-RWドライブメディア10枚付7980円!を買ってきました。CD-ROMだと1980円からありますね。2年位前の値段が信じられない。
 そこで上海問屋の商品も発見。
 ポータブルストレージデバイス X's-Drive Pro VP300 が11407円!カメラ多用しないので使い道がとりあえずないけど、安さにとてもとても心がよろめいてしまった。
 ついでにマウスも交換。なんか、最近PCパーツの消耗品のもちが悪くなったみたい。NECの初期のなんかすごい丈夫だったような気がする。

物は言いよう(斎藤美奈子著・平凡社)

2004年11月13日 | 
最近は斎藤さんのお名前を見るとつい、パブロフの犬のように条件反射的にお財布を出す、とか画面上の購入ボタンを押している有様でございます。だって面白いんだもん。

 これは今は無い「噂の真相」誌上のコラムが土台になったもので、著者ご本人によれば、「FC」(フェミコード)対策のための実用書だそうです。

 フェミコードとは何か?性や性別についての望ましくない言動を検討するための基準です。思いがけないセクハラの疑いをかけられないために、笑いながらFC感覚を身につけよう!という本。

 しかし私が読んで思うのは、これは世の中に流布している女性がらみの言説の
「なんかムッとする、ムカッとする」気持ちに明快な根拠と対策を教えてくれるありがた~い実用書ではないか!でした。

 石原慎太郎とかを筆頭に、「何言ってるのよ~!」な発言はいっぱいなんですが、こまったことに「どこがどう気に入らない、どこが正しくない、こう正して」ときっちり明快に突きつけるほどいつも論点を整理できない、ってのにイライラします。
「女だからなんだってんだよ~」とか、「アタシの私生活がアンタにどう関係あるんだよ~」と言い返してやりたいような発言をどう処理するか、どうかわすか、言われる側への指南書でもあります。
 それに第一に面白いので、お薦め。本当に、頭がいいはずの知識人やらオピニオンリーダー、国会議員の皆様の、もののたとえ方、少子化対策、女性へのリアクションたら、こうやって一挙に並べてみると壮絶にトンデモです。

bk1斎藤美奈子インタビュー

コラテラル (2004/米)

2004年11月12日 | 映画感想か行
COLLATERAL
監督: マイケル・マン
出演: トム・クルーズ ジェイミー・フォックス ジェイダ・ピンケット=スミス
 
 ロサンゼルスでタクシーの運転手を12年間勤めるマックス。ある晩、アニーという名の女性検事を乗せ、話が弾む。次に乗せたのはヴィンセントという男で、マックスに一晩貸切で雇うことを持ちかける。

 なんか小味な映画だなと思った。でもすっきりと終わって、それにスタイリッシュでした。
 実はトム・クルーズを見てかっこいいと思ったのは悪役のこれが始めて。なんか今まで妙にもたれるものを感じてました。
 それがこの人間的なシンパシーはかけらもございません、仕事はあくまできちんとやり遂げます、という殺し屋を演じて、ルックスも決まってるし、走る姿もかっこいい!と瞠目なのでありました。「殺し」というとんでもないことなんだけど、あのちんぴら殺しのシーンはまったく無駄がない。満員電車のようなクラブの中での格闘シーンといい、躊躇とか保留のない、ある種のかっこよさを見事に見せてくれる。
 マックス役のジェイミー・フォックスもやるじゃないかとは思うものの、この映画はトム・クルーズの悪役としての大きさにドラマを支えられてますもんね。それで全部負の部分を背負って、哀れに、でもかっこよく死んでくれてほっとさせてくれるのね。
 その辺の構成は「黄金」とかにも似てるけど、やっぱボギーのほうが容量が大きいかな。
 とっても楽しめる娯楽サスペンスでした。ちょっと無理して見に行って、すっきりして映画館出てこられて幸せ。(しかし、このつけは月曜日にどっとやって来る…)

 ひとつだけ。ジェイダ・ピンケット=スミスが出てきたときには、てっきり彼女もアクションすると思い込んじゃったのは私だけでしょうか? マトリックス、肩や胸の筋肉かっこよかったじゃないですか。

自業自得というか

2004年11月11日 | 日記・雑記
予約しておいた本が届いたり、ブックオフでまたまた理性とさよならしちゃったりで増えた本を消化中。明日映画いけるかな。ホントに我慢できない私の自業自得ですか。

新刊でも、猿谷要の「検証アメリカ500年の物語」はそこら辺から参考書引っ張り出したりで時間かかってしょうがないし、
アラファト議長が亡くなったので中東はまたチェックしなおしで1990年あたりからおさらいをしたり(受験生に聞かれると困るから)
時間が無いったら無い。

1993年のイスラエルのラビン首相とアラファト議長の停戦条約には、やっぱり期待しちゃったよなあ。だって当事者同士だもん。
これで少なくとも子どもたちが戦車に石投げて弾が返るなんてやめられるかなあ…と。
それなのに翌年ラビン首相が暗殺されて、今は自爆テロ。
そしてもう一方のアラファトもついに亡くなった。
あの当時はアメリカがちょっとは平和に向けて努力しようという姿勢があったけど…今は…

それでもって、アメリカ史に戻れば、フランクリン・ルーズヴェルトも外交は棍棒持って展開してたようだし。「風とライオン」ではけっこうかっこよかったのに。
アメリカも、戦勝と戦後処理の例をドイツと日本に求めるんじゃなくてフィリピンとかベトナムとか失敗のほうを良く考えたほうが良いのになあ。