虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

ゴジラ対へドラ(1971/日)

2004年11月18日 | 映画感想か行
監督: 坂野義光
出演: 山内明 木村俊恵 川瀬裕之 柴本(柴)俊夫
特技・合成: 徳政義行 土井三郎
特殊技術: 中野昭慶

 今週BS2はゴジラシリーズで、一通り見終わってから感想書こうかなと思っていたのだが、昨日の「ゴジラ対へドラ」があまりにもすごかったので一言。
 これは、どちらかというとアングラよりオーソドックスが好きな私には、映画として面白くない。それにゴジラの動きがプロレスなのがいや。あの指のクイクイッは論外。(「シェー」とどっちがイヤかは迷うところ…シェーさせちゃったのはご本家の本多監督だけど…涙)

 昭和史をやってるときに、実際の公害とか、光化学スモッグとか、資料や数字で知ってるのと、そのときに身近に感じてた人間ではまったく感じ方とかインパクトが違うんだろうと思うんだけど、この映画もリアルタイムで見たときと、今とではぜんぜん違う捉え方しか出来ないんじゃないかな。
「水銀、コバルト、カドミューム……」の主題歌や挿入歌もすごいし、でもなんだか馬鹿にされてるような気分にもなる。ニュース映像の使い方、アニメの挿入もシュール、その上へドラによる被害や特に人の死をまともにけっこうえげつなく映像化している。ホントにファミリー向けだったのか?と思っちゃう。あのゴーゴー大会も脱力で情けなくて良い。
 へドラの造形はいかにもぴったりで、変化するところも実によく考えられていて怪獣としては久々のヒット!なんだけど、ゴジラが駄目。あんなことさせちゃいけない。空を飛ぶのは絶対駄目。
 すごい製作側の意欲が感じられる、でも私には駄目、という「輝く番外編」、みたいなゴジラ映画。ゴジラさえ出てなきゃ好感持てたかも。

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5 コメント

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初めまして。 (flareslugger)
2004-11-18 22:35:31
ningyo さん、こんにちは。トラバ&コメントありがとうござい

ました(拝)。



私が参考文献とした『ゴジラデイズ』には特技監督の中野昭慶氏の

証言記事がありました。それによると社会風刺としての原点回帰と

いう側面と子供向け娯楽映画という側面のしのぎ合いがあって、あ

のような映像になったようです。



ちなみにゴジラの飛行は台本に無く、板野&中野両監督による現場

のアドリブだったとか…。



今回改めて観てみましたが、個人的にはやはり好きにはなれません。

ただ、一度は観ておくべき作品と言えるでしょうね。





では、失礼します。



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唯一 (chishi)
2004-11-18 23:28:35
ゴジラが空を飛んだ映画なんですね。これ。

実は今まで一度も興味がわかなかったゴジラ映画。

今度のファイナルウォーズは妙に気になってしまい、

観に行こうかなぁと企んでいるのですが、

ningyoさん的にはどうですか?あれも邪道ですか?
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原典回帰 (ningyo)
2004-11-19 07:58:47
flareslugge様、貴重な情報をありがとうございます。

社会風刺が原典回帰であったなら、ゴジラ像も原典回帰にしてくれたらよかったのに、と思います。



chishi様

ゴジラはまず見てみないと、と思うんですが

好きな役者が出ていない、菊川玲アクション下手そう、なんて眼で見てしまうのがよくないところです。

それに私の好みのゴジラというのがあって

「得体の知れない巨大で恐ろしいもの」

をやってるゴジラが一番なんで

そういうゴジラだといいなあ、と思ってます。
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水銀コバルトカドニウム (arudenteな米)
2004-12-21 23:52:45
鉛硫酸オキシドル~ この歌結構好きだったりします(返せ太陽を)

映画としてはゴジラよりヘドラがメインな映画でしたね。

しかし核の象徴と公害が闘うとは。

中野監督の壮大な絵作りと色使いは好きです。
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ヘドラだけで (ningyo)
2004-12-22 10:04:39
ゴジラが出ていなければ好きになったんじゃないかと思います。

あんなことするゴジラはいや、とまず思えて。

でもほんとに絵ととんがった感じの色彩感は記憶に残ります。
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