虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

物は言いよう(斎藤美奈子著・平凡社)

2004年11月13日 | 
最近は斎藤さんのお名前を見るとつい、パブロフの犬のように条件反射的にお財布を出す、とか画面上の購入ボタンを押している有様でございます。だって面白いんだもん。

 これは今は無い「噂の真相」誌上のコラムが土台になったもので、著者ご本人によれば、「FC」(フェミコード)対策のための実用書だそうです。

 フェミコードとは何か?性や性別についての望ましくない言動を検討するための基準です。思いがけないセクハラの疑いをかけられないために、笑いながらFC感覚を身につけよう!という本。

 しかし私が読んで思うのは、これは世の中に流布している女性がらみの言説の
「なんかムッとする、ムカッとする」気持ちに明快な根拠と対策を教えてくれるありがた~い実用書ではないか!でした。

 石原慎太郎とかを筆頭に、「何言ってるのよ~!」な発言はいっぱいなんですが、こまったことに「どこがどう気に入らない、どこが正しくない、こう正して」ときっちり明快に突きつけるほどいつも論点を整理できない、ってのにイライラします。
「女だからなんだってんだよ~」とか、「アタシの私生活がアンタにどう関係あるんだよ~」と言い返してやりたいような発言をどう処理するか、どうかわすか、言われる側への指南書でもあります。
 それに第一に面白いので、お薦め。本当に、頭がいいはずの知識人やらオピニオンリーダー、国会議員の皆様の、もののたとえ方、少子化対策、女性へのリアクションたら、こうやって一挙に並べてみると壮絶にトンデモです。

bk1斎藤美奈子インタビュー