虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

2046(2004/香港)

2004年11月26日 | 映画感想な行
監督: ウォン・カーウァイ
出演: トニー・レオン 木村拓哉 コン・リー フェイ・ウォン チャン・ツィイー カリーナ・ラウ チャン・チェン ドン・ジェ マギー・チャン

 過去に囚われた一人の小説家が近未来を舞台にした物語を執筆、次第に小説家の現在と物語の中の未来が時空を超えて交錯していくさまを、美しい映像で綴る。

 上記の文章は、allcinemaONLINEからもってきましたが、木村拓哉主演部分は、特に小説家の心の中をくっきり説明するということでもなかったですね。セリフもっと少なくて映像だけでも良かったかも、と思った。そのほうが非日常感があるんじゃない?ま、一番肝心な秘密を言ってないし。
 音楽良かったです。
 「花様年華」の続きですが、「花様年華」見てないと駄目かというと、そうでもないかとは思います。テーマはけっこう普遍をいってます。
 花様年華では画面の向こう側にあって、見るものの妄想に任されていたラブシーンがあらわになっていて、そのことがチャウの永遠に渇望して、しかしおそらく一生得られないであろう『本当に求める愛』の昂揚と荒廃を物語るようです。(トニーとマギー・チャンは、その画面の向こう側、を十分感じさせてくれたのです)
 確かに「愛は代替品では駄目」なのです。

 「花様年華」でもそうだったけど、チャイナドレスというのは、なんであんなに女性が魅力的になるのか?そりゃ着る人の体型はシビアに要求されちゃうけど。今まで、チャン・ツィイーは「綺麗だなー」と見とれていたけれど、女優としていいっ!と思ったのは実はこれが始めて。やつれてすがれた女がきちんと出来るんですね。思わず今まで実力を正しく認めなくてすいません、と思ってしまった。コン・リーは貫禄でした。フェイ・ウォンきれいですねえ!

 何よりもトニー・レオンの映画なのでした。
 トニー・レオンという人には、R・キャパの如き、女性をして磁石の前のゼムクリップと化してしまうオーラがある。(こう思ってるのは私だけか?)キャパと違うと思うのは、陽性でなくて、ノワールなムードがあること。
 これほどノワールで情緒のある俳優が、今ほかにいるだろうか?崩れてもそれが陰影となり、その翳が情緒になる。
 けっこう身体が見えてしまうの役だったけれど、役なりのほどよいからだの緩みようもさすが!筋肉魔人だけがスターではないのだ。シンガポール時代のトニーのワイシャツのしわにしびれ、彼のすいさしのタバコを拾って隠匿したいっ!など危ない気分にさえなる。ご本人に触れたらきっと感電死です。

 木村拓哉は別に悪くありませんでしたが、共演の皆様に、目力とか負けがちなので損かも。

 本日ご近所での公開最終日なのでまた無理して行っちゃって、自分で自分を追い込む私なのであった…

「ジョヴァンニ」が見たい!

2004年11月26日 | 映画の話題
 「木靴の樹」のエルマンノ・オルミ監督の歴史ドラマ。
  公式サイト
 それも、中世から近世へと移る歴史の象徴的な場面をCGなんかには頼らない戦いで描いていこうという聞いただけでぞくぞくするような映画。
 今のところ日比谷シャンテ・シネ一館だけとはあんまりな話。
 こういう映画こそ大スクリーンではないですか。
 この際教育委員会でも、共済組合でもいいから、大きいスクリーンのホールで市民鑑賞会でもやって頂戴!と切に願う。

 「最終兵器彼女」の実写版映画化計画が進行中らしいけど、大丈夫かな?「デビルマン」の東映ですからね~ 私は高橋しんの絵が今ひとつ合わないのでさほどの思い入れはないけど、画集まで買っちゃってデスクトップが一時「ちせ」だったうちの高校生にはけっこう重大問題かも。

 今年の終わりは「ハウル」をはじめとして「Mrインクレディブル」「ポーラーエクスプレス」とよさげなアニメ目白押しだし、泣かせてくれそうな「ターミナル」、興味津々「スカイキャプテン」など、娯楽系はすごく充実だけど、やっぱ「ジョヴァンニ」見たいなあ!