虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

ダイシンボルガード(記憶に残る競走馬)

2004年11月22日 | 日記・雑記
「シービスケット」を見ていて、
馬券は一度も買ってない、競馬場にいったこともない女性の「記憶に残る馬」の話を思い出した。私と同じ病気のちょっと先輩で、病院で一緒だと暇だからいろんな話するんだけど、それで私の記憶にまで残ってしまった馬。

 やっぱり寝てる時間が長いので、日曜日も出かけるでもなく、身体だるいなあ、なんて言いながらテレビなんかず~っと見ていて、当時は日曜に競馬中継が毎週あったそうです。で、その「ダイシンボルガード」という馬は、テレビ画面を通しても雰囲気に妙にひきつけられるものがあったそうです。
 1969年のダービー馬なので実力はあったんでしょうけど、どうも安定感が無い。気象とか、馬場の条件が良くない時が得意。勝ったかと思うと次はころっと負けてる。それに、レース前だかに騎手を振り落として競馬場内を勝手に散歩して競馬場を麻痺させちゃったこともあるそうです。それはテレビ中継されたそうですけど、ネットで検索してもそんな記録見つかりません。見たことある方いますか?
 まるで実力があるけど、素直になりきれないでどうしてもすねてしまう少年の如きたたずまいを感じてしまったそうで、その馬だけ注目するようになり、引退してからは競馬なんか見なくなっちゃった、ということでした。
 私も競馬の写真集で、その馬の厩務員がダービーのゴールで一緒に走っちゃった有名な写真を見ていたので「ダイシンボルガード」の名前は知っていたけれど、馬より狂喜のおじさんに注目したので、どんな馬かはわかってない。

 馬というのは、ほかのものに無い引力があるんだろうな、と思う次第。ヒダルゴやシービスケット、ワイルドブラック…馬の映画は良いのが多いし。

海底軍艦(1963/日)

2004年11月22日 | 映画感想か行
監督:本多猪四郎
出演: 田崎潤 高島忠夫 藤山陽子 小泉博 上原謙 藤木悠 佐原健二 平田昭彦 天本英世 小林哲子

 12000年前、地殻変動のため海底に沈んだムウ帝国は海底都市で地熱の力で生き延びていた。しかし突然地上に現れ、全世界に植民地になるよう要求、世界各地に攻撃を開始する。太平洋戦争終戦間際にこつぜんと姿を消した神宮司大佐たちは、孤島でひそかに強力な海底軍艦を建造していた。かつての神宮司の上司・楠見はムウ帝国と戦うために轟天号の出動を要請。だが旧日本帝国にこだわる大佐は肯じない。一方、神宮司の娘・真琴と恋人・旗中はムウ帝国に連れ去られてしまう…。


 「レインマン」を探しにいったら、店にあったので借りてきてしまった。
 これはご本家の小説とは全然違うのですね~。戦後20年といっても、日本が敗戦国で平和憲法の国だ、というのがかなり強烈に出されてるし。
 それなのに話の展開はかなり乱暴で、交渉もなしに、いきなりムー帝国全体を国民もろとも滅ぼしちゃう。このギャップにはいささか唖然。
 でも、古い特撮ものについて回るちょっとしたチープ感があまり感じられない。物理法則はまったく無視したような、空を飛び、海をもぐり、地中を先端ドリルで驀進する海底軍艦・轟天号にわくわくしてしまった。
 怪獣がマンダ一匹しか出てこなくて、それもあんまり活躍しないので、当時の特撮としては異色、というか特撮だから無理やり怪獣入れてみましたって感じ。
 
 ヒロインはきれいだけど、色彩センスのすごい衣装ばかりで気の毒。ムー帝国皇帝役さんはふっくらした世間知らずのわがままお姫様の感じでいかにもという雰囲気があって素敵だった。
 男の人が良くて、特に若い俳優よりおじさん連に見とれる。私は細長系より重厚型が好きなので、藤田進とか高田稔が並んでると、それだけで映画の評価上がっちゃう。特に神宮寺役・田崎潤はもうぴったりでたまりません。
 
 突っ込みながらキャーキャー楽しんで見てしまった。
 天本英世が出してくる海底軍艦設計図が青焼き~~~!「青焼きが20年持つのか?」「いや、しまったままなら持つかも」「なんで突出した科学力を持つムー帝国が槍で戦う?」「デビルマンでも銃は撃たずに振り回してたし!」海底軍艦が地中を進む所では「あ、一応残土排出してる!」「あれじゃ足りんだろうなあ」、「ムー帝国の光線兵器の造形(マンダ型?)は、帝国の美意識がこだわっちゃったのね~」「平田昭彦はなんで夜でもサングラス?」「平田昭彦だから!」「まあ、富士山麓のような絶海の孤島!」
 「ありえね~」世界をいっぱい楽しめた映画です。音楽が伊福部昭で、ちょっとゴジラっぽいけど荘重感があってわくわくします。

レインマン (1988/米)

2004年11月22日 | 映画感想ら行
RAIN MAN
監督: バリー・レヴィンソン
出演: ダスティン・ホフマン トム・クルーズ ヴァレリア・ゴリノ

 高級外車のディーラーで危ない世渡りをしているチャーリーに、父の訃報が届く。10代で家を飛び出して、父に対する愛情も示さない彼だったが、遺産目当てに故郷に戻る。しかし、彼に残されたのは車一台で300万ドルは存在さえ知らなかった自閉症の兄、レイモンドに残されていた。
 チャーリーは病院のレイモンドを誘拐まがいに連れ出し、遺産の半額を要求する。

 これは、このストーリーの抄本を学校でサブテキストとして使ってるから見たいという高校生のリクエストで借りてきた。何年ぶりか忘れてるくらい久しぶり。前に見たときより、展開がわかってる今回のほうが泣けた。ところが、高校生は見終わっても「?」という感じで「泣かせたいのか笑わせたいのか良くわかんない」
 私も初めてのときはそんな気もして、でもエンドクレジットの写真と音楽で涙がぶわっときました。
 トム・クルーズは今見ても、美男だけど趣味じゃないなあ、と思うけど、この映画については人にあってる。ダスティン・ホフマンはこれは文句のないところでしょう。
 2人の演技もいいけど、私が思うに、この映画の一番の効きどころは「間」と「音楽」。演出と編集の素晴らしさだと思う。