映画【マーリー】を見てきた。
ジョン・グローガンの原作は、よくありがちな「愛犬可愛いや物語」とはちょっと異なる。
適度な距離をおきながらも、犬が我々に与えてくれるもの、教えてくれるものは何であるかを、ユーモアとウィットに富んだ文章で語る。
愛犬への温かい視点に心惹かれ、映画化を楽しみに待っていた。
映画は原作を早送りで追いかける実写版という感じがしたが、マーリーの一生を演じる22匹のラブラドールが実に愛らしかった。
原作は泣けて泣けて困ったが、映画の方は誰も泣いている人がいなかった。
逆に言えば、それがこの映画の良さかもしれない。
ところで映画料金は通常1800円。
毎月1日の「映画ファン感謝ディ」と毎週水曜日の「女性の日」は1000円に割引になる。
特筆すべきは、60歳以上は1000円のシニア料金で見ることが出来ること。
しかし、これが私にとっては大問題。
堂々とシニア料金で見るためには、後ちょっと待たなければならない。
故に普段は「女性の日」に出かけるようにしている。
ああ、しかしなんというドジを!
この日は感謝ディでも女性の日でもなかった。
にわかに800円が惜しくなった私。
窓口で身分証明書を提示する義務はないし、ここは、ちょっとこれぐらいの嘘は勘弁してよ、という気持ちになっても致し方ないことではないか?
nihaoが真っ正直な人間であるかどうかの真価が問われる局面だ。
四捨五入しても数え年で数えても文句なくシニア割引に該当する。
天使と悪魔の囁きの間で、私は大いに葛藤した。
もし問題があるとしたら........窓口嬢に
「お客様、とても60歳には見えませんよ!40代ではありませんか?」
と年齢詐称が無惨に暴かれることだ(???)
こんな時、みなさんならどうする?
厚かましい私の友人たちなら皆、たった800円のために簡単に悪魔に魂を売り渡すだろうが、生まれついての正義漢、やっぱり不正は出来なかった私。
黙って1800円のチケットを受け取ろうとしたら.......なんと!
「1000円です」
と告げてきた窓口嬢の言葉に衝撃が走った。
おい、こらっ!
黙っていても60代に見えたのか?
そんな気遣いは無用ではないか!
なんとも失礼千万な態度で突如怒りがこみ上げてきた。
「ど、どうして1000円なのよ?」
「はい、本日は、花巻東高校準優勝セールでございま~す。」