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キム委員長は就任後、2人の元大統領の刑事裁判が確定すれば国民に謝罪すると何度も明らかにしているが、最高裁の判決が遅れたことで、適切な謝罪の時期がつかめずにいた。

2020-12-07 15:07:53 | 韓国文化

李明博・朴槿恵両大統領について、

野党第一党代表が「国民に謝罪する時が来た」

登録:2020-12-07 01:52 修正:2020-12-07 10:28
 
弾劾が可決された9日に実現か…党内の一部からの反発予想
 
野党「国民の力」のキム・ジョンイン非常対策委員長が8月19日、光州5・18民主墓地にひざまずいて参拝している/聯合ニュース

 朴槿恵(パク・クネ)前大統領、李明博(イ・ミョンバク)元大統領についての、野党「国民の力」による国民に対する謝罪が、近日中に行われる見込みとなっている。

 国民の力のキム・ジョンイン非常対策委員長は6日、ソウル永登浦区(ヨンドゥンポグ)で開かれた「青年国民の力」結党大会を終えた後、記者団に対し、「国民の力に初めて来た時から予告していた事項なのに、これまでいろいろな事情を酌んできちんとできていなかった。(国民に対する謝罪を)行わねばならない時期が来ているのではないかと思う」と述べた。キム委員長は就任後、2人の元大統領の刑事裁判が確定すれば国民に謝罪すると何度も明らかにしているが、最高裁の判決が遅れたことで、適切な謝罪の時期がつかめずにいた。

 国民の力の関係者の話を総合すると、キム委員長は朴前大統領の弾劾訴追が国会で可決された12月9日に合わせて、国民に対する謝罪を行うことを前向きに検討したものと見られる。しかし党内には、9日の国会本会議に合わせて与党が高位公職者犯罪捜査処法改正案を強行処理する可能性が高いのに、その日に謝罪を行うのは時期的に適切でないという異論もあったという。

 キム委員長のこの日の発言は、当初の考えどおり9日に国民に謝罪するという意味と読みとれる。しかし、国民に対する謝罪は不適切だとして反発する人々も少なくなく、今週を通して党内の混乱が予想される。釜山市長選への出馬を準備中の親朴系のソ・ビョンス議員は同日、自身のフェイスブックに「大韓民国の右派が本来の位置に戻れずにいるのは、朴前大統領が弾劾に至ったことについて謝罪していないからなのか」と問い、「彼らが朴前大統領になすり付けたあらゆるこじつけと謀略を洗い流し、正常な法と原則に則った再評価の後に功罪を論じても遅くはない」と主張した。

ノ・ヒョヌン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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「国の深部」または「国の中の国」を意味するディープ・ステートは、政府内に深く根を張った、実体を現わさない勢力を仮定した表現だ。

2020-12-07 06:31:34 | 韓国を知ろう
[記者手帳]
「ディープ・ステート」、「ブロブ」、
そして韓国の検察とは何か
登録:2020-12-05 02:22 修正:2020-12-05 06:54
 
[土曜版] 来週の質問
 
全国最大規模を誇るソウル中央地検は、キム・ウクチュン第1次長検事が辞意を表明するなど、「ユン・ソクヨル検察総長職務排除事態」以降、深刻な後遺症に悩まされている。写真は4日午前、ソウル瑞草区のソウル中央地方検察庁/聯合ニュース

 ドナルド・トランプ米大統領が、今回の米大統領選挙は操作されているとして敗北を拒否する根拠の一つが「ディープ・ステート(deep state)」だ。彼は就任後、選出された権力を米政府内で無力化し、実際に国家を牛耳っている「ディープ・ステート」があると普段から主張してきた。

 「国の深部」または「国の中の国」を意味するディープ・ステートは、政府内に深く根を張った、実体を現わさない勢力を仮定した表現だ。ユダヤ人集団が世界支配の陰謀を企てているとする『シオン長老の議定書』という、代表的な陰謀論の延長線上にある。「ディープ・ステート」という言葉は、1990年代に麻薬組織などと結託して反政府勢力を掃討したトルコ軍部などの公安機構勢力に由来するという。トルコ語の「デリン・デビルレット」をそのまま英語に翻訳したというものだ。

 モンマス大学の2018年3月の世論調査によると、「国家政策を密かにあるいは直接的に操る、選出されていない政府と軍の官僚集団」が、米連邦政府内に「確かに存在する」と信じる人は27%、「そのような集団が存在し得る」と信じる人は47%だった。米国人の74%がディープ・ステート言説に共感しているのだ。

 自分の利害に沿って自ら進化して徒党を組んだ集団は、国家内に存在する。問題は、彼らが制御されずに主権者や選出された権力をもてあそぶかどうかだ。米国だけでなく、世界の運命を左右するワシントンの外交安保勢力がディープ・ステートとなってしまっているという批判も強い。バラク・オバマ前大統領の安保担当の副補佐官だったベン・ローズは、ワシントン主流の外交安保関係者を「ブロブ(Blob)」と呼んで批判し、大きな論争を巻き起こした。ブロブとは「塊」という意味で、「群れ」や「積弊」のような意味だ。

 2016年5月、『ニューヨーク・タイムズ・マガジン』の記事の中でローズは「ブロブには、欧州と中東で米国の安保秩序が崩壊したと絶えずぐずぐず言っているヒラリー・クリントン、ロバート・ゲイツ、および民主、共和両党のイラク戦支持者が含まれる」と述べた。ローズによると、「党派を超えた対外政策エリート」として取り繕っているブロブは、常套的な推定と原則を振りかざしつつ、米国の力を乱用し、米国を非常に多くの混乱に陥れてきたというのだ。

 ワシントンのブロブたちの「自由主義の国際秩序」とは、米国の自由主義的価値を武力を使ってでも広げなければならないという「自由主義的ヘゲモニー」にすぎず、イラクとアフガニスタンでの戦争の失敗にもかかわらず堅持されている世界観だという批判だ。トランプも彼らについて「完全な履歴書を持ってはいるものの、失敗した政策と相次ぐ戦争の敗北の長い歴史に対する責任を除いては、誇るもののない者たち」と述べ、自らの「アメリカ・ファースト」路線を正当化した。

 ジョー・バイデン次期大統領の対外政策チームについては、同盟と世界をぎくしゃくさせたトランプの「アメリカ・ファースト」を矯正する経験豊富な外交安保関係者だという評価もある一方、「ブロブたちの帰還」という懸念もあるとニューヨーク・タイムズは評価する。シカゴ大学のジョン・ミアシャイマー教授は、犯罪が起きるとそれらしい容疑者をとりあえず真っ先に捕らえておくように、「『ユージュアル・サスペクト』ばかりを連れてくる」と批判した。韓国としては、彼らの登場が再び朝鮮半島問題を無限の膠着・対峙状態に戻すのではないかと懸念せざるを得ない。

 では、韓国の内部では「ディープ・ステート化したブロブ」の問題はないのか。文在寅(ムン・ジェイン)政権の中途半端な検察改革への動きは批判を受けて当然だが、国家刑罰権を一手に握っている集団の徒党化をいつまで見ていなければならないのかという深刻な事態に直面している。国家権力において刑罰権は核心だ。刑罰権は捜査権と起訴権からなるが、この2つをこれまで検察が一手に握り、恣意的に行使してきたあり方を矯正しようということこそ検察改革だ。

 ディープ・ステートの語源は、1970年代に米国で大変な物議を醸したポルノ映画『ディープ・スロート(Deep Throat、のどの奥深く)』だという話もある。この映画は、性感帯が喉の奥深くにある主人公をめぐる典型的なドタバタポルノだ。ポルノは女性の性搾取を前提とするという文化的覚醒を触発する契機となった。物議を醸したためか、「ディープ・スロート」は突飛で密かな場所にある核心実体を指す象徴語として使われた。リチャード・ニクソン元大統領を辞任に追い込んだウォーターゲート事件の匿名の情報提供者がディープ・スロートと呼ばれてもいる。ディープ・ステートはディープ・スロートに由来する軽蔑的な風刺語と言える。

 検察が自らの利益に基づく輩となって国家刑罰権を牛耳るなら、国家権力はどこにあるのか。これこそ「ディープ・ステート」、「ディープ・スロート化したブロブ」ではないか。

 
//ハンギョレ新聞社

チョン・ウィギル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

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