どこ吹く風

旅のことを主に書く。

ものもらい

2007年10月31日 16時52分54秒 | 西安留遊
 何処の国にも物貰いがいる、中国でも相当数見かけた。西安の繁華街では路上に小さな子どもを抱いた身なりの良い壮年が坐っている、仕事が出来ないのに子供が病気に罹ってしてその治療費を集めている、という感じだった。これは雰囲気で判断しただけなので実情は知らない。

 また歩いていると手を出されるのは度々あった、バス停で待っている時にされるのが多かった。10歳くらいの子供が二人で大道芸をしてお金を貰っているのも見かけた、これは物乞いではなく大道芸なのか。
ある日学校近くの商店街を散歩していると”マオ、マオ”という張りのある通りの良い声が聞こえてきた。遠目にも変わって身なりで衣服は汚れており何か異様なものを感じた。その人は一軒一軒店に入り”マオ・マオ”と言うだけ、店の人は迷惑そうに追い払おうとするが動かない。張りのある声で普通に声を出しているのだが、オペラの歌い手のように声が通る、決して怒鳴ったり大声で喚いているのでもない、
店の主は根負けして何がしかのお金を与えると出て行く、そして次の店にはいる、露天商の前に立った。物乞いというより強要の部類に属する。あのような物貰いに初めて出くわした。

 観念したのか自分の店先に来るや否や直ぐお金を出す店主もいた。いや~ビックリした。あのマオ・マオという声は遠くにいても聞こえた、迫力があったな~。非暴力・非服従・強要というところか。後で気付いたけど、”マオ”とはお金の単位で1間の10分の1で角と同じ意味ーちなみに元のことを快(kuài:塊)というーつまり1円を恵んでくれと強要しているのだ。物乞いにもいろんなスタイルがあるものだ。

 また延安では小奇麗な格好をしたオバチャンがいて太鼓(ウチナー風にいえばパーランクー)を打ち鳴らしている。傍にはミヤゲ品が並んだ台があった。観光バスが寄る物産センターの入口に面しているので立地は良い。中国式のチョッキがあるので孫に買おうかと見たが質が良くないので止めた。5元の衣服に文句を付けても始まらないけど。(笑)
そこにウチナーで言えばサンバーがあった。2元なので孫に持って行こうとお金をそのオバチャンに渡し品物を持って行こうとするとご主人が商品代を請求してきた。あの人に渡したと言うと関係ない人と言う。そこで私はあのオバチャンに金を返せと詰め寄ったが返してもらえない。ポケットに手を突っ込もうとしたがダメだった。若干の意地とどうなるのかという事で追求を止めず返せ返せと追い掛け回したが隙を見て逃げられ、商品代を二重払いさせられた。

 たった30円の商品なので笑って済ませる金額なので追求も面白半分だったが、彼女にしてみればあのような幼い芸で稼ぐのだから必死だった。2元でビールの大瓶が買えるのでま大金だが勉強代と考えればマッいいか。
彼女は芸人か物乞いか・・・

 いろんな種類の物貰いがいるものだ。

写真は本文とは関係ないレストランの片付けの様子です。