福島ズボラーヌ

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大阪市福島区(並びにその周辺)をうろうろ徘徊。

懐メロ日記 03

2015-10-25 | ■懐メロ日記

イギリスの人気バンド、ポリス(THE POLICE)の代表作、
『見つめていたい』 (Every Breath You Take、1983年)。
ビルボードのチャートでは8週連続1位という輝かしい記録を持つ名曲です。

30年近く前にリリースされた曲であるにもかかわらず
今もなお世界中で今も愛され、結婚式の曲として
また映画やドラマのラブシーンのBGMとしても使われています。

ほとんどの人がこの歌を感動的なラブソングだと思っているようですが、
実は非常に恐ろしい歌詞です。
英語圏の人たちですら、「美しい恋の歌」と誤解しているみたいなので
ふつうに直訳してると、この歌の恐ろしさには気付かないでしょう。
もし、恋人にこの曲をプレゼントしたいとか、結婚式で使いたいと考えている人は
一度、ネット上の訳詩を複数ご確認ください。
「Every Breath You Take 離婚」とか「Every Breath You Take ストーカー」で検索すると、
結婚式で使うことをためらうような日本語訳が見つかると思います。

この歌における「watch」は、見つめる・見守るではなく、「監視」です。
wikipediaの記事には「歌詞は悪意を持って監視している人間を扱っている」と
書かれています。

The Police - Every Breath You Take

(ポリス『見つめていたい』1983年)

Every breath you take
And every move you make
Every bond you break
Every step you take
I'll be watching you


この歌の主人公は、パートナーのすべての行動を監視すると宣言しています。
宣言ていうより、脅迫かな。
相手の呼吸にいたるまで監視しようと言うのだから、
もはやヤキモチというレベルの話ではなく、典型的なモラルハラスメント。
「I'll be watching you」は決して愛の囁きではありません。

DV男性は第一印象や外面が良いと聞きますが、まさにこの曲のようです。
美しくロマンティックなメロディと、じわりじわりと追い詰めるような歌詞。
この曲を作った当時、スティング(Sting)の結婚生活は破たんを迎えており
離婚問題に悩んでいました。
歌詞につづられているのは、当時の妻への嫉妬や猜疑心、執着心だと言われています。

二人の離婚は『見つめていたい』のリリースの翌年、1984年に成立しました。
ちょっと気になっているのがスティングの再婚の時期です。
現在の妻とは、1992年に法律上の結婚をしているのですが
二人はそれよりも前から長く事実婚状態にあり、
4人のこどもを授かっています。
現在の妻との間の最初のこどもが誕生したのは1984年。
…あれ?別居期間中から交際していたのかしら。
もしかしたら、この歌詞に出で来る粘着質な言葉の数々は
スティングが前の奥さんから言われた言葉だったりして…。

のちにスティングは、ソロシングルとして
『セット・ゼム・フリー』(If You Love Somebody Set Them Free、1985年)を発表しました。
これは『見つめていたい』とは真逆の歌詞で
「愛する人を自由にしておこう」(直訳ですいません)と歌っています。
リリース当時のインタビューでは、
『Every Breath You Take』の歌詞の様な行動・考えは間違ったことだ、と語っていました。
もしかしらたら、『見つめていたい』を封印する気なんじゃないかと思うくらい
強い調子で言っていたように記憶しております。

Sting - If You Love Somebody Set Them Free


スティングと二番目の奥さんとの結婚生活は今も続いています。
今度はお互いに自由を尊重できる関係なんでしょうね。


【参考】
ポリス (バンド) - Wikipedia
見つめていたい - Wikipedia

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