福島ズボラーヌ

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大阪市福島区(並びにその周辺)をうろうろ徘徊。

如意山了徳院(福島聖天)(1)

2013-09-17 | ・鷺洲:風景・建築・史跡
「聖天さん」の愛称で知られる寺院。
(鳥居あるけど、神社じゃないです)
近隣の売れても占い商店街こと聖天通商店街の名前の由来は
このお寺から来ています。



「売れても占い.com:福島聖天 了徳院
大聖歓喜天~聖天ファン~
「大阪市:浦江聖天(うらえしょうてん)
「wikipedia:了徳院

正確な創立時期は不明のようですが、
戦国時代にはすでにこの地にあり、
元文元年(1736年)に再興されたのだそうです。
元文とは江戸時代の元号で、徳川吉宗の時代。



大阪大空襲の被害に遭い、山門と稲荷堂を残してすべて焼失。
無事だった山門は文化財として指定されているらしいのですが
どういう名称の指定だったかは忘れました…

山門には大根が描かれた提灯がぶら下がっています。
聖天さん=大聖歓喜天さんは象の姿をしたインドの神様で
大根が好物なのだそうです。





山門には子持ち竜の彫刻が施されています。

『なにわ福島ものがたり』(福島区歴史研究会)によりますと
この聖天さんは水商売(たぶん北新地)や堂島米相場師の人たちなどの
信仰が篤かったそうです。
聖天通商店街はその門前町。
JR福島駅前のテーラーのショウウインドウに当時の写真が掲示してあったような…
戦前はとても賑やかな商店街で、大阪四大商店街のひとつでした。
(あとの3つは心斎橋、天神橋筋、九条)



「大阪市パノラマ地図」大正12(1923)年

聖天さんのすぐそばを流れるのは聖天川。
その昔、水利や運搬のために使われていた井路川のひとつです。
井路川は福島区内のあちこちに流れていましたが
順次埋め立てられ、道路に変わっています。

(2)に続く。

「如意山了徳院(福島聖天)」
住所:大阪市福島区鷺洲2-14-1
電話:06-6451-7193

※「福島区の風景・街並み

日本キリスト教団 大阪福島教会

2013-09-10 | ・福島:風景・建築・史跡
福島七丁目にある、100年以上続く歴史を持つ教会。
昨年、大阪市都市景観資源に登録されました。

義と平和と喜び 日本キリスト教団 大阪福島教会

「Facebook:日本キリスト教団 大阪福島教会

フェイスブックには内部の写真がたくさん掲載されています。
外観だけでなく、内部も清楚で美しいです。



敷地内には附属幼稚園が併設されています。
私はごくフツーの公立幼稚園に通園していたので
こういう素敵な建物にある幼稚園が子ども心にとても羨ましかった。
前を通るたびに「いいなぁ」と眺めていたものです。



先日、帰省した時に久しぶりに見に行って来ました。
私の記憶にあるものより、かなり白い。
外壁を塗り替えたんでしょうか、昔はちょっと黒ずんでましたよね?
(HPによると、2007年に塗装工事をしたみたいです)





設計は大丸心斎橋店や船場の浪花教会、西区の大阪教会などと同じくヴォーリズ建築事務所。
大正時代に建てられましたが
第二次世界大戦時の戦災で大きな被害を受け
その後、再建されました。

「wikipedia:ウィリアム・メレル・ヴォーリズ





正面入り口の装飾が特に素晴らしい。

この大阪福島教会も浪花教会、大阪教会も建物がすばらしいだけでなく
親しみやすさと厳かな雰囲気が漂うところです。
地元の人に敬愛されている信仰の場所なのだなという感じがする。
(信者でもないのに、内部に入って写真を撮ろう!という気にはなれない)

大阪の神社やお寺もそういう感じ。
四天王寺(593年創建)、住吉大社(211年)、生國魂神社(紀元前!)など
歴史ある宗教施設はたくさんあるのですが
観光地というより、どこも現役バリバリの信仰の場です。
大阪では信仰や信心というものが今も生活に根差している証拠ではないかと思います。



「實地踏測大阪市街全圖」大正元年(1912年)

大阪福島教会が福島に設立されたのは1908年。
設立当初の住所は「大阪市北区上福島北二丁目155番地」
「浄正橋通」(たぶん今のなにわ筋)に面した場所にあったそうです。
地図の青いマークのところが、上福島北二丁目。
現在地に移転したのが1925年。

地図を見ると、周囲には学校がたくさんあります。
かつての福島区は市内有数の文教地区だったそうです。

「日本基督教団 大阪福島教会」
住所:大阪市福島区福島7-19-16
階数:地上3階
構造:鉄筋コンクリート造
設計:ヴォーリズ建築事務所
施工:-
竣工:大正15年(1926年)
指定:大阪市都市景観資源



※「福島区の風景・街並み

堂島大橋(2)

2013-09-09 | ・福島:風景・建築・史跡
堂島川にかかる橋のひとつ。
福島区と北区中之島を結んでいます。
今の橋は昭和二年に架橋されたもの。

前の記事「堂島大橋(1)



『大阪の橋ものがたり』に堂島大橋の渡り初めについての記述があります。
その昔、橋の渡り初め式と言いますと、
老夫婦や三代の夫婦がそろっている一家が先頭に立って渡るものだったそうです。
しかし、この堂島大橋の式典では、
中之島から550人、上福島から600人の児童によって
市歌を唱え国旗を振りながら簡単に質素な渡初式を行い、
渡り初めに一新機軸を出した。




上福島の児童とは今の上福島小学校(明治7年創立)か、
それとも福島小学校(明治36年創立)の子どもだちでしょうか。
中之島というのは、中之島尋常小学校(昭和19年に廃校)ではないかと思います。



堂島大橋はあちらこちらが黒ずんだりひび割れたりと老朽化が進んでいます。
全体的に黒ずんでいますが、汚れだけではなく
第二次大戦時の空襲による黒焦げもあるらしい。

堂島大橋北詰にあった田辺聖子さんの生家、田辺写真館は
昭和20年6月1日の空襲で焼失しています。
黒焦げはその時についたものかも…

「毎日新聞:わが町にも歴史あり・知られざる大阪:/300 堂島大橋 /大阪

この記事に堂島大橋について詳しい説明が書かれています。
かつては青銅製の彫刻が付いていたそうですが、今はありません。
上記の写真を見ると、その彫刻がはがされたと思しき痕跡があります。
柱の足元にある石臼状のものは、馬車馬の水飲み場だとか。
この鉢は「水が出るようになっていたはず」だそうですが
どういう仕組みになっていたのかな?



「實地踏測大阪市街全圖」大正7年(1918年)

堂島大橋という名の橋が最初に架けられたのは明治16年。
しかし洪水で流されてしまい、明治42年に再び木橋が架けられました。
この地図に掲載されている橋は、その新しい方の木橋。
橋の北側には今は無い蜆川(またの名を曽根崎川、福島川、梅田川)が流れ
堂島小橋がかかっています。
まだ市電の堂島大橋線は開通していません。
なお大阪市電は日本最初の市営路面電車です。



「イロハ引早わかり大大阪市街新地圖」昭和8年(1933年)

堂島大橋は市電橋に改良するため、昭和2年に新しく架け替えられました。
橋の上には堂島大橋線(堂島大橋~福島西通間)が走っています。

※「福島区の風景・街並み

浄祐寺(2)

2013-09-07 | ・北区堂島・堂島浜ほか:風景・建築・史跡


二号線から見える浄祐寺の壁。
壁の上部に煉瓦が見えますが、それ以外は瓦ですかね。

このお寺は私が行く時はいつもひっそりとしていますが
インターネットで見ると、わりと写真を撮っている人が多い。
文楽や歌舞伎で有名な演目(忠臣蔵、五大力恋緘など)の
登場人物の墓所を訪ねて来られたのでしょう。

矢頭長七の墓所は
大阪の観光地として、昔はそこそこ有名でした。
かつての大阪は全国的にも有名な芸能の街、芝居の街だったので
多くの芝居ファンがお墓参りに訪れたのだと思います。

古地図ファンにはおなじみの本渡章さんの著書、
「続大阪古地図むかし案内(明治~昭和初期編)」にもその名前は登場します。
昭和初期の近代古地図「グレート大阪市全図」に『珠玉の名蹟』のひとつとして
上げられているのです。
この地図が発行されたのは、昭和三年。
大正末期に人口・面積ともに日本最大の都市となった大阪市は
昭和二年に工場数・職工数ともに全国一となり、
まさに「グレート大阪」の名にふさわしい巨大都市に発展しました。

当時、福島区はまだなく、此花区の一部でした。
矢頭長七のお墓がある浄祐寺の住所は現在は北区堂島ですが
此花区の名所として紹介されています。

※「福島区の風景・街並み

BRASSERIE AILES

2013-09-03 | 福島
JR環状線福島駅近く、ホテル阪神南側にあるフランス料理店。
昨年(2012年)12月にできた新しいお店です。



周辺は長屋が比較的よく残っているエリア。
老舗鰻店「菱東」やインド料理店「カルカッタキッチンALISA」の近く。

こんな感じです→「福島五丁目(5)

この付近にあるだけで十分隠れ家っぽいのですが、
道路からさらに細い路地を少し歩きます。
以前は「和風食事処ふじよし」でした。
ふじよしには一度も行ったことがありませんが
店内インテリアや入り口は和風テイストなので
かつてのお店の雰囲気が残っているかもしれません。
フレンチなので、女性客ばかりかと思いきや
意外にも男性や家族連れ(休日に行ったので)もちらほら。

ランチは色々種類があり、フランス風オープンサンド(タルティーヌ)や
そば粉のガレット、日替わりランチ等。
私はステーキのランチにしました。



サラダ。自家製パンはおかわりできます。
パンかごを持った店員さんが客席を巡回しますので
随時声をかけてお皿に入れてもらうという形式。
かごの中に入っているパンはその時々で違うようです。



パンのおかわりをしたかったのですが、見ての通りのフレンチフライの量!
でも美味しかった。

入り口は少々入りづらいですが、お店の人たちが明るく親切で
居心地はなかなかよいです。
内装も落ち着いた感じで良いのですが
中庭がなぁ…貧相というか、大事にされていないというか。
単なる明り取りの空間になってしまっているのが非常に残念。
小さいながらも気の利いた坪庭になってくれたらもっといいのに。

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 追記
残念ながら閉店。
火災のため、廃業されらしい。
雰囲気の良いあの路地ももうありません。


BRASSERIE AILES(ブラッセリーエール)
住所:大阪府大阪市福島区福島5-6-46
電話:050-5796-9535
休日:火曜日
参考:ぐるなび BRASSERIE AILES