沖縄を考える

ブログを使用しての種々の論考

詩626 偽物横行の世界的現象と沖縄の闘い 13 私見 9

2017年05月08日 15時37分37秒 | 政治論

 徳川二百五十年の鎖国太平の夢は、もくもくと煙を吐き出す鉄製蒸気船の黒々とした威容に気圧されてあっという間に醒め果てた。この時江戸はじめ浦賀や近辺の人たちには恐らくこの国や自分たちに何が起きているかを明確に知り得る何の手だてもなかったに違いない。

 欧米諸外国は江戸幕府にその鎖国政策を解き放ち開国せよと要求していたのだが、二百年持ち来った国策は勿論容易に捨て去るがものではなかったので、国家経営上弱体化していたとはいえ幕府の開国を巡る稟議は当初から威圧的な諸外国に対し反発と敵意に満ちていた(攘夷論、異国船打ち払い令)。しかしやがて幕府は国家間の外交交渉としては明らかに不平等な和親条約、修好通商条約締結に至る。要するに欧米列強の強圧に屈して強引に門戸を開かされたのだった。此の国の一種の国家的開明は自生的内発に依らず外からほぼ力関係の結果として始められた。

 このような実情は当時アジア(取り分け北アジア)一般に共通してあったものであり(幕府の鎖国政策が専ら禁教-反キリスト教を動機としていたにせよ)アジアがヨーロッパの侵攻の中で執った「排外主義」が、海外進出を旨とする欧米列強に対抗する有効で正当な手段であったことは間違いないので、国際化や近代化の過程で生じるであろう一国内での軋轢、齟齬、矛盾、混乱、錯綜は、その国民にとって極めて意味のあるドーパミンやアドレナリン奔出の実体験であったろう。自ら進んで最初から無条件に外交を望むというなら話は別だが、圧倒的な力関係でこれを迫られた場合個人にも国にも感覚上は尠からぬ抵抗意思として直接間接に現象するはずだ。この抵抗意思があるからこそその外圧への屈伏、従属、妥協という結果に敗北感が残る。残らなければ嘘になる。

 大和民族においては、この、極めて肉体に近い部分での敗北感はどのように処理されたのか、言われているのは、他のアジア民族に比して日本人は驚くほど敏速に近代化を成し遂げ、あっという間に欧米並みの国勢を得た、と言うことなのだが、棘のように突き刺さる敗北感の克服も容易にかつ急速にできてしまったということか、では、その後富国強兵と帝国主義的発展の末、市場開拓のため戦争への道を歩み結果敗北した不手際は、どう説明するのか。説明できるのか。

 筆者がその県民となっている沖縄では、周知のごとく、図式的に言えば本土政府と琉球の間で米軍基地を巡り国民あげて(国家政府による印象操作・情報操作が淵源だ)の差別的環境醸成の結果、戦後特に復帰後、市民による「非暴力不服従」運動が事あるごとに頻発し一種草の根運動となっている(運動自体が常態化している)。

 ほかならぬ保守党出身の翁長知事の起承はこれを捉えて「オール沖縄」と銘打ち、反辺野古移設を以って糾合する手筈だった。しかしその後の転結は容易に予断を許さぬ急迫し窮迫した状況になってきている。それは国家権力の、ほぼ問答無用の圧倒的な行使によって、元々無力に近い地方行政体に無下に襲い掛かった結果として生じた異常な状況である。特に法的には一種のスラップ訴訟形質(国が国民を訴追する官尊民卑思潮)がまかり通り、地方自治法にも抵触する自治権はく奪の蛮行が司法を凌駕し、日米安保体制絶対優先国策が何を措いても施行されるこの国の非独立的国家運営には、国内や諸外国の有識者からあるいは国連等から批判と非難の声が向けられている。

 いずれにしろ、琉球国としてのアイデンティティに基づく民族的なコンセンサスは、本土政府等がいかにガセ、デマ、数値的誤魔化し、本土向け印象操作、事実の捻じ曲げを繰り返しても、その反基地意思に何の衰微さえ見当たらない実情を遺憾なく発揮しているのである。ここに見られる「抵抗」は、勿論、琉球沖縄の虐待差別の歴史が醸成した、情念のマグマが垣間見せる真実の一つとも言えるが、一方では、外圧が加わるとき、人々が感覚的にこれを忌避しようとする、ごく当たり前の自然性向に過ぎないともいえる。辺野古に関しては実に20年以上にわたりそれはたゆまず行われてきた。この抵抗、抵抗感にこそ、本土の日本国民が学ぶべき市民の在り様があると、筆者は思う。いやなものは誰が何と言おうといやなのだ。そこに格別の理屈はいらない。(つづく)

 

 

 

 


詩596 dot.com記事 「パン屋を和菓子屋に」だけじゃない トンデモ道徳教育

2017年05月08日 08時20分03秒 | マスコミジャーナリズム

「パン屋を和菓子屋に」だけじゃない トンデモ道徳教育

https://dot.asahi.com/aera/2017050100092.html

国語や算数などと違い道徳には体系的な学問がないため、国が定めた“徳目”にのみ基づく恣意的な教科書づくりや検定が行われている(抜粋)

道徳とか倫理、モラルというのは時代によって変化すると小林秀雄氏が書いていたが、まさにその変化の代表格が皇民化教育という道徳教育が国を単色化した戦争時代と、戦後の自由主義(道徳教育は下火となった)教育に見られる現代日本の道徳感(あるいは不道徳感)であろう。小林氏は左翼の転向問題に関し口にしたのだが、これを道徳の問題と見た氏の苦々しい表情を想像する。転向は、自身の道徳問題より国家の意思が勝った事実をあからさまにした。国家が押し付ける「道徳」は個人を凌駕しかつ個人の道徳感を根こそぎ打ち砕く。それは最早「道徳」ではない、国家意思という重戦車が個人を押し潰し国家方針に無条件で従わせるためだけに機能する、恐るべき鉄の掟にほかならない。鉤十字はナチスの象徴だった、鉤に国民を引っかけて引きずり回すナチスの冷血性。今安倍らが流布させんとしている教育は、人間を作るのでなく、心臓を抉り、血を抜き、機械のように国のために死ぬ人民を生み出さんとする教育、一種の殺人マシーン化用訓練、軍事教練なのである。


詩596 LITERA記事 北朝鮮危機を扇動、“安倍の代弁者”山口敬之が「騒ぎすぎという奴は全員北朝鮮で毒饅頭を食らっている」と陰謀論

2017年05月08日 07時50分15秒 | マスコミジャーナリズム

北朝鮮危機を扇動、“安倍の代弁者”山口敬之が「騒ぎすぎという奴は全員北朝鮮で毒饅頭を食らっている」と陰謀論

http://lite-ra.com/2017/05/post-3138.html

米朝戦争勃発どころか、トランプ大統領が対話路線への転換を口にし始めた

『報道特注(右)』は今年スタートし、ネトウヨから熱い視線を注がれているトーク番組  山口は、この真っ当な指摘をした数少ないコメンテーターや評論家が、みんな北朝鮮に行ったことがあって、接待で籠絡され、朝鮮総連にコントロールされている、という

「世界中で北朝鮮が危機だと騒いでいるのは日本のマスコミと総理大臣だけ」とコメントした元防衛相でタカ派国際政治学者の森本敏氏  「日本が米朝のチキンレースに参加すべきではない」とつぶやいた橋下徹元大坂市長  「どうせ何も起きない」「馬鹿騒ぎ」と珍しく冷静な情勢判断をしたネトウヨの神・田母神俊雄

あたしが、北朝鮮からいきなりミサイル攻撃されることなんてないし、米朝戦争だってすぐに起きないといったのは、山口さんの大好きな安倍さんや閣僚のみなさんがのんきに休暇とったり、外遊していたからですよ。評論家とかコメンテーターにケチつける暇があるなら、自分の親分に『せっかく煽ってるのに、そんなことされたらバレバレですよ』と文句言えばいいじゃん

(以上抜粋)

どういうわけかかつて左翼が「何でも反対」といっていた時代には左翼に同情的だったが、こういう頭の悪い右翼のデマゴーグがしたり顔にがなり立てている様を見せられると、その醜悪さばかりが鼻について嘔吐感に襲われて止まない。


詩596 日刊ゲンダイ記事 テロ対策、教育関連…GW中に急浮上した「改憲銘柄26社」

2017年05月08日 07時34分17秒 | マスコミジャーナリズム

テロ対策、教育関連…GW中に急浮上した「改憲銘柄26社」

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/204884

 防衛省の「契約相手方別契約高順位表」(2014年度)が参考になる。契約高トップは三菱重工で、主な調達品は「哨戒ヘリコプター、10式戦車、護衛艦、12式魚雷」など213件で、金額は2632億円だ。川崎重工は「哨戒機、潜水艦」、NECは「野外通信システム、警戒管制レーダー装置」、三菱電機は「中距離地対空誘導弾」、東芝は「基地防空用地対空誘導弾」などを防衛省に納入している

防衛力の強化にはテロ対策も含まれるでしょう。警備会社や監視カメラを手掛ける企業は脚光を浴びるはず  警備関連はセコムALSOK、ビル警備に定評のあるRSCが代表格。監視カメラの池上通信機、防犯センサーのオプテックス、防犯システムのTOAも物色の対象になりそうだ。顔認証のサクサHD、空港で効果を発揮する赤外線サーモグラフィーの日本アビオニクスも関連銘柄の一角だろう。  学習塾は繁盛  早稲田アカデミーやベネッセHDなど教育関係

(以上抜粋)

まさに死の商人たち、軍産学複合戦争経済が堂々とまかり通ることだろう。これがアベの、ヒトラー並の景気対策であり、北朝鮮は優良な(自分は得しない)戦争市場供給国としていよいよ脚光を浴びる。反吐だ。血塗られた時代の象徴としてこいつらは獣的な欲望剥き出しにそこら中に跳梁跋扈する悪鬼だ。