琉球沖縄等に展開している米軍基地乃至日米合同・単独両軍事訓練が、主に日本国政府の強い偏執的要請に基づいてその存立根拠を与えられているという事実は、当然に国防上の戦略的理由以上に突出している理念的に堕落した政治性を証明している。しかも国内7割以上の沖縄偏在は、その数値的経緯を度外視しても極めて異常なものと断じるしかない。琉球沖縄では、連日のように報道される通り、こうした米軍展開が齎す様々な基地公害に悩まされ続けているし、あらゆる局面でその窮状を訴える県民の声が漏れ聞かれ、種々の住民訴訟が起こされてもいる。にも拘らずこの国はこれらを改善する何らの実効性ある対処も見せたことはない。又ヤマトゥ常民の間で真剣な論議を呼ぶこともほぼない。ありのままに眺めれば、一億総エゴイストというほかない日本人のていたらくぶりを慨嘆するばかりだ。
今、高江で国家がしていることは、他府県から派遣された500名を超える機動隊員その他を駆使して反対派住民活動家他を、権力的に暴力的にほぼ完全に現場から排除し、唯一つの目標である年内完工を目指して6基(内2基は完工している)のヘリパッドを高江居住区近接亜熱帯照葉樹林内に建設するというもので、当然ながらこれ(工事)による自然環境の人為的改変が行われ、同時に近在住民の生活環境を悪化させ、完工後は、既に県内では規律違反状態で繰り返されるオスプレイの飛行訓練が、住民生活に重大な物理的精神的苦痛を加え、沖縄島北部一帯その他の自然の生業に異常なストレスを与える続けることは間違いないことである。こうした事態に対処して内外の自然保護団体が当然に声を上げるべきところ、そうした緊急的対応が一切ないのも不思議な現象だ。
しかもその工事のやり方は、先の参議院選(沖縄区自民系敗北)の結果を見た直後に着工という、あけすけな侵略的策謀(汚らわしい国家的打算)の工事断行は、国家政府が安保負担免除?国民向けに、罪滅ぼしの数値上の「負担軽減」をアピールするという、情けない意図以外にないが、当然また、米国向けに、かしずく屈辱外交を臆面もなく繰り返す傀儡国家たる日本国の無様な在り様も露呈している。大体が所謂政府が喧伝したい「基地返還」の内容は、既に役目を終えた(ジャングル訓練自体今どきの戦争事情からも無意味なものと言われる)使えない国有林を返す、というものにすぎず、負担軽減どころか、益々集中的に強化された軍事基地、訓練施設を米国に提供する、という実質である。ふざけた話だ。しかもこれまで行われている基地返還は、負担軽減など名ばかりで、県内移設新設の条件付きであり、基地機能ははるかに強化されて一層重い負担を沖縄に押し付けようというのである。
当然県行政の対応も極めて中途半端としか言えない。東村の態度も事大主義の誹りを免れない。一体、連日様々な天候の変化に対応しながら肉体を酷使して現場に抗議監視活動を繰り返さねばならない市民の労を誰が労うというのか。(つづく)