認知症老人の物とられ妄想は次の段階へ移る。即ち、言い争いと怒号の騒擾から静かに成り行きを見守る立ち位置へ。この脳髄の驚異的な異変はどこから来たか、病理学的には海馬の委縮傾向ということだが、素人目で見ると、当人の生い立ちや性格が多分に影響しているのではないかと思われる。つまり幼時体験、青年期のいじめ被害、成人後の衝撃的体験などから培った経験則からの類推傾向。類推から確信に至る精神の傾斜は、ひとつには記憶の曖昧さを自認できない性格的弱さが論理的類推を一挙に飛び越えて飛躍的結論へ帰着した結果である。
こうした老人病を目前にすると、現今安倍内閣の気違いじみた軍国主義が一種の認知症の為せる業と見えてくるのは錯覚だろうか。(つづく)