日本原爆詩集。
アメリカ合衆国の残虐性の爪痕がここに記されている。いかなる効率主義もここには通用しない(戦争を終わらせるためにも)、ということに彼らが気づくことはないだろう。ここに論議は成り立たない。ここで感情を端折ることは決してしてならないことだ。己のしたことを具に見て、目をそらさずケロイドと黒焦げの死体と、垂れ下がった皮膚を凝視し、そこに神を見ようとせよ。
われらの悪魔の手を人の手と勘違いした、われらの取り返しのつかない過ちを許しうるのはお前の国の神だけだ。おまえの言い訳と、「仕方のないこと」という端折りは決して許されない。誰もいない暗い部屋で涙を流せ。光が見えるならひたすら許しを乞え。そして戦後おまえらがおのれをごまかすために世界中に蔓延させた原子力平和利用という名の偽善に満ちた悪業が、加えてこれにより増産を加速する核兵器の世界的拡散が、地球の至るところで愚かしい、嘆かわしい、ありえない、目に見えない侵略を繰り返し、汚染し続けていることにつき悔い改めることをせよ。
おまえの普段の祈りはなんの意味もない利己主義だ。おまえのした人類への罪に対してのみ許しを求めよ。更に言うなら、ブッシュが始めた収拾のつかない対テロ戦争によって死んでいく無数の子供、人々へ、彼らのために祈れ。リゾート気分と戦争で疲弊した兵士の癒しと、潤沢に提供される公金で天国を味わっている沖縄から出て行け。お前らの住むこの街には、おまえらを図々しい異国人としかみていない人たちが大勢いる。(つづく)