読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

中欧初めての旅(第4話)

2007年10月20日 | 海外旅行
◇ミュンヘン・オクトーバーフェスト(ビール祭り)
 フュッセンから電車でミュンヘンに戻り、「TOKAMI」という日本料理のお店で食事。
 刺身盛合わせ、握り寿司、手巻き寿司、赤だし等々久しぶりの本格日本食
 に感動した。
 地下鉄に乗ってミュンヘンでは最大のお祭りオクトーバーフェストに出かけた。既に8時
 を回っているので電車には酩酊したお客さんが多い。幕張メッセのような広大な
 敷地に、メジャーなビールメーカーがいくつも巨大テントを張って、バンバン飲ませる。周
 りには観覧車、サーキット、お化け屋敷、射的、その他食べ物屋台、土産物屋な
 どが立ち並び、その間を民族衣装に身にまとった人たちが行き交っている。
 この時間では大テントは満員で入れてもらえない。仕方なく野天のテーブルで
 1リットルジョッキを傾ける。勿論相席でドイツ人はもとよりアメリカ人イタリア人など
 人種もとりどりである。わがテーブルのドイツ人らしい一人は既にへべれけ状態。
 神田辺りで見かける酔っ払いとそっくりな仕草なので笑ってしまう。所詮人類は
 一つなのだと思う。

   
      巨大テント            化け物屋敷?          野外テーブル

   
    野外テーブル2             懐かしい射的          串刺しチョコ   

 
◇寝台列車でチェコへ
 さて念願のビール祭りの一端も垣間見たので、荷物を持ってミュンヘン駅から夜行
 寝台列車に乗ってプラハに向かう。今回は長旅・新婚さんとあって一等寝台車。
 カード式の厳重なドアを開けると既に寝台(2段)が用意されている。日本のよう
 に浴衣は付いていないが洗面台と食事用テーブルが付いている。(トイレもカード
 式で寝台車の客だけが使用できる仕組み。シャワーも付いている。)
 ビールでほろ酔い加減なのですぐに白河夜船かと思ったがそうもいかない。そ
 のうちうとうとして来たが気がつくとどうも電車が動いていない。交換待ちにし
 ては長すぎるのだ。後で聞けばどうやら電車が故障したらしい。そのうち動き
 出してライプチッヒ、ドレスデンを経てチェコに入る。6時に旅券検査と聞いていたので
 起きて待っていたのに事故のせいで8時頃に検査官が回ってきた。結局プラハ
 駅には3時間遅れの12時近くに到着した。
  朝食はお腹も空いていて抵抗感なく食べた。パンが美味しかった。
 チェコに入ると窓外の家々は雰囲気が心なしか寒々しい。チェコの歴史を見れば
 日本などとは比ぶべくもない激動の苦難を味わって今があるのだ。大戦後で
 見てもソ連の圧制あり、「プラハの春」の改革とその後の軋轢。スロバキアとの分
 離等々。そんな思い入れが色眼鏡になっているのかもしれない。
 ただゆったりと流れるモルダウ川(ヴルタヴァ川)に沿ってボヘミア盆地に入ると、牧
 草地とそれを取り巻く木々の佇まいが、まるで絵のように続き目を飽きさせな
 い。電車のチャイムもスメタナの交響詩「わが祖国」の主題メロディからとっていて嬉
 しい。
  
    
    寝台車ベッド       通路(左が車窓)      備付け洗面台    厳重なキーロック

   
         朝食             チェコの家々            モルダウの流れ

   
 
 
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中欧初めての旅(第3話)

2007年10月19日 | 海外旅行

◇ツーク・シュピッツェ山 
 
今日(9月26日・水曜日)も時折小雨という悪天候。しかし折角ここまで来
 てるんだから行って見ようということで海抜2,963mのZugspitzeに登っ
 た。ガルミッシュからはケーブルで登るルートとアプト式の登山電車で岩山のトンネル
 を登るルートとがある。我々は後者を選んだ。およそ10kmを1時間かけて
 登っていく。
 終点駅の外は雪。周辺の山々など何も見えない。そこから更にゴンドラ
 に乗り換えて山頂へ。そこには強い風が吹き渡っていた。
 電車で乗り合わせた台湾の学生グループの一人が「写真をお撮りしましょ
 うか」と流暢な日本語で話しかけてきた。これまで殆ど日本人は見かけな
 かったので、アジアの人であっても異国で日本語を聞くのは嬉しい。
 次第に雪も納まって周辺の様子も見えてきたが、何しろ寒いので山頂の
 カフェテラスでカフェラテなどとって一休みし、滞在時間2時間ほどで早々に引き
 上げた。
 今夜の夕食は自炊。近くのスーパーで食材を買い込んで若夫婦が共同で
 調理したポトフ風スープ、野菜サラダ、バゲット、いわしの酢漬け、ピスタチオといっ
 た山荘風無国籍料理とビールで小宴会をした。

   
     登山電車始発駅       アプト式電車のレールと歯車    ツークスピッツェ周辺概念図
  
     
     登山電車終点駅        ピーク       スーパーに「BONSAI」が売られていた!

    
             夕食 

ノイシュバンシュタイン城へ
 翌日(9月27日・木曜日)は少し肌寒いものの雨も止んだので、近くの有名な
 ノイシュバンシュタイン城(「新白鳥城」として日本のツアーでは定番)に向かう。バスだ
 とあちこち回って3時間は掛かるというがTAXIで1時間足らずでフュッセンの城 
 下に到着した。途中オーストリアとの国境を出入りすることになる。
 城の近くまでは直行できない。小型の専用バスに乗り換える。紅葉が始まっ
 ているがこの辺は黄色のみ。若干風情に欠ける点は否めない。
 場内は入場制限していて、小1時間待つ間寒さしのぎにホットワインなど呑んだ。
 この城を築城したバイエルン王ルードゥイッヒⅡ世は、終世傾倒していたワーグナーの
 楽曲に着想を得て工夫を凝らした部屋をこしらえている。ルードウィッヒⅡ世は
 城造りに夢中になり過ぎて財政破綻を招き、国民に愛想をつかされ軟禁状
 態になった挙句奇怪な死を遂げている。
 険しい岩山の、谷間に架かるマリエン橋から見る城の全容は、背景となる緑の
 フュッセンの平野、湖などと相俟って壮麗優美である。記念写真を撮る人が押し
 寄せて、余りの人の多さに橋がしなっている感じ。つい「橋が落ちるよ~」と
 叫びたくなる。

        
      霧の中の城        ノイシュバンシュタイン城の全容      マリエン橋


  

 
 
 

 

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中欧初めての旅(第2話)

2007年10月18日 | 海外旅行

◇メーンイベント・ミラベル宮殿での結婚式
 さていよいよ今回の旅行本命の結婚式。どこでも花嫁の着付けとメークが一番
 手間取るので、珍しく7時に食事を済ませた。それぞれ衣装を整えてミラベル宮
 殿へ。通訳とエージェントの女性が待ち構えていたが、スタッフの一員であるカメラマン
 が渋滞に嵌ったとかで大幅遅参。実はホテルでもメークさんが車の事故で遅れた
 とかで花嫁は「ケチ続きだよ~」とむくれていた。
 結婚式は宮殿礼拝所かと思っていたらきらびやかな宮殿内「大理石の間」で、
 市長代理(多分民生部の課長補佐あたり)の前で誓いの言葉を述べ指輪を
  換し、立会人が確認した後に、結婚証明書を手渡すという形式で、かなりあっ
 さりしたものであった。式の後花の咲き乱れるミラベル庭園で写真を撮り、二人
 は二頭立ての馬車に乗り、市内の指定コースを回って見知らぬ人たちから善意
 に溢れた笑顔と祝福を受けてホテルに戻る段取りになっている。この日は秋の
 陽の光がきらきら輝き、汗ばむほどの陽気となった。こんな日に備えて日頃か
 ら行いを正しくしていなければいけないとしみじみと思った。
  この日(9月24日・月曜日)は親戚同士の懇親昼食やワインパーティー、馬車
 郊外散策など目一杯立て込んだ日程で、さすがにいささか疲れた。

      
       大理石の間            誓いの壁      白馬の馬車で市内を
          

        
               色とりどりの果物・野菜


◇ミュンヘンからガルミッシュ・バルテンキルヒェンへ
 昨日とは打って変わって肌寒く、時折雨のぱらつく天気。電車でミュンヘンに
  向かう。およそ二時間くらいでドイツに入る。一旦余計な荷物を市内の自宅
  に置いて、市内中心部の見学と昼食。「庄屋」という日本食レストランでそれぞ
  れラーメンやカツ丼などを食べお腹が落ち着いた。日本で食べるラーメンと殆ど
  変わらない味で感心したものである。次いでアドルフ・ヒットラーがお気に入りだ
  ったというビアホール「HOFBRAU」に入りドイツでは有名な「白ソーセージ」をつ
  まみに中ジョッキを空ける。この白ソーセージは日持ちしないため午前中で売り
  切ることになっているとか。熱いポットのに湯浸かって出てくる。特製ソースも
  付いてくるがそのままの方が味わいがあっておいしい。ちなみにビールを
 呑むのにつまみを取るのは日本人くらいで、向こうの人はただひたすら
 ビールだけ。1リットルのジョッキが林立しているのは実に見事である。まだ
 2時頃なのに 満員の盛況。これもオクトーバーフェスタ(ビール祭り)の期間中の
 せいだろうか。

    
     ミュンヘン駅             ミュンヘン中心部          ブロイハウス「HOFBRAU」

  2時間ほど電車の個室に揺られてガルミッシュに到着。ここはインスブルック冬
   季オリンピックのアイスホッケー会場にもなったドイツ南部の保養地で、スキー客向
    けのロッジ(というか小型ホテル)が多い。駅から徒歩5分程度のホテルは4階
    建てで、最上階のフロア全部が我々4人に用意されていた。主寝室のほか
    予備ベッドルームが3室、リビングルームとキッチンとダイニングスペースもあってなか
    なか快適である。
  面白いのはビールなど飲み物は自販機のようなストッカーから自由に出して、
    備え付けのノートに種類と数量を書いておけばチェックアウトの際清算できる仕
    組み。性善説に立った、
おおらかなシステムである。

    
               ホテル・シェル             ダイニングルーム            主寝室

    
       キッチンルーム               予備寝室

  

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中欧初めての旅

2007年10月16日 | 海外旅行

はじめに
 この度三女がオーストリア・ザルツブルクで結婚式を挙げたいというので、夫婦ともども
 のこのこ付いていった。形式的には春に既に結婚はしているのであるが、偶々
 旦那さまとなった彼が、三女の小さい頃に見た「サウンド・オブ・ミュージック」の舞台・憧
 れの地ザルツブルクで少年時代を過ごしたということもあり、もつけの幸いと実現し
 た結婚式なのだ。結婚式となれば親は欠かせない(?)し、旦那さんのご両親も
 うまく仕事の都合を付けて出るという。式の後ミュンヘン、ガルミッシュ、プラハやウィーンなど
 も案内してくれるというというので渡りに船と一も二もなく乗った。半分新婚旅行
 みたいな旅に親が同行すると聞けば間違いなく顰蹙ものであるが、またとない
 機会なので大目に見て貰おう。ついでに予て行きたいと思っていたパリに足を延
 ばすことにして、都合16日間(9/22~10/7)の長旅となった。
  結論を言えば少々疲れはしたものの、結婚式は快晴で写真もよく撮れたし、格
 別のトラブルもなかった。はじめて見る歴史ある都市・地方の風物に触れて感動
 したし、ミュンヘンのオクトーバーフェスタも体験した。念願のパリも堪能した。個人企画の
 旅行としてはまずまずの出来であった。新婚の二人に感謝しきりである。

ザルツブルクの街
 9月22日土曜日。ウィーンで中継し着いたザルツブルグではおよそ13時間のフライト。
 着陸直前に機上からは名城ホーエンザルツブルク城が見えた。
 個人旅行なので大きなスーツケースが4個。ところが待ちTAXIは1台だけ。2台の
 TAXIを手配するのも容易ではない。
  ザルツブルクは丁度お祭の最中。小型の観覧車やメリーゴーランド、様々な屋台・出
 店などが出て多くの人で賑わっている。プレッツェルの屋台で大皿ほどの大きなプレ
 ッツェルを買い、それをむしりながらビールを呑んだ。二次会はホテル近くのバールで
 ピッツアでまたもビール。祭りは夜中の3時4時まで賑わいが続き、騒ぎでパトカーまで
 出動する始末。うるさくて良く眠れなかった。

    
       機上からホーエンザルツブルク城         祭りの夜景            時代行列の面々 

       
      プレッツェルの屋台      ビールは山ほどの銘柄がある     ちょっと締らない絵
 
 
明けて9月23日・日曜日。ザルツァッハ川に面して立つホテルの窓から対岸崖上に教
 会が見える。そこに至る坂と川沿いの街並みの佇まいが実にいい。
 結婚式を挙げるミラベル宮殿を下見に行く。歩いて20分くらいの距離で、モーツァ
 ルトの生家、育った家などを見ながらミラベル庭園へ。庭園そのものはさしてビック
 リするほどのものではない。むしろ明日の宮殿の中が見ものだ。
 更に急な坂道を上って機上から見たホーエンザルツブルク城を訪ねる。お年寄りと歩
 くのが嫌いな人にはケーブルカーが用意されている。市街地と山なみを一望できる
 テラスがあったので、しばしビールを呑みながら景観を楽しんだ。

       
    ザルツブルク市内とザルツァッハ川    城のテラスでビールを        城の礼拝堂

  ザルツブルクとは塩の町のこと。「ソルト・マイン・ツアー」があるというので参加しようと
  いうことになった。1時間半ほど山を越え、ドイツに入ったりまたオーストリアに出た
  りと観光をした上で岩塩鉱に辿り着く。大人も子供もつなぎ服に着替えて
  トロッコ列車に乗りかつて岩塩鉱であった地底の採掘現場跡に下りていく。石
  炭と違ってきれいなものだ。案内はドイツ語と英語の二組に分かれ、英語組は
  説明をテープで聞く。聞いているうちにドイツ組はどんどん先に行ってしまう。
  コースには連絡用に巨大な滑り台など用意してあって大人も結構嬌声を上げて
  楽しんでいる。2人で日本円でおよそ15,000円。ま、こんなもんか。
  この夜はレストランでオーストリアらしい料理で夕食をとった。勿論ビールはバイツェン。


          
             のどかな牧場風景                  岩塩鉱脈    
     
          
    この山の下辺りに岩塩鉱?    名も知らぬ町の教会
  
  (以上第1話終わり)
       
    

  
  

  

 

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