◇シェーンブルン宮殿へ
ウィーン第2日目。昨夜は少し寒くよく眠れなかった。9時に食事をとったが
ツアー客とは部屋が別なのだが未だ結構混んでいる。今日はシェーンブルン
宮殿へ。かつて城壁があったところが環状道路になっている。宮殿はそ
の外にあるので地下鉄U3、U6、U4と乗り継いで行く。
外は実にいい天気で汗ばむくらいである。宮殿前に「焼き栗」の屋台が
あって、それを買って頬張りながら広い庭園に入る。今日も若夫婦とは
別かれての観光。
彼らは宮殿内の「動物園」へ行ったようだ。後で聞いたらゴリラと、パンダ
と、トラ・ライオンなどに感動した模様。こちらは焼き栗のおかげで喉が
渇いて、宮殿内の屋台でメートヒェンから水のボトルを1本だけ買って分け合
って飲んでいたのに、彼らはちゃっかりとビールを呑んだらしい。
宮殿内の案内ツアーは1時間くらい掛かる。中世にあって飛ぶ鳥を落とす
勢いで欧州に覇権を広げたハプスブルグ家。1683年レオポルドⅠ世によって
建てられた狩猟用建物は、その後女帝マリア・テレジアによってロココ様式の
宮殿に建て替えられ、公式にウィーン・ハプスブルク王室の夏の離宮とされた。
シェーンブルン(美しい泉の意)宮殿は1400室という、とてつもない大きさで、
そのうち40室が公開されている。主としてここで生まれて、68年間在位
した皇帝フランツ・ヨーゼフにまつわる部屋が多い。「巨万の間」や「鏡の間」
その他見所が多い。巨大な庭園の奥の小高い丘陵の上にはグロリエッテ
という建物がありここからのウィーン市内の眺望はすばらしい。
再び市内中心部カールスプラッツ駅に戻り、ハプスブルク家王宮を見学する。
640年間の栄華の舞台となった王宮は増改築が繰り返され(こちらは
2,600室とか)たため、各時代の建築様式が随所に見られるという。
ミヒァエル門から入って、左手に新王宮を見て英雄広場を抜け、ブルク門か
らマリア・テレジア広場で休憩する。左右にある宮殿は今は美術史博物館と
自然史博物館になっている。右手には市庁舎トヴオティーフ教会の二本の
尖塔が見える。
いい加減疲れて喉が渇いたので、宮殿内の「Caffe Hofburg」で一休み
しビールを呑んだ。
明日4人組は別れ別れになる。今晩は最後の夜なので、免税店で「お
いしい店」と聞いてきたという「金龍飯店」で中華の夕食をとった。味とい
い、量といい確かに高い評価が出来る店だった。杏酒、老酒も飲んだ。
シェーンブルン宮殿正門 園内トラム 大広間(10m×40m)
グロリエッテ リスの多い森の木立ち グロリエッテから宮殿と市内を望む
庭園内の木立ち 丘からの宮殿・庭園 王宮内「Caffe Hofburg」
王宮ミヒャエル門 新王宮 美術史博物館
◇憧れのパリに立つ
今日はパリに立つ日なので少し早起きして食事。大変な混雑である。二
人分空いたテーブルがあったので入り込んだ。相席の老夫婦は聞いてみると
カリフォルニアから来たらしい。娘の連れ合いがカリフォルニアでサンタアナの近くだと
いうと、「私らは大宮に行ったことがある」と言っていた。
若夫婦二人は我々より1時間ほど遅い電車でミュンヘンに出る。一緒にチェック
アウトし、駅に荷物を預けて、空港までの連絡線の駅まで送ってくれた。今度
会うのは成田空港。パリからの我々の方が20分早く着いていることになる。
「成田で互いの無事を確かめ合おうぜ。」と誓い合って分かれた。
今日は何はともあれパリに着いて、予約したホテルに入るということが肝心。
飛行機に遅れてはいけないので、万が一のことを思ってバスやTAXIを使わ
ないで鉄道を使ったのに、空港までの専用線は出発が20分後、しかも途
中で止まったりのろのろ運転だったりで何のことはない30分近く掛かってし
まった。
さてエール・フランスのチェックインカウンターを探さないといけない。ターミナルが二つあり
第2ターミナルだと思っていたら第1だという。第1まで行っても焦って探すとな
かなか見当たらない。他所の航空会社のカウンターで聞きやっと辿り着いた。
大きな荷物があるのにエスカレータが故障中。腰痛再発覚悟で長い階段を持
ち運び、さてお次は妻の・・・と思っていたら見かねた屈強のサラリーマンが軽々
と持って上がってきてくれた。こんなときのご親切はほんとにありがたい。
「ダンケシェーン・ビッテ」。
無事に乗り込んで2時間ほどのフライトでパリ・ロアシー(シャルル・ドゥ・ゴール)空港に
到着した。
ホテルの近くまで行く「ロワシーバス」(8.5ユーロ)が運行しているのであるが、荷物
が大きいのでは諦めてTAXIを使う。女性ドライバーだったが結構気が荒く、
「早く行けー!」、「んにゃろ!」といった類のことを口走って運転している。
でも運賃に程ほどのチップを含めて払ったらちゃんと「メフシー(メルシー)」と言っ
た。
さてHotel Heliosはオペラ・ガルニエとサン・トリニテ教会の中間くらいで、少し地
下鉄トリニテ駅に近い地点に立地している。
チェックインは40年ぶりに復習したフランス語でと思って、先ずは「ボンジューフ(ボン
ジュール)マダム」などと挨拶しながら、お次は「予約している○○だが・・・」と
チェックインしようと思って緊張していたら、妻が予約のバウチャーを持って英語
で話し始め出番がなくなってしまった。
「ありゃーなんというこった。」と思ったが、ちゃんと予約が通っていたから、
まあいいか。
これで一安心。
ところが部屋に通ってみるとダブルベッド!。普段寝慣れていないWでは・・。
と思ったがとにかく疲れていたせいもあって、これまた「ま、いいか。」と一
旦受け入れてしまった。
まだ時間も早いので、ちょっと散歩がてらホテル周辺の様子を探ろうと外に
出た。地下鉄トリニテ駅からサン・ラザール駅、マドレーヌ教会、オペラ・ガルニエまで歩
いた。
そのうち喉が乾いたので近くのCafeに入り生ビールを。その先の大通りに
パリ三越があった。
百貨店の「プランタン」の地下にスーパーがあり、ホテルにも近い。ビールや水それ
にサンドイッチ(ここでは長いフランスパンを割って中にいろいろ挟んである。)を
買い込んでゆっくりとした部屋食でパリの第一夜を楽しんだ。
サント・トリニテ教会 サン・ラザール駅 マドレーヌ教会
(第7話終わり)