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読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

ジョン・グリシャム『告発者(下)』

2025年03月25日 | 読書

◇ 『告発者(下)』(原題:THE WHISTLER) 

    著者:ジョン・グリシャム

    訳者:白石 朗 2024.6.11新潮社 刊(新潮文庫)

   

  (承前)
  頼もしかった相棒ヒューゴを失ったレイシーはいつまでも病院で治療を受けて
 はいなかった。顔の疵も、剃りあがった頭もそのまま再び衝突時事件の調査に戻
 った。どうやら先住民族の族長はマフィアのシンジケートの親玉デューポーズと
 つ
るんでおり衝突車両運転手などの捜査を手抜きし、証拠隠滅を図った。

  レイシーは殺人事件がらみとなった今FBIの手を借りるしかないと協力関係を保
 つ会合を持った。突破子口は衝突車両運転手と彼の逃走を助けた車の運転手の
 定。

  防犯カメラ画像と残された微量な血痕などから後者の人物はホテル経営者でマ
 フィアの一員クラウド・ウエストベイと特定できた。
  ところが告発状の張本人マイヤーズが行方不明になった。彼の補助者カーリー 
 タからマフィアの攻撃を恐れる不安の悲鳴が届く。さらに依頼人との仲介者クー
 リーも事態急変に驚き姿を消してしまった。本件の筋書きはすべてクーリーが作
 ったのに。
内部告発者でありマイヤーズの依頼人は判事デュボーの法廷速記者で
 あるジョセフィンだった。彼女はマイヤーズの失踪に狼狽しレイシーに助けを求
 めて来た。
  妹の危急を助けるため駆けつけたレイシーの兄ガンサーがカーリータ救出に向
 った。マイヤーズのパソコンも無事回収できた。
  
  司法審査にからむこの事件を機にマフィア・シンジケートを叩くFBIの体制は万
 全で、ウエストベイを締め上げ白状させた上に、隠し録音機を身につけデュボー
 ズ
との会話から犯罪行為関与を示す発言を録取することも成功した
。もちろん司
 法取引を餌に。


  結局マクドーヴァー判事は巨額なカジノの売り上げのピンハネ収受、カジノ周
 辺のマンションの供与、海外旅行などの便宜供与等々で有罪となり25年の実刑を
 宣告された。

  収賄財産は預貯金の外海外不動産、金の延べ棒など貴金属などで3,800万㌦が告
 発者基金と称された。このうち1,000万ドをジョヘレン、クーリー、マイヤーズが
 告発報奨金として受け取る(半分の500万㌦はジョヘレン)。
 

   作者おなじみの法廷場面はないが、司法審査会という架空の仕組みを作り、
 ここで魅力的な登場人物を巧みに操ることにより楽しいリーガル作品に仕上げた。
  沈着冷静な レイシー、妹思いのガンサー、レイシーといい仲になったFBIのアー
 リー・パチェコなど魅力あふれる登場人物が生き生きと描かれている。被害者に
 なったヒューゴ・ハッチとその家族だけがお気の毒としか言いようがない。
  それと先住民族員の認定(カジノからの配当金が支給される)や指定域内の独
 特の司法自治権などが物語の一種のアクセントになっているのが興味深い。
                         (以上この項終わり)

 

  



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