<下諏訪宿への3泊4日>
◇竜王から穴山温泉へ
昨年暮れに2泊3日で、甲府市竜王町まで歩いた。ここまで来ると今度の
歩きは効率性から言って一気に終点の下諏訪を目指すことになる。4日間
の天気予報が雨にはならないことを確かめ、宿を予約しJRのチケットを手配
する。
朝食は電車の中でオニギリで済ませ、9:40から歩き始めた。6時ちょっと
に家を出るときには肌寒かったのに次第に気温が上昇し、暑くなってきた。
ほぼ釜無川に沿って歩く。韮崎宿水神を過ぎると、右側には「七里岩」と呼
ばれる河岸段丘が延々と続く。
この段丘は「韮崎岩屑流」といって、20から25万年前の八ヶ岳の噴火に伴
う溶岩や凝灰角礫が、50キロ以上にわたって甲府盆地を覆いつくした。釜
無川左岸は川によって浸食され50から150メートルもの切り立った崖で
ある。
河原や家々の庭先などに黄色い花が咲き乱れている。宿の奥様に聞い
ても「一年草で、どこにでもあるけど名前はちょっと・・・」との答え。花と葉の
様子から「大金鶏菊」ではないかと思われる。
七里岩 釜無川 大金鶏菊?
街道は韮崎市祖母石でそろそろ1時頃、暑くて喉は渇くしお腹が空い
て来たが物を売る店など一軒もない。「円井逆断層」とある沢を渡る。立
派な造りの家々が点在している。農業だけでこんなに裕福になれるもの
だろうかと余計な心配をしながら歩く。
途中まるで花壇のように色とりどりの花々が植わった畑があった。そこ
にいたお爺さんに「きれいですね」と言ったら、「すっかり緑が濃くなったけ
んど、ほんの少し前まではあの崖にある緑もいろんな色合いで、それは
きれいだったんだよ。」と、かすかにすれ違った答えが返ってきて慌てた。
◇穴山温泉能見荘
昼抜きのお腹で、標高差百米はあろうかという崖を七曲りの道で登り、
更に韮崎に向かって逆に行って少し下ったところに今夜の宿「能見荘」
がある。この近くにはここしか宿がない。日本百名山で有名な深田久弥
氏が近くの「茅が岳」登山中脳出血で急逝されたが、その前夜宿泊した
のがこの宿である。よくある民宿か登山客相手の鄙びた・・・と思いきや、
なんのなんの家の造りといい茶室のある庭園といい、なかなかの宿で
あった。
4時前に着いて温泉にゆっくり浸かり、冷たいビールで渇ききった喉を
潤し・・・至福のときであった。ちなみに昼抜きの体重は普段の2.5キロ減
であった。
穴山温泉能見荘 韮崎市は武田の里・スズランと鷲 今甲信ともどこも「風林火山」
翌日は穴山橋袂から三吹を経て「台ケ原宿」へ。ここには山梨県の銘
酒「七賢」の酒蔵がある。見学コースのほか試飲も出来る。ここは1杯目
は無料、2杯目からは1杯90円である。意地汚い小生は、なるたけ高
い酒をと思ったが、さすがに万を越える大吟醸は遠慮して、その下の
クラスにした。グラスは小さいがすっきりとした呑み口で気に入った。
試飲した手前もあって純米酒、吟醸純米、大吟醸の3点セットを買求
めた。既に背中のリュックは3泊分の着替え、念のための傘に合羽、
水、車中で読む文庫本、水のボトルで重くて肩が凝っているのに酒と
なると「別腹」ならぬ別荷のようだ(さすがに妻にも分担して貰った)。
牧歌的な水車がある風景 摘果時期に入ったぶどう 銘酒「七賢」の酒蔵
重厚な仕込み蔵 醸造仕込み水は甲斐駒の伏流水 甲州は球形道祖神