不動産屋おやじのつぶやき

私は、安心・安全そして親切をモットーに不動産屋を営業しています。日々の業務の中で感じたことを、皆さんに伝えます。

家賃保証

2015-08-21 17:20:21 | 日記

知合いの方から、相談がありました。

業者から、賃貸物件を建築し、サブリース契約で、家賃保証を提案されているが・・・・・・・どうなんですか。ということでした。

一括借り上げの本質は、又貸しです。

大家が業者に部屋を貸し、業者が一般住民に部屋を貸す仕組みです。

以前は家賃保証する業者の位置づけがあいまいでした。

しかし、数年前の最高裁サブリース訴訟で決着しました。

この裁判では、ある業者が「家賃を保証するので、建築させてくれ」と大家に、提案しました。

建築してしばらくして業者が、「その家賃は高すぎるので下げてくれ」と大家に要求しました。

大家も、その家賃を元に計算し多額の借金をしています・・・・・・・・・当然「話が違うじゃないか」となって裁判になりました。

結果は業者勝利です。

この裁判で、家賃保証は普通借家法に当たると認定されました。

つまり、家賃保証をする業者は、そこに住んでいる賃借り人と、同じ権利を持つということです。

ですから業者は、その家賃保証契約をいつでも解除できますし、いつでも家賃を下げる請求をすることができます。

裁判所が、お墨付きを与えたので業者は平気で30年の家賃保証というわけです。

地主は、ほとんどこの判例を知りませんから、安易にアパートを建てて悲惨な目にあうわけです。

契約して何年か経つと、業者から家賃引き下げの要求が必ずあります。

その金額は、最初の家賃よりかなり低いです。

最初の家賃が高いのは、高い建築費を取るための見せかけの家賃だからです。

そのようなバブル家賃は、すぐ下げられます。

大家も土地を担保に多額の借金をしています・・・・・・・・そのため家賃引き下げで困窮するのは当然です。

しかし大家が、その金額を断れば家賃保証は終了です。

これって、どこが保証なんですかねぇ。