「赤旗」より
インドーカシミール州
初のがールズバンド波紋 【ニューデリー‐時事】
イスラム教徒が多数を占めるインド北部ジャムーカシミール州で初結成された少女ロックバンドがこのほど、宗教指導者から戒律に反しているとして活動禁止のファトワ(宗教令)を出され、解散に追い込まれました。自由な音楽活動を妨げられたことに国内の政党や人権団体から批判が噴出、波紋が広がっています。
このバンドはギタリストのアニーカーカリドさん(15)ら女子高生3人でつくる「プラガーシュ」。昨年末の州内の音楽祭に初登場し一躍注目を浴びました。
地元メディアによればファトワを発令した同州のイスラム指導者バシルディン師は3日、「公共の場で男の面前で歌うべきではない」と批判。また、イスラム保守勢力からも「西洋文化をカシミールに広める余地はない」と強い反発が出た上、バンドのフェイスブックにはレイプ予告などの脅迫文も書き込まれました。
カリドさんは5日、地元紙に対し、宗教指導者の決定を尊重して解散すると宣言。「州外で活動するつもりもない。音楽を諦めた」と語りました。
一方、国内ではファトワについて、かつて女性の外出禁止など厳格なイスラム統治を敷いたアフガニスタンのタリバンを引き合いに、「タリバン化だ」(ヒンズー保守政党)などと非難する声が相次いでいます。アブドラ州首相はバンド活動の支持を明言。地元警察は脅迫文を書き込んだ容疑者の捜査を開始しました。