JCP市原時夫です

千葉県房総の睦沢町から、政治・経済・歴史・オペラ・うたごえを考えるgabuku@m12.alpha-net.ne.jp

社会主義をめざす国に求められる政治・経済・国際道義・・・不破哲三氏の講演

2010年11月01日 | Weblog
 日本AALA創立55周年・バンドン会議55周年記念講演会で、不破哲三日本共産党社会科学研究所所長は、「世界の中で21世紀を考える」として、講演を行い。「赤旗」に要旨が掲載されました。
 すでに、2004年日本共産党第23回党大会で、世界史的な発展方向について、①発達した資本主義国、②社会主義をめざす国、③アジア・中東・アフリカ・ラテンアメリカ、④旧ソ連・東欧圏と4つのグループ分けをしていました。
 今回は、その中の、①②③を取り上げています。
 この時点から、さらに発達した資本主義国の世界史的役割の総体的な低下のみならず、不破氏は「この体制のままで、地球の危機を乗り切れる経済体制をつくれるか、その根本が問われている」と現時点での絶対的な存在意義のにも疑問を投げかけています。
 また、AALA諸国が「社会主義をもんだにする新しい動き」について語っていますが、2009年4月中国共産党との理論会談「激動の世界はどこに向かうのか」新日本出版では、ラテンアメリカの左翼政権・左派政権の「主力をなしているのが、科学的社会主義・マルクス主義の立場に立たない勢力」という現実をふまえて「共産党がいないところでも新しい革命が生まれうるし、科学的社会主義の知識がなくても・・・・・新しい社会の探究にのりだしうる」と述べています。(157ページ)。
 そして、中国など社会主義をめざす国に対し「経済の面でも、政治の面でも、国際道議の面でも、人類の未来社会の探究者にふさわしい優位性を発揮すること」と指摘しています。
 日本共産党の尖閣諸島もんだいでの、理性的、冷静で確固とした姿勢の根本をなす、綱領的な立場がここにあるのではないでしょうか。
 中国の人類史への歴史的・世界史的な責任が問われています。
 
 

観察者だけではなかった加藤周一氏・「現代思想2009-7)

2010年11月01日 | Weblog
たまたま、書店で見つけたのが「現代思想」という雑誌の加藤周一没後の特集でした。
 加藤周一氏の言論は、明快な結論づけであったり、べらんめー調であったり、懐疑的であったり、いろいろな顔を見せてくれます。
 この本では、平凡社「世界大百科事典」の〔日本〕の項目解説も載っています。「え!、日本の説明にこんな事を書くんだ」とびっくりしました。ほとんどが日本文化・思想の流れを説明しているからです。「そうなのかもしれない」と感心しました。
 加藤周一氏は自ら運動や組織に加わらないことが、事実を正確に認識できる立場ということをたびたび言っておられます。
  しかし、非常に冷静に事実を見つめる姿と情熱に任せて行動する二面性も明らかにしており、人間的なものもたくさん感じられるのです。
 自ら「高見の見物」とまで言っていますが、しかし、わたしは、そうは思いません。晩年の「9条の会」の創設だけではなく、一貫した、真理の探究姿勢と平和をねがう主体的な姿勢が人の心を動かすのではないでしょうか。
 いまだ、加藤周一氏の言葉の持つ意味について、理解できなことはたくさんありますが。