2006年8月のブログ記事一覧(2ページ目)-ミューズの日記
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先日文科系さんからコメントで『人生のエンジョイの仕方がとても上手い国の庶民文化の報告、楽しみにしています。』とありましたので、今日は旧ヤマハの亜国代理店の社長の遊びについてお話します。

屋号を"PROMUSICA"(プロムシカ)と言って私が赴任したときには既にヤマハの総代理店をして20年になる会社の社長でFELIPE ROZENMUTER(フェリッペ・ロセンムテル)と言います。彼はバツイチで金持ちであるため遊びも我々とは桁の違う遊びをしていました。
ブエノス・アイレスは丁度緯度が日本の千葉市に当たるため四季がはっきりしています。もちろん北緯と南緯の違いはありますが・・。初夏から初秋にかけての陽気のいい休みの日になると彼はよく舟遊びをします。と言っても60フィートもあるクルーザーでちゃんとキャプテンとコックがいるんです。私も時折招待されては遊ばせて貰いました。特に最初2ヶ月は単身でしたのでね。写真はそのひとコマで右側で寝そべっているのがフェリッペです。

彼は必ず友人を招待するのですが、若い女性が多かったですね。やはり金持ちの独身はもてますからね。赴任して直後、初めて招待された時には若く美しい女性が3人いて、挨拶で握手をしたのですが顔を寄せてきて私の頬にキスをするではないですか!一瞬ひるんでしまいましたが、向うでは初対面でも頬にキスをする習慣なんです。これは慣れるといいものですよ。そして電話の最後にも親しいも者同士ですとUN BESO(一つのキス)、MIL BESOS(千のキス)、UN MILLON DE BESOS(百万のキス)などと言っては電話を切るんですね。キスが信頼・友情・愛情を表すスキンシップの一つになってるんですね。変な意味ではなくこれはいい習慣だと思いますよ。日本の文化ですと愛情を表す手段にしか使いませんからね。

そしてクルーザーで何をすると思いますか?
呑んで、食べて、おしゃべりして、昼寝してのんびりするんです。若い人は水上スキーやジェットスキーで遊びますが、彼は一日のんびりするだけなんです。もちろん人脈も広い人間ですから電話も掛かってくるし、またよくしゃべります。ご存知の方も多いと思いますが、ラテン系のおしゃべりはホントにおしゃべりですからね。私はメキシコで慣れていたとは言えスペイン語での会話ですからやはり疲れます。夜にはどっと疲れて帰ったものです。

とまあ、フェリッペは個人的にはとてもいい人なんですが、ビジネスマンとしてはとんでもない食わせ者の一面があり苦労させられました。アルゼンチンには仕事で赴任したのにまだ仕事の話をしてませんね。その辺りはまた後日・・・。

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まだまだ残暑の厳しいですが、この週末もミューズサロンでは二つのコンサートがありました。一つは『ギターを愛する仲間による自主コンサート』(写真左)、もう一つは第3回ワンコインコンサート(写真右)です。

『ギターを愛する仲間による自主コンサート』はサラリーマン3名による自主コンサートで、ミューズ会員でもある野口さんが呼びかけて、仲間3名で日頃の成果を発表する場として開催されました。こう言うコンサートがどんどん増えると良いですね。左の写真の右側が野口さん、左側が以前の会社の先輩で大月さん。お二人は大学は違うそうですが、たまたま会社でギターをやっている者同士と言う事で仲良くなったそうです。もう一人は若い大石さんと言う方。この人は野口さんと大学が同じで大分後輩になるそうで、お二人ともミューズの講師でもある谷村武彦さんに最近またレッスンを受けているそうです。

いいですよね。学生時代にギターをやっていて、暫くブランクがあったけど又再開する、そんな人達が最近増えています。最近お店に来るお客さんもそう言う人が多いんです。そして私から皆さんにこんな提案もしています。『大学のギター部のOB会をミューズサロンでどうですか?いきなりコンサートに出ませんかと言っても皆さん尻込みをされるけど、OB会と言えば懐かしくて集まるんではないでしょうか?そしてOB会で2~3人演奏を披露すれば、他の皆さんも触発されてまた始められますよ。そうしてOB演奏会も実現するのではないでしょうか。』とね。また更に『OB演奏会に現役学生も声を掛ければ聴きに来てくれて、そこに現役とOBの交流も始まりますよ。』とね。
実は私が既に南山大学ギター音楽研究会で同じ事をやって実績があるのです。卒業して30年やってなかった人がまた始めたんです。ギター部又はギタマンのOBの皆さん、是非考えてみてください。
何せミューズサロンは無料コンサートならレンタル料も通常の半額。土・日の13:00~17:00借りてもたったの¥6,300ですのでとってもお徳です。しかも、野口さん曰く『ここは響きがいいので気持ちいい。病み付きになりそう。』と大好評なんです。

さて、昨日の第3回ワンコインコンサートは今までで最もレベルの高い演奏会になりました。このプログラムをご覧ください。
<第1部>
1.成戸 太地   2つのノクターン(ヘンツェとショパン)
2.磯村 操    ラグリマ(F.タレガ)
3.成田 和代   カナリオス(G.サンス)
          25のエチュードより7番(M.カルカッシ)
4.小川 達也   グランソロ(F.ソル)
5.沢田 敏之   カプリチョアラベ(F.タレガ)
          3つのブルース(チャーリー・バード)
<第2部>
1.梶田 絹代   エチュードOp.35-22(F.ソル)
          ロマンス(N.パガニーニ)
2.田中 健之   ファンタジー(J.ダウランド)
          はちすずめ(J.S.サグレラス)
3.亀谷 甲午   ソナタ ハ長調Op.15(F.ソル)
4.中村 公樹   マズルカ ト長調・アルボラーダ(F.タレガ)
          ロンデーニャ(R.S.デ・ラ・マーサ)
5.長縄 広紀   ソナタ(J.トゥリーナ)

写真は第1部の3番手の成田さんです。
兎に角曲目を見ても顔ぶれを見てもレベルが高いでしょ。お茶とお菓子付で¥500で楽しめるコンサートとしては中身の濃いコンサートでした。ある演奏者も『上手い人が多いので余計に緊張してしまった』と言っていました。でも、このコンサートは上手・下手は関係なく人前で演奏する事を楽しんでいただく場ですので、初心者の方もどしどしご参加ください。第4回は12月24日(日)14:00からに決定しました。クリスマス・イブですのでいつもより1時間スタートを早くしました。是非今度はあなたも参加してください。 


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<あれも聴きたい、これも聴きたい> SP、LP、モノラル、ステレオ、そしてCD
 現在は音楽を聴くというとほとんどCDのことを指す。言葉では「レコードを聴く」ということもあるが、実態はCDをまたはDVDやSACDのことを言っている。従って、今世界で活躍しているギタリストの演奏は、ほとんどと言ってよいほどCDやDVDで聴くことになる。しかし若いギタリストなら当然であるが、セゴヴィアや最近ではリョベートやレヒーノ・サインス・デ・ラマーサ、マリア・ルイサ。アニードといった古き時代のギタリストの演奏すら、今ではCDで聴くことが当然のことのように感じておられるのではないだろうか。

 しかし、リョベートやデ・ラ・マーサ、セゴヴィアの全盛期などは、CDの前のレコード(LP-ロング・プレイ)のそのまた前、SP(78回転)の時代であった。もちろんステレオなんぞは存在せずモノラルで、オーディオと言ってもスピーカーは1つであった。当時最高峰のスピーカーといえば、英国タンノイ社の「オートグラフ」というもので、巨大で、しかも部屋のコーナーにセッティングすべく、背面が90度で尖った形をしていた。そのようにして、モノラル1本のスピーカーで、なんとか演奏会場や劇場、映画館といった大きなホールの響きを部屋で再現しようとしていた時代であった。
以前そのオートグラフの完全復刻版が製品化されたことがあって、価格を見たら、1本500万円を越していた。当然現在ではそれをステレオで使用するわけであるから、2本だと何と1000万円を越すことになる。そんなスピーカーを誰が購入するんだろうとやっかみ半分で考えてしまうが、売り出すところを見ればやはりどこかに購入する人もいるのであろう。

私の若い頃は、まさかそのSPの時代ではなく、既にLPの時代にはなっていたが、それでもなんと現在も現役で、しかも世界のトップで衰えをまったく知らず活躍中のイギリスのジョン・ウィリアムスのデビューレコードは、彼が17歳の時に録音したもので、2枚同時に発売されたモノラルレコードであった。
今はCDにもなっており、手にいれることは可能なのでぜひ皆さんも聴いてみていただきたいが、驚くほど現在のジョン・ウィアリアムスの演奏と変わらず、既に大家の風格を備えており、入っている音も充分鑑賞に堪えられるものだ。技術的にはその時既に完成の域に達しており、ミスをすることなど想像すらできないほど完璧な演奏をしている。
ジョン・ウィリアムスがそうであるから尚更であるが、ジュリアン・ブリームなんぞは、当然モノラル録音のLPであった。しかも彼の場合、その後と随分印象が違って、非常に真面目で真摯な演奏をしてはいるが、ちょっと面白味に欠けるというか、悪い言い方をしてしまうと、聴く人によっては「凡庸な演奏」とも聞こえかねないような演奏とも言える。(しかし、その時のブリームの演奏をこよなく愛して止まない人も沢山いて、あまり変なことを言うと闇夜が危なくなってしまうので、この辺で止めるが)

世の中がステレオの時代となり、ブリームが来日をしたころ発売されたレコードを持っているが、まだその後のブリームの演奏とは大きく隔たっており、どちらかというと、まだ「まじめーな演奏」という印象が強い。
いずれにしても、このようにジョンやブリームにしても、初期はまだLPレコードの時代で、しかもモノラルだったのだ。
それではそれからずーと時代は下って、我らが日本の現役も現役、バリバリに活躍中の福田進一さんなんかはどうかというと、彼の録音も当時はLPレコードであり、少なくともLPと当時出始めたCDとの併売であった。
私はその福田進一さんの「祈祷と踊り」と題した、大変若いころのLPを持っているが、それを見てみると、録音は1985年9月とある。グラナドスの詩的ワルツ集やらテデスコのソナタなど大曲ばかりのレコードで、私はこのレコードを聴いた時に、初めて外人ギタリストでなくともしっかりした音楽が聴ける時代が来たと、いたく感動した覚えがある。

勿論、福田さんの場合、その前に出されている録音も、レコードではなくCDで持っているので、もうその頃はLPとCDが大概は併売されていたんだと思うが、それにして1985年といえば20年そこそこ前のことだ。そう考えると当然ジョンやブリームの初期はモノラルであろうし、セゴヴィアも後期はステレオLPだが、初期のころはほとんどモノラルであり、しかもSPの時代であったのだ。

かくのごとく私達は、芸術家が貴重な仕事の足跡を残す「記録-レコード」という意味で、音楽史上まれに見る大変革の時代をリアルタイムで経験していることになる。
そういった古い時代の天才ギタリスト達の貴重な演奏記録が、最近のデジタル技術によって大変きれいにノイズが除かれ、とても良い音で現代のオーディオセットで聴けるようになってきている。
私も、昔何度も聴いたそういったレコードがCDで復刻されたり、知らなかった音源を見つけてくれてCDにしてくれたりして、どんどんと新しい技術の恩恵に浴しているが、そんなものを聴くにつけ、そんなに長い年月ではないんだと、最近は感慨を深くしている。

内生蔵 幹(うちうぞう みき)


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休みはあっと言う間に終わってしまいますね。
皆さんの中には、20日までお休みの方も多いと思いますが、どんな夏休みを過してますか?
私は14日(月)から今日18日(金)まで5日間お休みをいただきましたが、ホントあっと言う間でした。

14日は家内の実家の墓参りで岐阜、15日は中学校の同窓会で四日市、16日は私の実家の墓参り(四日市)、そして昨日はお店と3階のサロンのワックス掛けと4日間があっと言う間に過ぎてしまいました。今日はのんびり出来ましたが、それでもワックス掛けの為に2階に上げた店のギター、ストゥール、イス、スピーカーや3階から2階に下ろしたイスをまた元に戻してこの5日間の予定全てが終了。

しかし、中学校の同窓会は懐かしかったですね。今までに2回ほどあったらしいのですが、私がメキシコやアルゼンチンに駐在していたため行方知れずになっていたため案内も来なかったので、私にとっては41年ぶりの同窓会でした。すっかり変わっている者もいれば当時のまま老けた者もいれば様々ですが、中には5人もの孫を持つ者が二人もいてビックリ。全部で8組のクラスで340名の同窓生の内、70名が集まりました。中には既に死亡している人が13人もいてこちらも驚きました。一人はとても仲が良かった人なんです。

暫く前に幹事から電話があり、『山ヤン、(当時私はそう呼ばれていました)ギター弾いて!』と頼まれ、慌てて1週間前から毎日30分練習をしました。何せ普段は全く練習はしていませんから、人前で弾ける曲がないのです。しかもクラシック曲より皆が知っている曲の方が良いだろうと、急遽選んだのが、サマータイム、いつか王子様が、見上げてご覧夜の星を、そしてWill you dance?。
そして場所がホテルの宴会場で70名の大宴会ですから、生音では聴こえません。そこでエレアコとアンプを持って行くことにしました。とは言え、車で行くとお酒が飲めませんので電車で行かなくてはなりません。丁度大阪のギタリスト・古川忠義のオリジナルピックアップ・システム搭載のエレアコがあったのでそれを弾く事にして、アンプはローランドの店に試奏用で置いてあるモニターアンプをキャスターバッグに入れて行きました。このギターは生音を上手くピックアップしてくれるんです。もちろんイクリプスで生ギターを再生する場合には負けますが・・・。それでもこのセットだと大変持ち運びに簡単なため、古川さんもライブの仕事でよく使っています。
そうしたら、同級生でボサ・ノヴァのユニットを組んで時々ライブをしている人がこのギターを気に入ってくれてその場で買ってくれました。それ程にこのギターは素晴らしいと言う事ですね。何せあの渡辺香津美さんもこのピックアップ・システムを使ってるくらいですから・・・。

さあ、明日から通常通りに仕事です。先ず明日は『ギターを愛する仲間による自主コンサート』が14:30からあります。入場無料ですので皆さんもお出でください。サラリーマン3人による自主コンサートです。
明後日の日曜日は『ワンコイン・コンサート』15:00開演です。こちらは500円。飲み物とお菓子付です。是非こちらも夏休み最後の日にギターで楽しんでください。二つとも詳細はHPでご覧になれます。

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<あれも聴きたい、これも聴きたい> ブリームさんのレコード2枚目

 いかにも古めかしいジャケット写真でしょ。しかも30cmLP。
当然若き日の現役バリバリ、まさにこれからの活躍が目覚しいジュリアン・ブリーム30代の名演奏を収めたレコードでござりまする。
おいちゃんもこのレコードを何回聴いたやろか。おかげで今改めて聴き返してみると、このレコードの中でも一番よく聴いた曲なんか、強音のところに来ると、案の定音が割れてしまっておる。よっぽど擦り減ったレコード針で強引にかけまくってたんやろなあ。
その一番よくかけた曲というのは、B面のトップに入っているレノックス・バークレイ作曲の「小奏鳴曲 作品51」。
ここで皆さん、「あれっ?」と思いませんか?その「小奏鳴曲」ってなんや?
何か昔、学校の音楽の授業で習ったような習わなかったような。今では何だか押入れの中の埃っぽい臭いのするような名前だがや。「昭和」の臭いがするなあ。
ソナタのことを奏鳴曲と言ったんだっけなあ。だったら「小」が付いとるから小ソナタ?いや、ソナチネっちゅうんじゃねえか?
何も日本語に訳しようがねえもんまで、無理やり訳さんでもええと思うけども。「奏でて鳴く曲」あるいは「鳴いて奏でる曲」たあどういうこっちゃ。何でこんな訳がついたのか知っとる人がおったら教えてもらいてえもんだ。
これに比べりゃあ、ノクターンの夜想曲、ワルツの円舞曲なんざぁ、結構訳としちゃぁいけとる方だわね。

ともかく、ブリームさんの快演を収めたこのレコード。内容を順に挙げると、まずフレスコバルディのアリア「ラ・フレスコバルダ」。要するに「アリアと変奏」。次に続くはマテオ・アルベニス作曲の「奏鳴曲」、ドメニコ・スカルラッティの「奏鳴曲」2曲。そしてドメニコ・チマローザのやはり「奏鳴曲」2曲。ここまでがA面。17世紀のバロックから始まって18世紀までの曲ばかり計6曲。
次にB面はというと、先ほど言ったレノックス・バークレイの「小奏鳴曲」、2曲目はご存知ロドリーゴ作曲、イエペスに献呈された「小麦畑で」。そしてブリーム自ら編曲したモーリス・ラベルの「死せる王女のためのパバーヌ」。最後はアルベール・ルーセルが作曲しセゴヴィアに献呈したという、その名も「セゴヴィア」以上4曲。
A面と違ってまったくの20世紀の音楽ばっかし。
そこでよーくこのレコードを見てみるとわかるように19世紀の音楽がそっくり抜けておる。A面のチマローザは1831年まで生きているから19世紀に入っているって言やぁそうだけんど、生まれが1755年(頃)なので、どっちか言えば18世紀の作曲家だんべ。そしてB面のルーセルが1869年の生まれだども、こりゃあどっちか言やぁ20世紀初頭の作曲家という認識が強い。第一曲を献呈されたセゴヴィアの活躍は大半が20世紀だわ。
従って音楽の様式から言えば、このブリームさんのレコードには、古典派とロマン派の音楽がそっくり抜け落ちてしまっておる。しかもレコードのタイトルは「ジュリアン・ブリームの芸術」とあるのにもかかわらず。
ブリームさんは古典やロマンにゃぁ興味がなかったんかぁ?と思いたくなるような選挙区、いや選曲のレコードっちゅうことになるわ。

普通、音楽の世界で古典とロマンを除いちまったら、ぜんざいから御餅を抜いたというか、ひょっとしたらお汁粉から小豆を抜いたのに匹敵するくらいのおおごとになっちまわへんか?(そんなことねえか)
とにかくモーツァルトもベートーベンもブラームスもシューベルトもシューマンもショパンもベルリオーズもなーんにもねえことになっちまう。そんなことになったらおめえ、困っちまうべな。

でもこのブリームさんのレコード、演奏はもの凄く良くて、ほとんど非の打ちどころがねえっちゅうか、決まり過ぎぐらい決まり過ぎとるっちゅうか。とにかくものすごぉかっこえがった。
おいちゃんたちゃぁ全ての曲をお手本にしたし、このレコードでバークレイという作曲家を知り、ルーセルがギター曲を書いたのを教えられ、ロドリーゴにも「ギター独奏曲があるんだわん」ということを知ったのでござりました。
今日全部聴き返してみたけども、やはり非の打ちどころがないことには変わりがなく、颯爽とした若きブリームさんがそこにはおりました。ブリームさんのそれからの活躍をうかがわせるひらめきがあったんだわなあ。
それまでのセゴヴィアを筆頭とするギタリスト達が示してきたものとはまったく異なる20世紀のギター音楽の在り方を、抜群のテクニックと感性で指し示しておったのでおじゃりまする。
おいちゃんたち当時の若きゃあモンはこれを目指しちまったんだわなぁ。
おかげでずーと後になって、同じブリームさんがジュリアーニのロッシニアーヌとソルの長大なソナタを入れたレコードを出すまで、ほとんどだーれも古典とロマン派のギター曲は弾かんかったなぁ。せいぜいソルの魔笛、タレガのアルハンブラくれぇじゃねえかぁ?
アグアドもコストもメルツもレニアーニもほとんど聴いたことがなかった。
当時はみんな揃って、ちょっとブリームさんにかぶれとったんかもしれんなあ。
ジョン・ウィリアムスなんか、いまだにコストやメルツなんて聴いたことねえずら。
ジョンの弾くコストの「練習曲集」や「秋の木の葉」、メルツの「吟遊詩人の調べ」なんぞ、結構ええと思うけどなぁ。

内生蔵 幹(うちうぞう みき)


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