2009年7月のブログ記事一覧-ミューズの日記
ミューズ音楽館からの発信情報  ミューズのHP  http://www.muse-ongakukan.com/

 



<あれも聴きたい、これも聴きたい> R・サヴィーノさんは山本屋?!

 音楽に限ったことではないが、思いがけなく良い物が手に入ったりなんかすると、ちょっと得をしたような気分になり、どうしても誰かに教えたくなるかと思えば、反面自分だけの秘密としてそっと内緒にしておきたくもなるものだ。とにかくしばらくの間は一人幸せな気分に浸ることができる。先日も1枚のCDが届いたのだが、とてもよい演奏だったので、気をよくして何度も聴きかえすこととなった。大方のCDは1回聴けば「ああ、こんなものか」と納得し、あとは繰り返し聴くことなどということはめったにあることではないので、ちょっと珍しいことと言えるだろう。
今回手に入ったCDはジュリアーニの協奏曲 作品30とボッケリーニのギターを含む管弦楽の入った1枚。どちらの曲も大変しっかりとした演奏で、久しぶりに満足感を味わうことができるものであった。演奏はリカルド・サヴィーノというギタリスト(兼リューティスト)で、当世流行の19世紀ギターを使用している。(この音がもう少し明瞭に録音されておれば、さらにいうことないのだが)
ジュリアーニの方は1楽章から3楽章まで、私にとっては最もしっくりくる速さで演奏されているので、納得しながら聴き通すことができる。この曲もご存知のように多くのギタリストによって録音されているのだが、全楽章を通じてふさわしいと感じるスピードというかリズムで弾いてくれる演奏にはなかなかお目にかかれない。もちろんそれはどんな音楽の演奏にでもいえることだが、この曲も1楽章が少し遅めでもっと溌剌と演奏して欲しいと思えたり、反対に速過ぎて少しせせこましいのではないかと感じられたり、3楽章などももたもたしてリズムに乗れずイライラさせられたりして、なかなか満足できるものがない。しかし今回手に入ったサヴィーノが弾くこの曲は、どの楽章をとっても大変適切と思えるリズム感で終始演奏してくれている。もちろん人それぞれ好き嫌いといった好みもあるし、その曲の作曲者の意図した速度というものもあるので一概にはいえないが、やはり音楽には多くの人が納得し易い「ほどよい速さやリズム」といったようなものがあるように思う。たとえばいきなりで申し訳ないが、沢庵や蒲鉾には適切な「厚み」というものがあり、なにがなんでも厚ければよいというものではないであろう。開けた口に入らないほどぶ厚くても困るし、反対にあまり薄すぎて向こうが透けて見える様では、蕎麦屋の親父と喧嘩しなくてはならなくなって、ちょっと物騒なことになりかねない。それらにはみな、口に入れたとき多くの人が「これっ!」と思えるような適切な厚みというものがあるものなのだ。また麺類は「こし」の強さが肝心なのだが、かといって硬ければ硬いほどよいというものではない。麺の種類によってそれぞれ適切な歯ごたえというものがあるものである。名古屋の「きしめん」などはあまり硬くて「こし」がありすぎるとちょっと困る。そんなものを出したら、おそらく名古屋のおばちゃんなんかからは「こんなもんきしめんやないがね!」といわれてしまうことであろう。きしめんは「こし」のないあのベロベロ感が大切なのだ。(異論がある人は少しの間あっちへ行っててね)
反対に味噌煮込みうどんなどは(なんで名古屋の麺ばかり出てくるのかといったご不満はあろうかと思いまするが、ここは少しご勘弁を願いたい)ご存知のように大変「こし」のある麺として全国的に有名だが、この味噌煮込みうどんが「きしめん」のようにベロベロだったりしたら、またまた名古屋のおばちゃん連中から「こんなもん味噌煮込みうどんやにゃあ!」といわれて、二度とその店には来てはもらえなくなってしまう。もっとも味噌煮込みうどんの場合、あれを通常の評価基準としての「こし」といってしまってよいものかどうか、ちょっと普通のうどんに対して申し訳がないような気がしないでもない。
「たとえがなんだかおかしくない?」という人がおられるかもしれないが、そんなことはおかまいなしに、ものにはそれぞれ「おのずから」というか「暗黙のうちに」といったらよいのか、とにかく収まるべくして収まる「ある範囲」というものがあるものだ。ただ音楽のような芸術の場合、作曲されてから長い年月が経ってくると、時代も変わり人々が感じる「適切な速度、適切な表現」というものも変化してきているということもあるかもしれない。きっと昔に比べれば何もかもが早くなり、当時演奏されていた速度よりも随分速く弾かないとしっくりこないという人が多くなっているというようなこともあるようだ。
また当然聴く人の年齢といったものも無視はできない。道路を走っている自動車の実際の速度と、その道路を渡ろうとしているばあちゃんが感じている自動車の速さとには随分な隔たりがあって、タイミングがつかめずにオロオロしているところはよく見かける。また年寄は(私のこと)テレビタレントが何かギャグを言っても、それの何が面白いのか一生懸命考えているうちに場面が変わり、いちいちかみさんに「何が面白かったの?」と訊かなくてはならないようになってくる。(そうなるとかみさんは若いに限るなあ)それくらい年齢によって時間軸の進み方に違いが起ってくるものなのだ。高齢者の時間軸は遅く、実際の時間の方が早く過ぎ去っていく。だから人間歳を取れば取るほど一日が早く過ぎてしまうように感じるようになる。しかし中には「いや、昔は意外ともっと早く弾いていた!」という人もいて、ベートーベンの交響曲をものすごいスピードで颯爽と弾きまくった演奏を聴いたことがある。となると何が嘘で何が本当なのか、何が間違いで何が正しいのか、厄介な問題をかかえこまなくてはいけないことになり、またまた音楽が「嘘・ほんと、間違い・正しい」という観点で演奏しなければいけないのかといったような気もしてきたりなんかして、なんだかわけがわからなくなり「ええい!みんな好きに弾いたらええやんか!」というお方が出てこられてもおかしくはない。そういう私なんかもどちらかというと「好きにやったらええんでない?!」という派に近いというか遠くないというか・・・・。とにかくあいつはちょっとおかしいのではないかと思われたくないので、あまり過激なことは言わないことにするが、ともかく蒲鉾にはちょうど良い厚みというものがあるということは、この際断固として言っておきたい!
では蒲鉾の厚みに対する「好み」といったようなものが、時代によって変化していないのかといった問題となると、私はこれ以上関与したくないので、その道の専門家の手に委ねたいと思う(どんな専門家じゃ)。今回取り上げたCDに入っているもう一つの曲、ボッケリーニのギターを含むシンフォニアもなかなかの力演で、この他2種類ほど持っている演奏(LP)と比較してもギター、オーケストラ共に生き生きとしており、「麺のコシ」だけでなくよく出汁(ダシ)も効いて、味わい深いものになっている。その意味ではR.サヴィーノさんの演奏、充分山本屋の「味噌煮込みうどん」に対抗できるくらいのレベルに達しているのではなかろうかと思っている。(内生蔵)


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




大曽根七夕祭りも今年で50回目とのこと。結構歴史があるんですね。知りませんでした(^◇^;)
今日は、ミューズ音楽館提供ということで、わたし佐々木と宮下文夫さんのギターデュオで、午後5時からと6時から40分ずつ、オズモール商店街の西特設ステージで、映画音楽、ポップス、演歌、クラシック、ボサノバなど10曲ほど弾いてきました。
去年のホント暑かった午後3時からのステージと違い(翌日熱出ました。。)、今年は夕方5時からスタートというので少し安心していたのですが・・今日もなかなかの蒸し暑さ(;^_^A 汗で指板が滑らないし頭はボーッ。一転2回目の6時からは涼しい風が吹いて演奏が楽になりホッとしました。それにしても、気温、湿度、風、騒音など、普段の涼しい静かな室内での演奏と違って、野外での演奏はなかなか過酷な環境です。それでも、こういった場で弾くことで、普段ギターと縁のない方に聴いてもらえるのはやはり嬉しいものです。興味のある人はずっと立ち止まって聴いてくれていましたし、一瞬でも、ギターやってみようかな と思ってもらえればいいなと。もちろん、興味のない方はすーっと素通りして行きましたけど(^◇^;)  

7/26(日)18:00にはフラメンコショー(池田浩先生&その仲間達)があります。ダンサーも大勢来るそうです。こちらもぜひ(^-^)v 

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




昨日は若手トップランナーの松尾俊介さんのコンサートでした。
2007年6月に初めてミューズサロンで演奏して貰ってから丁度2年。昨年11月にセカンドアルバム『ヴァリエ4、ポンセ作品集』を出し、その素晴らしい演奏でレコード芸術の特選盤にも選ばれたいましたので、私も今回の演奏会はとても楽しみにしていました。

彼には着実にファンも増えており、昨日も大阪や横浜からも聴きに来ていただいていました。用意したCDも完売してしまいました。彼の素晴らしい演奏を聴けばCDも欲しくなるのは至極当然の事ですね。まだ聴いたことのない人は是非こう言う若手アーティストをもっともっと聴いて下さい。今年に入ってから益田正洋さん、松田弦さん、そして今回松尾俊介さんと若手実力者に演奏して頂いていますが、どうも一般的にはまだ彼らの認知度が低いと言うか、聴きたいと思う人が少ないように思います。技量もあり、音楽的にも見事な演奏をする新しい演奏家がどんどん増えていますので、是非彼らの演奏も聴いて頂きたいと思います。

第1部は松尾さんが弾きたいと思う曲で構成して頂き、第2部はCD『ポンセ作品集』から抜粋して頂きました。1曲目のバッハのプレリュードは若干の固さ、ミスがありましたが、フーガあたりから安定した演奏を披露してくださいました。バッハ、ブローウェル、バリオスと全く違った雰囲気の曲ですが、それぞれをそれらしく、かっこ良く、気持ちの良い演奏でした。
打上げではファンの若いお嬢ちゃん達に挟まれてデレデレの松尾さんでしたが・・・。(写真右)(以上、山下)

後半、3曲聴かせてもらいました。
ポンセの「イ短調組曲」では、綺麗なコード進行を丁寧に歌い上げていらして、すんなり身体に入ってくる音が、心地よく感じられました。
お人柄なんでしょうね、MCは真面目で、写真のまんまの好青年と言う印象でした。
サイン会も表まで並びましたね。ミューズ用のCDにもサインをしていってくださいました。(関谷でした。)

<プログラム>
・ヨハン・セバスティアン・バッハ 「リュート組曲第2番 ハ短調 BWV.997」
  -前奏曲 Prelude
  -フーガ Fugue
  -サラバンド Sarabande
  -ジーグ Gigue
  -ドゥーブル Double
・レオ・ブローウェル 「HIKA~武満徹の思い出に」
「祭のあるキューバの風景」
・アグスティン・バリオス・マンゴレ 「大聖堂」l
  -前奏曲 Preludio
  -宗教的なアンダンテ Andante religioso
  -荘厳なアレグロ Allegro solemne
・マヌエル・マリア・ポンセ 「イ短調組曲」
  -前奏曲 Prelude
  -アルマンド Allemande
  -サラバンド Sarabande
  -ガヴォット Gavotte
  -ジーグ Gigue
・マヌエル・マリア・ポンセ 「3つのメキシコ民謡」
  -小鳥売りの娘 La Pajarera
  -わが心よ、君ゆえに Por ti mi corazon
  -ラ・バレンティーナ La Valentina
・マヌエル・マリア・ポンセ 「スケルツィーノ・メヒカーノ」
・マヌエル・マリア・ポンセ 「南のソナチネ(原典自筆譜による)」
  -全3楽章





コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )