2006年6月のブログ記事一覧-ミューズの日記
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<あれも聴きたい、これも聴きたい> ギャラリーコンサート in 徳島

 どおしてこういうことになっちまっただか、徳島ギター協会の田中さんから電話。用件の最後に、「今度の10日に、ギター協会のコンサートがあって出るんだけど・・・・。」とのたまった。今度の10日(土)って言ったって、電話があったのはその土曜日の1週間も前じゃない。「そんなに急に言われたって、土曜日はいそがし・・・」と思ったけど、忙しくはねえんだなあこれが。
 なんでも徳島ギター協会の企画で、有志が10数名、徳島にある「ミキ」という喫茶店でコンサートをやるらしい。訊いてみると、すでに30回をむかえるとのこと。会長の川竹さんや、例の今年の春アランフェスをやった徳永君も出るそうな。
 そこで私のPA(SR)システムを購入してくれた田中さんが、そのシステムを協会のために用意して、みんなで使用するそうな。

 しかし、それにしても最近なんだか妙に徳島が気に入っちまって、行きたくてウズウズしてくるのはなしてだべ?とは思ったが、よっく考えてみると、今年1月の徳島ギターフェスティバル以来のお付き合いである会長の川竹さんはじめ、徳島ギター協会の皆さんがなんとなく懐かしくなって、それでどうも内心「ウズウズ」しとるみてえだ。 それにお声を掛けてくれた田中さんっちゅう人の飼っている2匹の真っ黒けの「わんこ」も「待っとります」とのお言葉。
 そういえば、以前田中邸に泊めていただいた時も、私のひざの上がやたらに気に入ったらしく、起きている間中ずーとひざに乗っかっておった。
 田中さんは、そんな「わんこ」を「接待犬」と言っておったが、あのかわいい「わんこ」も待っておると言われちゃあ、お父さんが行きつけのスナックのみよちゃんから「パパ来て ♥」っちゅうて電話をもらっちまったようなもんで、行かずばなるめえ。

 てな訳で、2日前に電話して「行くぅ」っちゅうて、かみさん同伴で行ってきた。高速で明石まで、それから明石海峡大橋渡って淡路島。淡路島を抜けたら今度は鳴門大橋。以前ミューズの山下のおっちゃんと一緒に車で行ったのと同じコースだが、まあほんとにええとこやね。海あり、山あり、河あり。特に海峡を渡る二つの大橋の上から見渡す海は、「絶景かな絶景かなー」っちゅうくれえのもんだ。
 会場である「喫茶ミキ」へ田中さんと一緒に行ってみると、なんと喫茶店でコンサートが出来るなんてもんではなくて、小コンサートホールの中で、無理やり喫茶店をやっとるようなもんでありました。一番奥に立派なステージがあり、天井は本物のホールみたいに、ステージから離れるに従って高くなっていくっちゅうような本格的な造りやんか。

コンサートは7時開演。
ギター演奏としては徳島ギター協会の会員16名が出演。
その他に、マティエカのノットゥルノを演奏する時に参加されたフルートとヴィオラの方が2名が加わり、総勢18名。
そりゃあ趣味って言っちまったらそうかもしんねえが、なんちっても人前で弾くっちゅうことになると、こりゃあ会員の方々も励みになるわなあ。
このような演奏の場を、年に何回となく企画実行されている川竹会長はじめ、皆さんの行動力には心底頭が下がりっぱなし。しかも川竹会長自らが現役で演奏します。えれえもんだなやぁ。おかげで平岡さんと言う方の演奏で、先ほど言ったマティエカのノットゥルノを実演で初めて聴くこともできた。長生きゃするもんだ、ありがてえありがてえ。

以下に演奏者と演奏曲目をご紹介。
三木江里加(作者不詳:リュートのための4つの小品)、瀬部成穂(タレガ:マリエッタ)、平井和人(ヘンデル:オンブラ・マイ・フ)、森剛志(ヴィラ=ロボス:前奏曲第1番)、石井量師(オ・ソクジュン、ユ・ヘジュン:最初から今まで)、上野麻衣(アルベニス:マジョルカ)、谷口博則(アーレン:オーバーザレインボウ、レノン&マッカートニー:イエスタデイ)浅田省吾(ポンセ:前奏曲ホ長調、ヴィラ=ロボス:練習曲第8番)川竹道夫(トローバ:オリベラスとアルバーダ)、平岡範彦(マティエカ:ノットゥルノ)、田中章弘(グレン・ミラー:ムーンライト・セレナード、ケン・レーン:エヴリバディ ラブ サンバディ サムタイム)、立道浩史(レノン&マッカートニー:イエスタデイ、バディ アンド ソウル)、鈴江彰(ファルーカ)、近藤慎也(ソル:第2幻想曲よりラルゴ)、浅田侑子(ソル:メヌエットホ長調、アルベニス:カディス)、徳永真一郎(スカルラッティ:ソナタホ短調、ポンセ:ガボット、ディアンス:サウダージ第3番)以上敬称略

第1部の最後、川竹会長のトローバは、昔セゴヴィアで何度も聴いて憧れた曲だけんど、さすが生きいきとしてシャープな演奏。なつかしかぁ!
田中さんのジャズ弾き語りは、なんとも言えんええムードを醸し出しとる。
(近々CDが発売されるのでぜひ聴いてみて欲しいが、ギター伴奏が全て自らの編曲だそうな。こりゃあ楽譜として出版すりゃあ、結構欲しがる人が出てきそう)
将来を嘱望されておるっちゅう今年高校1年の浅田侑子さん、あの難曲カディスがなかなかのもんやったねえ。そして最後の徳永君、ポンセのガボットが今夜の白眉でした。
なにしろ総勢18名の出演とて、かなりの長丁場でしたが、皆さんの晴れ姿、しっかりと拝見させていただきやした。
今度は次回に向けて頑張るンやろなあ。ええなあ。
その夜、打ち上げには参加せず失礼して、まっすぐ田中邸へ向かい「接待犬」に接待してもらいました。
そうそう、製作家の井内さん、ゆっくりお話できませんでしたね。この次はいろいろお話、聞かせてください。
その日はそのまま田中邸にお泊りし、翌日山ン中にある名物「たらいうどん」をたらふくご馳走になっちまって、帰ってきました。
そのうどんのうめえことうめえこと。役得、役得。
やっぱり徳島はええなあ!

内生蔵 幹(うちうぞう みき)

因みに写真左が田中さん、右が川竹先生(山下補足)


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こんにちは、渡辺なつ実です。

今日は朝から特に暑いですね。

今、私は8月に演奏予定の声楽曲を書いています。
6月一杯で締切りなのに、まだ書いています。
作曲は、夜の静かな時間でないと私は出来ません。それで、夜中に歌を歌いながらピアノを弾いて曲を作っています。ピアノ自体はサイレントにして音が出ないようにしているので大丈夫なのですが、歌っている声は聞こえていると思うので、隣の人や上の階の人は夜中に聞こえてくる不気味な歌に、さぞかし怯えていることでしょう。

何故いつも締切りが近くなってからあわてだすのだろうとよく思います。締切りまでまだ時間があると思うと、まずピアノの前に座る前にピアノの前に座らないための色々な理由(コーヒーを飲んで気分をすっきりさせてからとか、お菓子を食べておなかをこしらえてからとか)を考えます。それで、最初に作曲を始めようと思い立ったときからかれこれ2時間は過ぎています。そんな状態の1ヶ月前の自分に渇を入れたいですが、たぶんぎりぎりにならないと曲を書くエネルギーが出てこないのでしょう。その証拠に、やっと今になって曲を書くのが楽しくなって気分が乗ってきた状態です。

こうしてブログに書いていると、ちょっと焦りの気持ちが出てきました。よし、今夜は徹夜覚悟で作曲に臨みます。

がんばります。1週間後には余裕の笑顔でいられるように。










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<あれも聴きたい、これも聴きたい>大阪良いとこ一度はおいで、信号道路のアクセント
 以前にも述べさせていただきました通り、現在私は大阪に住んでおります。
昔は名古屋の北区に住んでおりましたが、24年ほど前、仕事の都合で大阪にぶっ飛んでまいりました。
 大阪と名古屋の違いで、食べ物に関しましては、以前僅かではございますが、「東西中、甘辛薄濃事情」と題してお話し申し上げたことがございましたが、まだまだ違いはございまして、今回は、いかに大阪が名古屋に比べたら良いところかということをお話したいと存じます。
え?なに?名古屋の方がええってか?まあまあ、まずはそのままお聞きくださいまし。

 第一に大阪の良いところは、まず道路を歩く時、信号を守る必要がございません。
全ての民衆は自由なんでございます。
信号の赤だの青だのは、道路のちょっとしたアクセントみたいなものでございます。
 その証拠に、いくらこちらの信号が赤であっても、気にしながら渡っている人なんぞ、大阪には一人もおりません。
いつでも自由に道路を横断していただいて良いのでございます。
 こちらが道路を横断しているということは、走ってくる自動車がちゃんと注意をしてくれておりますので、歩行者はまったく自動車を気にする必要がないのでございます。
 ですから、大阪のお年寄りなんぞは、信号というものの存在を、まったくご存じないか、あるいは知っておりましても何に使うものなのかご存知ないのでございます。
 ですから今まで長生きができたのでございますよ。
そういう意味では、大阪はまったく人をちゃんと大人として認めてくれております。
名古屋のように、右を見ても左を見ても、なーんにも来ないのが分かっていても、とにかく赤は止まりなさいなんて、人を子供扱いいたしません。
そして、大阪では、自動車を運転している時、ついうっかり信号が赤に変わった瞬間に交差点に突っ込んでしまったとしても大丈夫、全然心配いりません。
まだまだ後から3台でも4台でも自動車がついてまいります。
むしろ赤信号で止まったりなんかしようものなら「なんで止まるんじゃい!」とおしかりをうけることになるのでございます。
ですから、最初に赤で信号に突っ込んでいった貴方は、勇敢な優良ドライバーで表彰されますですよ。

第二に大阪の道路はどこでも自由に自動車を留めておけます。
とにかくスペースが空いていればどこだってかまいません。
なにせ、大阪の町を走っている自動車を、全て留めておける有料駐車場など、とてもありませんので、どんどん道路の有効利用を図っておるような次第です。
たとえば3車線あったとしますと、まず一番左の車線は自由に自動車を留めておいてもかまわない車線ということになっております。
それどころか、空いておれば一番右の車線、そう、中央分離帯の横も駐車いただいて結構なんですよ。とにかく空いてるんですから。
もちろん交差点の角なんかもOKでございます。
大阪は決して空いたスペースを無駄にはいたしません。
とにかく大阪はとても面積が狭もうございますので、どんどんご利用になったら良いことになっております。
いえいえ、駐車料金なんて、誰も取り立てになんか来やしません。
それどころか、誰か自動車を盗んでいく悪いやつがいないかどうか、ちゃんと警察が見張っていてくれますから、安心してお留めいただいて結構なんですよ。
ながーく留めておいた場合も、ちゃんと警察の方で、指定の駐車場に保管しておいてくれますので、皆さんは何の心配もございません。

第三に、大阪は契約した駐車場は、どなたが使ってもOKということになっております。
日曜日なんかに会社の駐車場に留めようと思っても、知らぬ間にどなたか別の方がお使いになっておられます。
そんな時も、どなたなんかなあ?と考える必要は無いのでございます。
こちらも空いてるところに留めればすむことでございますから、簡単でございましょ?
前にも申し上げました通り、大阪はとても面積が狭もうございますので、とにかく土地の有効利用に市民全員が一致団結しているという、とても良い土地柄なんでございます。
それに大阪の方はとても親切で、他人に対してもとても気遣いが細こうございます。
先日など、仕事の同僚が、帰りにそのまま自動車で帰宅して駐車場に留めておりましたところ、夜中にお客様からお預かりしたパソコンやその他諸々を、そっくり持って行ってくれたそうです。なかなかできることではございませんよ。
わざわざ古いパソコンなんかを、持ち主の替わりに廃品として回収してくれたのですから。
それも、顔を見られたら恥ずかしいと思われたのか、明け方少し前にそっと持って行ってくれたそうです。なんともおくゆかしいお話ではございませんか。
窓ガラスを割っていただいたようなんですが、ちょっと言っていただければ、こちらでドアを開けて差し上げたのにと、同僚も申しておりました。
こんなところにも大阪の人のおくゆかしさがのぞいているようでございます。
よほど遠慮深いか恥ずかしがりやさんなんでございましょうねえ。
廃品として捨てるのにも今どきただじゃあございませんよ。
きっと代わりに料金を払っていただけたんだろうと、社員一同、心から感謝申し上げている次第でございます。

ちょっと話題は変わりますが、大阪の良いところはまだまだございます。
テレビなんかでも紹介されたので皆さんよくご存知と思いますが、大阪は市役所に勤めますと、なんと制服として無条件で背広が支給されるそうでございます。
これから市民のために粉骨砕身働くわけですから、背広なんか安いもんでございます。
出張だって自由です。
なにしろ大阪は、職員を立派な大人として認めておりますから、本当に出張に行ったのかどうかなんて、誰も気にするものはおりません。
「いついつ、どこどこへ行く」と言いさえすればどれだけでもお金がもらえるのでございます。
空出張をしていただいてまで、そのお金を貯めておいて、皆の親睦をはかるための宴会などに有効利用するとのことでございました、ハイ。
なんて温かい心根の方ばかりなんでございましょうか。
警察だっておんなじです。
警察の方々が心血を注いで、裏でお金を貯めておられたそうでございます。どんなお金なんでございましょうねえ。
まさかスピード違反を捕まえた時に集めたお金じゃあございませんでしょうから、きっと皆さんご苦労されてお貯めになったんだとご推察申し上げておりますです、ハイ。
それだって、いつかきっと市民のために役立てようとして、内緒でやってこられたんだと思うと、涙がでるほどありがたいと思っておりますです。
ほんとにおくゆかしい、見上げた心がけではございませんか。
まったく警察官の鑑といってもよろしゅうございますねえ。
こんな親切な心温かい警察官などきっと名古屋じゃあ見られないことでございましょう?
え?なに?名古屋もおんなじだって?それはそれは、知らぬこととは言いながら、大変失礼いたしました。
24年の間に、世の中随分変わったもんでございますねえ。

内生蔵 幹(うちうぞう みき)

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先週末もミューズサロンでは2つのコンサートが開かれました。
6月24日(土)下森佳津美(Pf)&竹内永和(Gt)デュオ・コンサート
6月25日(日)フルート&ギター・デュオ・コンサート周藤典子(Fl)&服部修司(Gt)

今月はギター関係のコンサート多かったですね。ミューズだけでも5本(川瀬寛ギターソロ、服部文厚&伊藤兼治、池田浩フラメンコギター+上記二つ)ありました。その他にも荘村清志&福田進一デュオ、岩永善信&酒井康雄デュオとビッグコンサートもありました。全てを聴きましたが、今回つくづく思ったのはギターはソロもいいけど、ギターデュオや他楽器とのデュオ、アンサンブルもいいもんだなと言う事です。そんなこと言うまでもないといわれるかも知れませんが、改めてつくづく感じました。

特に今回は下森さんと竹内さんのピアノとギターのデュエットで私自身を含めて新しい発見をされた方も多かったですね。竹内さん自身も仰っています。『ピアノとギターの生き生きとした対話。 和音楽器同士のアンサンブルは、瞬時にメロディと伴奏の役割を交替できる上に、場合によっては両者のソロが重なり合う局面も創り出す事ができます。』その二つの楽器の為に書かれた多くの編曲ものやオリジナル作品が存在するんですね。古典期には普通知られていない作品が山ほどあるんですね。そして現代の邦人作曲家もいい曲を書いているんですね。

デュオ・シルフィード(下森さんと竹内さんのデュオ名)のファーストアルバム『幻想のパ・ド・ドゥ』には邦人作曲家3人の作品が収められています。
二橋潤一/湿原幻想組曲、悲しい歌
飯田俊明/小組曲「夜に」
佐藤弘和/はかなき幻影、ドリーム・チャイルド
これがまたいい曲なんです。分かりにくい現代曲とは違って日本人の心に沁み入る美しい曲なんです。コンサートでも二橋さんと佐藤さんの曲を演奏されましたが、竹内さんの甘いギターの調べに下森さんの華麗なピアノが生き生きと対話して皆さんが『良かった~!』と感激していました。そのせいか、セカンド・アルバム『妖精のロンド』よりファースト・アルバムの方が沢山売れました。
この様なコンサートがもっと増えると良いですね。

さて、フルートギターは~古典から現代へ~と言うサブタイトルで前半はジュリーアニやコストなどの古典とギターソロ、そして後半は現代のフルート&ギターの作品で珍しい曲を演奏されました。一番私が良かったのは最後の曲、Heinz BenkerのSieben Szenenと言う7つの小品集。初めて聴きましたが現代の曲にありがちな意表をつく難解な曲ではなく洒落た旋律と響きで楽しめました。服部さん曰く、まだCDも出ていないでしょうとの事。流石にアンドレアスギター室内楽研究会を主宰されているだけあって良く知ってますね。

因みに二つのコンサート共に大阪から内生蔵さんがイクリプスのスピーカーを持参で駆けつけてくれました。今回は最高級機種TD712をわざわざ富士通テンから借りて持ってきてくれました。これは最近ジョン・ウィリアムスや村治佳織さんが使っているものです。そして、今回は新しい試みとしてサラウンド録音されている森の中の録音(小鳥の鳴き声やせせらぎなど)を演奏が始まる前に流しながらお客様があたかも森の中にいる様な雰囲気を作ってくれました。きっとお客様は演奏前に心が落ち着いたのではないでしょう。
勿論、演奏はギターの音を少し大きくする事で、ギターリストもまた共演者のピアニスト、フルート奏者も気持ちよく、また聴衆にも非常にバランスよく聞こえていました。内生蔵さん、ありがとうございました。

山下 高博




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先日6月20日(火)に岩永さんと酒井さんのデュオ・リサイタルに行って来ました。場所は熱田文化小劇場。3日前の6月17日には東京のGGサロンで行っていて名古屋は2回目公演。また二人のデュオ・コンサートは2年ぶりだそうです。
二人は約30年前にパリ・エコール・ノルマル音楽院で一緒に学んだ同期の桜で親交は深く息のピッタリあった素晴らしい演奏を披露してくれました。

酒井さんは加納木魂さんの10弦ギターとホセ・ルビオを交互に持ち替えての演奏。流石に器用なもので、普通はなかなかこうはいかない。岩永さんも『なんであんなこと出来るんだろう!』と感心しています。

プログラムは:
―第1部―
1.ファンタジーとフーガ BWV904           J.S.バッハ
2.ロシアの想い出                    F.ソル
3.街の目覚め
  百合の花を手にした娘たちの踊り
  モンタギュー家とキャビュレット家
  ~バレー音楽「ロミオとジュリエット」より   S.プロコフィエフ
―第2部―
 <酒井ソロ>
4.3つの前奏曲
  ~ラテン・アメリカ風前奏曲より         A.カルレバーロ
 <岩永ソロ>
5.エピローグ
  物乞うひと
  スペイン舞曲第6番                E.グラナドス
6.浜辺にいて ~「旅の想い出」より
  カスティーリャ                  I.アルベニス

1.3.6.が10弦ギター2本による二重奏でそれぞれがチェンバロやピアノなどの鍵盤曲からのアレンジ。10弦ギターの持ち味でもある低音を活かして鍵盤以上に立体感、色彩感のある演奏ではなかったかと思います。オーケストラには負けるもののギターは鍵盤楽器より色彩感では勝りますからね。それもあるのか岩永さんはギター以外の曲を10弦ギター用に編曲しては新たなレパートリー開拓に熱心ですね。今回もバッハとプロコフィエフは岩永さんの編曲だそうです。

2部に入ると酒井さんがお話、解説を交えながらの演奏。いつもながらお話がうまいですね。慣れもあるのでしょうが頭脳明晰でないとああは行かないと思いますよ。またホセ・ルビオもいい音してました。

岩永さんも酒井さんも演奏活動は忙しいお二人で、私の知る限り、今回のプログラムが決まったのも結構最近。しかしながら二人の演奏は人を引き込み感動させるもので流石にプロの仕事を見させていただいた感じです。先日の荘村さんと福田さんのデュオも良かったですが、今回も終わってから『あぁ、いい演奏会だった』と思えるコンサートでした。

山下 高博



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