2007年1月のブログ記事一覧-ミューズの日記
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今日は池田浩さんによるギターだけのフラメンココンサートでした。フラメンコと言えば普通は踊りあり、歌あり、時にはパーカッションありですが、今回は純粋なフラメンコギターソロでした。
池田さんは昔はロスのMIのマスターコースでエレキギターを勉強され、ロックギタリストとして活躍していた人ですが、11~12年前にフラメンコギターに出会ってスペインに留学、現在では主にフラメンコギタリストとして、またフラメンコ公演のプロデューサーとして活躍されている方です。ただし、今でも昔のエレキの生徒さんが大阪から、東京から池田さんのレッスンを受けに来られるそうで、ミューズでもエレキコースもお願いする結果になった訳なんですけど・・・。

さて、そんな池田さんのソロコンサートを私も聴きたかったんですが、最初の2曲しか聴けませんでした。今日もお陰様で多くのお客様がお出でいただき忙しかったんです。今日は藤井敬吾先生のレッスン日でもあり、大阪音大の藤井先生の生徒さんが兵庫からギターを買いに来ていただいたり、懐かしい人が訪ねて来てくれたりしました。

第1部最初の2曲はソレアとタランタの形式の伝統的スタイルのフラメンコギターで照明を暗く絞ってフラメンコらしい雰囲気の中で始まりました。プログラムには第1部『伝統的スタイルのフラメンコギター』使用楽器:ドミンゴ・エステソ1920、第2部『コンテンポラリーフラメンコギター』使用楽器:マヌエル・レジェス1977と記されています。そして各形式の解説が書いてあり、それを解説しながら演奏が進められました。更にプログラムとは別途にカンテ・フラメンコの系統と言う資料が付いていました。余計に聞けなかったのが残念です。フラメンコのいい勉強になったのに・・・。皆さんもソレアレス、アレグリアス、ブレリアスなどの形式の名前をお聞きになったことがあるでしょう。それがどんなものなのかと言う資料と解説付きのフラメンココンサートはあまりないですよ。また次回もやってくれないかな・・・。池田さん、お願いします。



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今日は『音楽スル脳を科学スル』第1回効果的な練習法、暗譜法ってあるの?と言うサロン講座を実施。講師は脳医学博士でギター愛好家でもある中村先生で、サロンが満席状態の熱気の中で行われました。
上記写真(2枚の写真を上下に合成してあります)にある様なパワーポイントによる資料に沿って分かり易く解説、お話をしていただきました。

人間の記憶には短期記憶と長期記憶があり、短期記憶出来るのは7±2個が限度だそうです。つまり数字で言えば7桁±2桁までで、電話番号くらいなんですね。そしてその短期記憶を長期記憶にするにはいろんな方法があるんですね。
何度も頭の中で繰り返すことであったり、語呂合わせしたり、言葉に表したり、いろいろ方法があるんですね。

それと数字をグルーピングするともっと沢山の数字が記憶できるんですそうです。このグルーピングは音楽で言う初見演奏に関係するんですね。プロが始めての楽譜を初見でスラスラ演奏できるのは楽譜をかたまりで読んでいくんですね。一つ一つの音符を目で追って、認識してから脳が判断して神経を通して指に命令を出していては初見演奏は出来ないですよね。これは速読と同じですね。文章をある長さの塊りで見ていくから速く読めるのですよね。
しかし、ゆっくりと少しずつ欲張らないで行う事が肝心だそうです。

その他沢山のお話がありこのブログではご紹介しきれませんが、質問もどんどん飛び出しました。一度覚えた曲も暫く弾かないと忘れてしまうけどどうしたらよいかとか、若い頃に覚えたものは忘れないけど年取ってからはなかなか記憶できないのは何故かとか、挙句は人前で演奏するときにあがらない方法はないかなど、講座は2時間たっぷりやっていただきました。皆さんのご好評にお応えして、第2回、第3回と皆さんの興味のあるテーマを取り上げて続けたいと思っていますので是非ご期待ください。またリクエストがあれば是非お知らせください。お待ちしています。


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和声学あれこれ(2) 3.3.9→2.5→1.6.2.5

前回、339度による主要3和音早見つけ法をご披露しましたが、今回は折角ですからその339度を使って簡単な和音連結を考えてみましょう。
なにやら怪しげな数字が並んでいますが、これが結構役に立つんですよ。
まず、ハ長調を例として、ドミソを思い浮かべて下さい。勿論五線紙に書き出した方が判り易いかも。さてドミソの上に更にシレを積み上げてみましょう。するとドミソシレとなります。と、ここまでは前回の話。今回はこの和音の上の三つの音ソシレをドミソの前の小節に前倒しします。(図1)するとソシレ/ドミソのV+I(属和音+主和音)の連結になります。更にソシレ+ファラと積み上げてレファラを前倒しします。(図2)するとレファラ/ソシレのII+V(下属和音の代理と属和音)のポピュラー音楽でよく使われるツー・ファイブの連結となります。更にもっとこのレファラにドミを重ねてラドミを前倒しするとラドミ/レファラのVI+IIの連結となり、(図3)主和音Iにこれらを全部つなげますとI+VI+II+V+Iのいわゆるいち・ろく・に・ご・いちの滑らかなコード進行となり、(図4)ポピュラー音楽では標準的な連結です。どうですか、簡単でしょう。

これだけで曲を作っている例はいくらでもあります。クラシックでも勿論使いますので、どの和音をつなげたらスムーズな進行になるのか迷ったらこの方法でいきましょう。  余談ですが、面白いことにIの代りにIIIにしてIII+VI+II+V+Iこれを逆にするとド・ソ・レ・ラ・ミとなり音階的に並び直すとド・レ・ミ・ソ・ラの五音音階(東洋音階)になります。演歌は殆ど五音階(ペンタトニック)で書かれています。日本人には受け入れ易い進行ですね。

さて、注目すべき点がいくつかあります。I+VI+II+V+Iのバス進行が4度上行または五度下行の強進行になっているのに注意して下さい。
これがこの進行の特徴ですから。
また、クラシックのカデンツア(和音連結の定石)でもIVのかわりにその代理和音のIIを頻繁に使います。II7の方が多いかも。もっとも使う形は第1回転形のファ・ラ・ド・レとして。(図5)その理由は隣り同士IV+Vの連結は禁則とされている平行八度・平行五度が出来易いのでこれを避ける為にIIを意識的に使う訳です。同じくI+II+VもI+IIで平行八・五度が出来易いので、IIの前にVIを入れます。
さて、もう一つ、このIIの第3音を半音上げると後続のソシレをト長調の主和音とみた、その属和音になります。即ち五の五(ダブル・ドミナント)になり、これもスムーズな進行を促します。(図6)一度ギターで音を出して確かめて下さい。また、必ず各調でも試してみましょう。

次回は「なぜ短調には三つの音階(スケール)があるのか?」です。
                     
                               服部修司


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<あれも聴きたい、これも聴きたい> 歌とギター(Ⅲ)二人のアメリカ人

 ここにはまだ出て来てはいねぇが、アメリカ合衆国に「クリストファー・パークニング」っちゅう1947年生まれで、ちょっと様子のえぇギタリストがおることは、皆さんご存知でげしょ。なに?知らんってか?そいつぁ困った。確かに来日が極端に少ねぇだで、知っとる人は知っとるが、知らん人は知らん。昔おいちゃん達がまだ学生だったころにいっぺん来て、最近じゃぁ一昨年やっと来たくれぇだ。ちょこっと演奏してけえっちまっただが、なんでもエルマー・バーンスタインかなんかのギター協奏曲を演奏したんだと。このパークニングさぁはアメリカじゃあえれぇ有名で、レコードなんかも過去に結構出しておって、しかもなかなかの演奏をしておった。しかし若い頃のパークニングは、レコードによっちゃぁ「こいつ何考げぇとるだぁ」と思っちまうほど、セゴヴィアそっくりな演奏をしておった。そっくりな演奏ができるくれぇだから、うめぇことはうめぇんだども、音色といい歌いまわしといい、表現の仕方もセゴヴィアに瓜二つ。良く言やぁセゴヴィアの後継者、あるいはセゴヴィア二世。悪く言やぁセゴヴィアマークⅡ。セゴヴィアの物まね、セゴヴィアの声帯模写(声じゃねぇけども)と言われてもおかしくねぇほどセゴヴィアそっくりな演奏をやっておった。(そのあたりについちゃぁ、またいつの日にかご紹介したいと思っとるだども)なんだか自分は「セゴヴィアそっくりな演奏ができさえすりゃぁ、それで幸せ」とでも考げぇとるんでねぇべが、と思えるほど。(実はほんとにそう思っとたりして)

とにかく、おいちゃんなんぞは、こんだけセゴヴィアそっくりに弾ける人が出てきたら、当のセゴヴィアさんには、いつ死んでもらってもえぇと思っちまったくりゃぁだ。(失礼しました)
セゴヴィアさんも、最初は自分の後継者はジョン・ウィリアムスだんべと思っておっただに、そのジョン・ウィリアムスはどんどんあさっての方へ行っちまうもんだで、そのうち後から出てきたこのパークニングの方が可愛くなっちまったんでねぇべがっちゅうような気がするようなしないような気がせんでもない。
そのパークニングがやね、今から20年くりゃぁ前かなぁ。なんとなんと、かの有名なソプラノ歌手「キャスリーン・バトル」。バトルったって、なにも格闘技するわけじゃぁねえけども、その世界のソプラノ歌手、キャスリン・バトルの伴奏にまわって演奏したのが今回紹介するCDさね。

初めて発売された時にゃあ、「ほんまかいな」と我が目を疑ったほどびっくらこいた。バトルさんはお肌は少し黒いけども、ジャケット写真にあるようにとっても美人で、その時既に世界のトップクラスの地位を確保しちまったようなソプラノの大歌手。一方、ギターのパークニングはってぇと、ご覧のように典型的なアメリカの好青年。日本人に「アメリカ人って聞くとどんな顔を想像する?」と訊いたら、みんなこのパークニングみてぇな顔を思い描くんではねえべがっちゅうくれぇ典型的なアメリカ人顔。でもこれっくれぇ男前に生まれたら、何もギターなんぞやらなぐたって、いくらでも食っていけるだろうがぁ!っちゅうて、おいちゃんなんか、ひがみ根性丸出しでムカムカするが、ギターの腕前は折り紙付き。そんな美男と美女が、一緒に演奏をするなんざぁ、当時はとんでもねぇスクープさね。

とにかくまぁその演奏の極上なことといったら、まず最初にジョン・ダウランドの曲が5曲。(うちギターソロが2曲)こりゃぁ古楽器を専門にやっとる人から見りゃぁ「まがいもんルネッサンス」だろうけども、音楽的には充分雅な雰囲気を醸し出して、なかなか○(マル)。しかも歌は極上。次はグノーのアヴェ・マリア。ギターの編曲に途中ちょっと無理があっけども、何とか、かろうじて、やっとのおもいでレガートな音の流れを保っておる。しかも歌は極上。次は我らがヴィラ=ローボスのアリア。例のブラジル風バッハ第5番やね。これもギターの編曲に多少難ありってところだども、こりゃぁ致し方がねぇだんべ。しかも歌は極上。そして次はグラナドスのゴヤのマーハ。ギターソロではのぉて、ちゃんと歌詞がついておって、当然極上。次にブラジルのあまり有名とはいえない作曲家達による小品が3曲。これらがまた滑稽で、民族色豊かで、可愛くて、郷愁を誘われ、メロディックで、懐かしくて・・・とにかくとってもいい曲ばっかし。しかも歌は極上。次はファリャの7つのスペイン民謡から3曲。これはスペインムードがちょっとアメリカンで、先に紹介したイエペスの伴奏によるテレサ・ベルガンサの演奏には一歩譲る気が駿河、いや、するが、それでも歌は極上。最後は6曲の黒人霊歌が歌われるが、なんといっても、これがこのCDの中の白眉。さすが歌もギターも生粋のアメリカ人による演奏らしく、まさしくこれこそ黒人霊歌の真髄っと言ってよか!この6曲を録音してくれただけでも、お二人さんがこのCDを入れた価値がある!と思う。当然歌は極上の極上。うな丼だったらご飯の下にまたうなぎが隠れておるっちゅうくれぇの特上うな丼ってとこやな。おいちゃんとしちゃぁ、皆さんにもこの黒人霊歌はぜひ聴いてもらいてぇと常々思っとる。録音は、割とCDの初期なんやが、とってもクリアーで生々しい。こんな上等の演奏を聴かせてくれたお二人さんなんじゃから、続きの録音をぜひ御聞かせいただきてゃぁと、ずっと思っとったんじゃが、今んところ望みは叶っておらん。
ところで、このCDのようなコンサートを、例えばバトルさんが村治佳織さんなんかとやってくれたら、むっちゃんこかっこえぇやろな
内生蔵 幹(うちうぞう みき)

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今日は今年の新企画・ミューズ講師陣による初級者~中級者対象の公開レッスン第1回目が行われました。今回の講師は大矢修三先生。
この公開レッスンは隔月(奇数月)にミューズ講師陣が交代で実施するもので、次の目的で企画しました。
1.ギターを勉強している人達に気軽に参加してもらえる公開レッスンにする事。
  有名ギタリストによるマスタークラスとは違って全くの初心者から中級者までの人達に気軽に参加していただきたいと思っています。
2.人によって教え方がどの様に違うのかを体験していただく。現在先生について習っている人も違う先生のレッスンを受けることで視野を広げていただけると思います。又、聴講も大変良い勉強になります。
3.これは先生達にとっても同じことで、人のレッスンを聴講する事で良い点・悪い点を勉強する事が出来ます。従って今回も3人の先生方が聴講されていました。
これはある意味では先生方にとっては大変なプレッシャーにもなりますが、大変良い刺激の場所ともなり、切磋琢磨していただく事にも繋がると思っています。

今日の受講者と受講曲は次の通りでした。
中原 誠   ヘンツェ/ノクターン
滝澤 良太  ソル/月光
袴田 裕樹  タレガ/ラグリマ

今回は初級者の方が居なくて3人とも中級者又はそれ以上の人達が受講されました。従ってレッスン内容も高度なお話になりました。
大矢先生は3人に対して受講曲をメロディーパートと伴奏パートに分解した楽譜を用意されていて、別々に演奏しながらレッスンを進めました。これは大変良い方法で、皆さんが如何にメロディーを上手く謡っていないかが分かります。
また、受講者に良く質問をしていました。この曲はどんなイメージですか?この音はどんな音を出したいですか?曲やフレーズや音に対してイメージを持つ事、それをギターで再現する事。またメジャー・マイナーや7th、テンションコードなと和音の響きの違いから来るイメージ、気持ちを音に反映する事などなど、素晴らしいレッスン内容でしたよ。

大矢先生の良い所は勉強熱心であることです。ミューズで行うマスタークラスは全て参加されてノートにメモを取っています。だから教授者としてもどんどん成長されているんでしょうね。唯一の欠点はレッスン時間が押してしまう事でしょうか。(笑)

さあ、次回は3月11日(日)佐々木響士朗先生です。
初心者のあなた、受講してみませんか?佐々木先生は爪の磨き方から教えてくれますよ。




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