2009年4月のブログ記事一覧-ミューズの日記
ミューズ音楽館からの発信情報  ミューズのHP  http://www.muse-ongakukan.com/

 



先日の日曜日はワンコイン・コンサートでした。
今回はリュートソロがお一人、ギターソロが10名、ギターソロのお一人がウクレレソロも披露、ギター三重奏、そして、フルートとギターのデュオと楽しいプログラムでした。

それぞれが緊張しながら、しかし、聴衆側から言えば結構落ち着いて弾き切りました。一人も途中で止まってしまって最後までいけないと言う人は居ませんでした。ある人は自己採点を20点と言っていましたが、それは自宅で練習しているときに比べて相当不本意な演奏だったんだろうと思います。しかし、聞いている側からはそれ程の辛い点数をつけなくてもと思う演奏だったんですよ。やはり、緊張から、自分の思うような演奏が出来ない場合は、かなり自己採点が厳しくなるんでしょうね。つまりもっと上手く弾ける筈だったのにと言う思いから点数が低くなるのではないでしょうか。また、緊張のあまり、自分がどんな演奏をしているのか、客観的に判断できない事もあるかも知れません。その点が、回数を重ねることで、足が地に着いてきて、もう少し客観的に自分をコントロール出来る様になり、満足度が少しずつ高くなるように思います。もっとも回数を重ねるということは、それだけ真剣な練習量が増えると言うことですから、当然上手くなる訳です。
ちょっと小難しい表現をしましたが、だから出来るだけ人前で弾く機会を作った方がいいですよと言っている訳です。初心者の人も是非参加して下さい。今回も初めて聴衆参加して様子を見に来られた方が、次回6月のワンコインに演奏参加を申込まれていかれました。嬉しいことです。

今回のプログラムは下記の通りでした。
1.三浦 章  ファンタジー/グレゴリオ・フエト
 (リュート) ファンシー/J.ダウランド
2.住田百合子 フリア・フロリダ/A.バリオス
3.安田 顕助 月光/F.ソル 
          エチュードNo.2,No.3/H.ヴィラ=ロボス
4.稲熊 博隆 Here, There and Everywhere/ビートルズ
         イエスタディ/ビートルズ
5.布目 知弘 ヴェネズエラ・ワルツNo.2,No3/ラウロ
6.鷲見 雄史 ギター『さくらの主題による変奏曲』横尾幸弘作
         ウクレレ『KE KALI NEI AU』ハワイ伝承
7.西村 直樹  ロマンス/メルツ  舟歌/コスト
8.松野 雅樹  ソナタ Op335/スカルラッティ
9.渡邉 史明  練習曲Op.35-13/F.ソル
         AMISTAD-FRIENDSHIP/テデスコ
         マリエッタ/タレガ
10.草場 徹也  メキシコのセレナーデ/中林淳真 
          マヤの男/中林淳真
11.安形 邦男  大聖堂/バリオス
12.Canon     カノン/パッフェルベル 
          赤いスィートピー/Karuho Kureta    
13.野呂正夫(Gt)マシュ・ケ・ナダ /ジョージ ベン  
   田口華恵(Fl)1900年「酒場」 /A.ピアソラ

今回、ウクレレソロで出演された方は初めてでしたが、ウクレレソロもいいですよ。とってもきれいな音で楽しい演奏を聴かせてくれました。ギターを弾く人にとってはウクレレは至って簡単ですから一度試してみてください。ウクレレソロの楽譜もいろいろ出ています。
         

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




先日の土曜日は『大萩康司公開レッスン』でした。
昨年に続いて2回目の公開レッスンで、今回も6人の受講者がレッスンを受けました。大萩さんが結婚したと言う事もあってか、去年遠方から来ていたファンの姿はありませんでしたが、実力者である大萩さんのファンは多く、受講者6名の内3名はリピーターの方でした。中でもこの4月に小学5年生になったばかりの小玉紗瑛ちゃん、金田栞奈ちゃんの成長振りは大したもので、大萩さんも今後が楽しみですねと期待を膨らませていました。特に音楽的な成長が見られて感心させられます。大萩さんが言うことに直ぐに反応できますし、子供の可能性の大きさを改めて感じました。

受講者と受講曲は下記の通りでした。
野口 正明 プレリュード・フーガ・アレグロより「プレリュード」/バッハ
増田 泰隆 エチュードOp.29-17/ソル
杉浦 潤一 そのあくる日/ゲーラ
大西 達朗 練習曲 Op.35-17/ソル
小玉 紗瑛 イ短調組曲 ジーク/ポンセ
金田 栞奈 セビリャーナ/トゥリーナ

レッスン終了後に、ちょこっと演奏してくださいましたが、その演奏がまた素晴らしい。安定した技術は勿論、その音楽性たるや、彼のプロとしての底力を見せてくれました。聴衆は完全に飲み込まれていました。
また、終了後には受講者と一緒に打上げを行いましたが、レストランでギターの演奏が始まり、受講者も大萩さんも、はたまた私まで演奏して、レストランが発表会上に。ほぼ貸切状態で楽しい打上げになりました。
また、11月頃に来て頂く事になるかも知れません。今回来られなかった方は是非お越しくださいね。


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




少しアップするのが遅くなりましたが、先日(4/5)の益田正洋さんのコンサートのご報告です。
今回のコンサートは益田さんの6枚目にあたる(フォンテックからは4枚目)CD『ヴィラ=ロボスギター作品集』の発売記念として行われました。
益田さんが名古屋でソロコンサートを行うのは今回が初めて。私も以前から楽しみにしていたコンサートでした。

開演前、ご本人が『今日は緊張してきました・・・』と仰り、一人でいるより誰かと話をしていた方が気が紛れますと、店に降りてきて私やお客さんたちとお話しをされていました。人によっては一人でいる方が落ち着く人と、誰かと話していた方が落ち着く人と、タイプが分かれるようですね。これだけのプロの演奏家でも緊張というのはあるんですから、アマチュアの愛好家が人前で演奏するのに緊張で失敗するのは当たり前ですよね。皆さん、安心して緊張してくださいね。(笑)

プログラムはかなり重厚な内容で、自分が演奏したい曲を集めたらこんな内容になってしまったんです、と益田さん。
<プログラム>
1.J.S.バッハ:リュート組曲 ホ長調 BWV1006a
2.ヘンデル:ソナタ Op.1-15
 (原曲:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ)
3.J.S.バッハ:シャコンヌ
4.ヴィラ=ロボス:5つのプレリュード
5.ブローウェル:ソナタ

確かに、すごいプロでしょ?
出だしは若干硬さを感じさせる演奏でしたが、リュート組曲のメヌエットあたりから調子も出てきて、1部最後のシャコンヌでは拍手が鳴り止まない程の感動的な演奏でした。
そして、2部のヴィラ=ロボスは最近レコーディングしたばかりと言うこともあって、聴衆は益田さんの世界に完全に引き込まれていました。皆がよく知っているロボスながら、彼自身の音楽になっていて、今まで聴き慣れた曲がこんなに新鮮に響くんだと改めて益田さんの音楽性に感服しました。
演奏が如何に素晴らしかったかは、売れたCDの枚数でも分かります。サイン会の時には、ミューズの店のドアを開放して外まで並んでいただきましたから・・・。

終演後、食事をしながらいろいろとお話しする中で、『ギター音楽普及』について華が咲き、盛り上がりました。益田さん曰く、『演奏家も普及にもっと努力すべきだ。私で役に立てることがあれば手伝わせて欲しい。』これは3月に来て頂いた松田弦さんも同じ様なことを言ってくれてましたが、トップを走る若手演奏家がその様に考えていてくださいるのはとても嬉しいし、心強い限りです。もっともっとギター人口を増やしたいですね。これはプロの演奏家に限らず、アマチュアの愛好家の皆さんも、一緒になってやれるといいですね。

コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )




<あれも聴きたい、これも聴きたい> 加藤 早紀ちゃん、アランフェスデビュー!
  一昨年の11月、徳島で行われた「集まれ!フレッシュ・ギタリスト」に出場し、圧倒的なテクニックと素晴しい表現力を見せてくれた東京の加藤早紀ちゃんが、先日3月の26日(木)、東京は錦糸町にある「すみだトリフォニー・ホール」において、ジュニア・オーケストラとではあるがアランフェス協奏曲を演奏した。
 やはり早紀ちゃんはこの春小学校を卒業したばかりの、まだまだ幼さの抜けないかわいい女の子。こんな女の子がギター協奏曲の大曲「アランフェス」を全曲まともに演奏するということは、やはりクラシック音楽界にとって1大イベントなんでしょう。前日25日のリハーサルからテレビ局の大掛かりな取材が入って舞台裏は大賑わい。舞台下手に大変な機材を積み上げてミニテレビ局が開設。ドキュメンタリーを制作するんだとのこと。
 オーケストラは、すみだトリフォニーを拠点として常設されている小学校の4年生から高校3年生までのジュニア・オーケストラ。ジュニアといってもその指導・指揮にあたるのは松尾葉子さんというれっきとしたプロの指揮者であり、個々の楽器演奏については、やはりこのホールを拠点にして活動している新日本フィルハーモニーの楽団員の方達が責任をもって指導しておられるとのことで、演奏は大人のオーケストラと互角に渡り合えるほどの実力をもっている。下手なアマチュア・オーケストラなんぞは足元にも及ばないほどの演奏をすることで有名。

 今回私はやはり独奏ギターの音響を担当ということになりリハーサルに立ち会うこととなったわけですが、オケは通常のギター協奏曲のような小編成なものではなく、おそらく70人から80人はいるのではないかと思えるほどの大編成。案の定練習が始まるとそれはもう大音響。子供は手加減というものを知りません。精一杯弾きまくります。「ええかげんにせえよ!これに太刀打ちしようと思ったらエレキギターでも持ってこんと無理だぜい!」。
さらに曲が始まるとそれはもうどんどん演奏スピードがアップしていって明らかにスピード違反。袖で聴いている我々も「このままいったらあそこのスケールはちゃんと弾けるんやろか?」と心配になってくるほど。しかし当の早紀ちゃんは顔色ひとつ変えず楽々と弾いてのけてしまうからこれまたすごい!
 その後練習が進むにつれてスピードはそこそこにおさまってきたが、まだまだオケの音量が大き過ぎる。なんとかオケの音量をもう少し抑え気味にということで、関係者一同、ひたすら指揮者の方にお願いし、本番の翌日をむかえました。
 当日3時くらいから本番の進行に添ってリハーサルが始まりましたが、前の日と打って変ってオケの音量はぐっと抑えられてとってもいい感じ。ギターの音も特に不自然さなく聴けてこれまた「いい感じ!」。
 リハーサルも終わって刻一刻と本番の時間が迫ってくる。早紀ちゃんも少しは緊張しているようだが、大人が緊張している様子と比べれば羨ましいくらいに平静。むしろその緊張を楽しんでいるかのようです。その証拠に楽屋では一緒に写真を撮ったり、我々とおしゃべりをしたりと終始にこやかにしていられるのはさすが。
 本番1曲目はビゼーのオペラ「カルメン」からの3曲。そのあといよいよ加藤早紀ちゃんの出番だ。リハーサルとは打って変って真っ赤なドレスがとってもかわいい。舞台下手に控えている我々にむかって「よろしくお願いします」とでもいうようににっこり微笑んでステージへ出ていきました。「未来の大器」をうかがわせます。
 演奏が始まると舞台下手ではオケのメンバーで演奏しない人たち(子供達)10名ほどが、会場関係者、テレビ局のスタッフらと固唾を飲んでモニターテレビに注目しています。1楽章が始まりました。「いかん!スピードが少し速過ぎる!」皆そう思いましたが、モニターから聞えてくるギターの音は全ての音がはっきり出ていて、早紀ちゃんがしっかりとしたテクニックで演奏してくれているのが聴き取れる。「大したもんだ。」舞台裏で見守る全ての人たちの口から驚嘆の声があがる。あっというまに1楽章が終わり、聴かせどころの第2楽章。重要な旋律を奏でるイングリッシュホルンが大そう美しいのにはびっくり。それを受けて早紀ちゃんのギターも思いっきりよく精一杯歌います。これもまた大したもんだ。等しくみな感動に襲われた。そして最後の第3楽章。これまた少しスピード違反ぎみではあるけれども、とにかく「会長にそして総会に」、いや間違い、「快調にそして爽快に」指が運ばれます。そして最後のあの長いスケールの始まりは、ゆったりと威厳をもって、そして次第にスピードを増していくというやりかたで貫禄充分。最後のREの重音が3つなり終わると、下手のモニター前で固唾を呑んで見入っていたメンバー全員から一気に大歓声が上がった。「やったー!やったー!すごい!すごい!」の連発。まさに自分達と同年代のスターの誕生を、心から祝福しているようです。

 コンサート終了後、早紀ちゃんとそのご両親を囲んで打ち上げ会が催されましたが、そこでの早紀ちゃんはまったくもって小学校を卒業したばかりの、とっても控えめではにかみやさん。そしてむちゃくちゃ可愛い女の子に戻っておりました。帰り際、その細いかわいい手を差し出して「ありがとうございました」といって握手をしてくれました。おいちゃんはもうメロメロでござりまする。
内生蔵 幹

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )