2010年5月のブログ記事一覧-ミューズの日記
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昨日(5/29)はピアニスト・上原由記音さんの演奏会『イベリア全曲演奏会』に行ってきました。上原先生には3年ほど前にミューズでもスペイン音楽についてのレクチャーとピアニストの観点から、ギターで弾くアルベニスやグラナドスのレッスンをして頂いたことがあり、それ以来お付き合いをして頂いています。

彼女はスペイン音楽のスペシャリストで、昨年のアルベニス没後100年に《イベリア》全曲を含む「アルベニス作品集」全4巻のCDの収録を終え、今年その中から晩年の傑作、4巻12曲からなるピアノ組曲「イベリア」の全曲演奏会を各地で開催すると言う快挙を成し遂げようとしています。このイベリア全曲演奏と言うのは私の知る限り聞いた事がありません。
ギター専門店のミューズにもその4巻のCDは全て揃っており、ギター愛好家の皆さんにも大好評です。

上原先生は巨匠ジャック・フェブリ、アントニオ・ルイス・ピポー、アリシア・デ・ラ・ローチャの各氏に師事しており、スペイン物への造詣、解釈、表現は素晴らしく、CDを聴いていても感動してしまいます。
今回も第2集2曲目のアルメリーアを聴きながら目頭が熱くなりました。アンコールではグラナダも弾いて頂きましたが、良かったですね。ギターでは絶対に出せない左右の妙味、歌い方など流石に上原さんでした。

また、いつかミューズにもレクチャーとレッスンに来て頂きたいと思いました。その時は是非皆さんもお見逃しのないように・・・。
山下高博

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先日の日曜日(5/23)はフラメンコギタリストの池田浩さんによる『ラスゲアードの基本~応用』でした。ギター持参でいろんな方にご参加頂きました。中には初めての方でジャズギターをやっている方もいらっしゃいました。

ラスゲアードと言うとフラメンコの特許みたいなイメージがありますが、意外と古くからあったんですね。バロックギターも掻き鳴らす奏法を結構使います。そして、フラメンコでどんどん進化して行ったんでしょうね。クラシックギタリストのラスゲアードとフラメンコギタリストのそれとは音が随分違います。これはラスゲアードに限らず、親指の単音弾きだけでも違いますよね。フラメンコギタリストの音は歯切れが良く、ビリ付音混じりのフラメンコらしい音です。これは楽器の違いもありますが、やはり弾き方が違います。同じ楽器で真似をしてもなかなかフラメンコらしい音が出ません。ただし、ラスゲアードの基本は同じですから、池田先生の講座はとても参考になります。今回で3回目ですが、毎回大好評です。

彼の右手の動きをビデオカメラで大きなスクリーンに写しながら、解説して頂き、参加者が実践し、時折先生が見て回って細かなアドバイスをして頂くのでとてもよく分かります。参加者のお一人が『今まで分からなかったことが今回で全て分かりました』と大満足のご様子でした。

話しは変わりますが、今回会員の皆さんにアンケートをお取りしたのですが、その中に『ギターの基礎』『初級者向けの講座』などのご要望がありました。楽器に関してや、奏法、練習の仕方など初級者の皆さんにもご参考になるような内容の講座を今後考えて行きたいと思っています。皆さんもご要望がありましたら、メールでも結構ですし、このブログへのコメントでも結構ですので、どしどしご要望をお寄せ下さい。よろしくお願いします。
山下高博

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皆さんはギターが進化し続けていることをご存知でしょうか?
個人製作家は日々進化しています。メーカー品も進化しています。

よくあるお話ですが、
お客さん『~~さんのギターを持っているんだけど、チョット~~でね。』
ミューズ『それは何年位前の楽器ですか?』
お客さん『かれこれ20年位前かな・・・。』
ミューズ『今の~~さんの楽器はそんなことありませんよ。一度弾いてみてください。』
お客さん『ホントだね。全然違うね。』

お客さん『30数年前の~~さんの当時10万円のギターを持っているんだけど、今だといくら位に相当するの?』
ミューズ『今では50~60万円の楽器に相当しますね。』
お客さん『でも今の50万円の楽器の方がうんと鳴るね!』

これは、楽器が進化しているからです。製作家は常に試行錯誤をしながらより良い楽器作りに努力しているからです。もしも努力をしていない製作家がいたとすれば、その製作家は消えていくことでしょう。

最近特にこの進化を強く感じるため、ブログに書こうと思いたちました。仙台の三浦隆志さん、名古屋の加納木魂さん、蟹江の一柳邦彦さん、長野の茶井幸秀さん、東京のアルベルト・ネジメさん、そしてヤマハも10年ぶりに普及価格帯のラインナップ・CGシリーズをモデルチェンジしましたが、それぞれが進化しています。皆さんがいろいろ考え、新しい試みを試行錯誤しながら、より良い結果を導いているんですね。

三浦さんのSpide-Vも従来の三浦ギターに更にしなやかさが増しています。加納さんは630mmのショートスケールが、これでショートスケールかと言う豊かな低音の響きと高音の鳴りを実現しています。茶井さんも先日入荷した630mmは鳴り、バランスとも今までで最高の出来です。まだ、ホームページにもアップしていませんが、数日前に完成した一柳さんの50号も、ご本人にも申し上げましたが、今までで最高の完成度で、ロマニロス一世を彷彿とさせる太い粘りのある音でフアッと鳴ってくれます。
ヤマハの65,000円のギターもこの価格帯でスプルースを使用している唯一のメーカーですが、従来の音の硬さが完全に払拭されて、松らしい音で良く鳴ってくれます。他のメーカーにとっては脅威の商品となるでしょう。メーカーは個人製作家のように1本1本に試行錯誤しながら改良を加えるということはありませんので、進化するのにある期間を要します。モデルチェンジの企画が立てられて設計から見直す作業が入ります。一度設計変更したら何年かはその設計、仕様で生産が続きますからね。

その点、個人製作家は違います。毎回試行錯誤することが可能です。たまには新しい試みが外れて後退するする事もあるでしょう。しかし、それはご本人にも分かることですし、演奏家や専門店にも分かることです。通常は後退した商品は市場に出て来ない筈です。少なくともミューズではあり得ません。
はっきり言って30年~40年前の邦人製作家のギターは輸入品に水を空けられていたものが多かったです。すぐれた製作家もいましたが、平均的には優れた輸入物には敵いませんでした。しかし、今は違います。この30~40年で邦人製作家のレベルは驚くほど上がっています。海外の製作家も同様ですが、その差が無くなって来ていると言えます。あなたもその進化している様をミューズで感じ取ってください。
購入予定がなくても一向に構いません。試奏はお気軽になさってください。そして、製作家の努力の様を感じてください。
山下 高博


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先日の日曜日(5/16)は花尾律子先生による第4回目のメンタル・トレーニングでした。
昨年11月に第1回目を開催し大好評を頂き、それではと言う事で3回シリーズで6つのテーマで実施いたしました。
今回下記二つのテーマで実施しました。
1.より良い音の為の姿勢と各部位の使い方
2.日々の練習プログラムの作り方

「姿勢と各部位の使い方」では3人のモデル生徒さんに1曲演奏をして頂き、それをビデオに撮っては再生して問題点を指摘して、指導していただきました。
少し前かがみになっている人、左肩が上がっている人、左手に力が入りすぎて使わない指が立っている人などいろいろです。姿勢を直したり、脱力すると音が変わります。
基本的にはリラックスした姿勢にギターの持ち方を合わせると言うことが重要なんですね。ギターに身体、姿勢を合わせるのではなくてね。

花尾先生はフルートが専門ですが、流石にギター演奏の姿勢に関しても適切な指摘をされます。そして、その改善方法についても適切なアドバイスをされます。具体的な楽器の持ち方、姿勢、脱力の練習方法については私の方から補足という形でアドバイスをさせて頂きました。

そして、日々の練習プログラムの作り方では、
1.日程配分
2.時間配分
3.練習内容
4.反省など
をどうするか、細かなアドバイスを頂きました。

これで、サロン講座としての「メンタル・トレーニング」は終了です。
来月からは基本的に第2火曜日の14:00~17:00の間で個人レッスンを実施していただきます。一人60分で7,350円です。昼間に仕事のある方には受講不可能な時間帯ですが、花尾先生の事情で暫くはこの時間帯で実施いたします。

また、6/12(土)~6/14(月)のギター合宿 in 高山では今までの3回のテーマ全てを実施いたします。是非合宿にもご参加下さい。
山下 高博



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先週の土曜日(5/15)は益田正洋さんのコンサートでした。
3月に新譜CD『ソナタ』を発売していますが、今回はそのCDに因んでソナタでまとめたプログラムでした。
5時に開演のコンサートでミューズに着いたのが3時過ぎ。直ぐにリハをするのかな?と思いきや、お茶を飲んだり、CD,楽譜を見たり、お話ししたりでなかなか会場でのリハが始まりません。そう言えば昨年もそうだったなと思い出しました。3:45頃にリハを始めて、4:15頃には終わっていました。そして、控え室で練習するのかなと思いきや、彼はあまり一人で居たくない人なんですね。5時2分前に呼びに行くと、4階事務所で家内と話し込んでいるではありませんか。急ぎ支度をしてもらい5時過ぎに開演。

最初はやや硬い演奏でしたが、徐々に調子を上げて、後半は素晴らしい演奏でした。彼の演奏は、音楽に正面から4つに取り組む正統派のもので、聴いていてもとても好感が持てます。気持ちや気合が入っていて聴くものにぐいぐい迫ってきます。
また、サロンコンサートでは、よくお喋りを交えての演奏が主流ですが、彼はプログラム最後の曲までお喋りなしで演奏しました。後でご本人に聞くと、最初に話しをすると、先入観を持って聴いてしまうので、演奏の後で種明かしをするスタイルで『こんな気持ちで弾きました』と話しをしたかったと言う事でした。これも彼が音楽に真正面から取り組む姿勢の現れでしょうね。

プログラムは少々重たい内容でしたが、皆さんには大好評で、CDも沢山売れました。ありがとうございました。

<プログラム>
1.F.ソル:ソナタOp15-2
2.J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番 BWV1001
3.L.バークレー:ソナチネ
4.J.トゥリーナ:ソナタ
5.F.M.トローバ:幻想的ソナタ

山下 高博

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